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マルチBAのカナル型イヤフォンも一新、オーテク秋の新製品発表

» 2016年10月13日 22時23分 公開
[ITmedia]

 オーディオテクニカは10月13日、毎年恒例の大規模な新製品発表会を開催し、アナログターンテープルVM型カートリッジワイヤレスヘッドフォンといった新製品群を発表した。昨年は「ハイレゾ」と「アナログ」を軸にした同社だが、今年はアナログターンテーブルをはじめとする「ホーム」とヘッドフォンなどの「ポータブル」に分けて新製品を紹介。同社の松下和雄社長は、「外でも音楽を楽しむ人が増えており、そのニーズに応えることは使命だ」と話した。

同社の松下和雄社長
耳掛け式のカナル型イヤフォン「LSシリーズ」(写真はATH-LS300、後述)やリケーブル製品も登場

「ATH-SR9」

 そうしたポータブル製品のうち、有線接続のフラグシップモデルとなるのが、「ATH-SR9」だ。45mm径ドライバーを搭載した密閉型で、駆動力を極限まで引き出すという純鉄一体型ヨーク採用の磁気回路を搭載。7N-OFCショートボビン巻きボイスコイルとDLC(Diamond Like Carbon)コーティングを施した振動板を組み合わせた専用ドライバーを搭載している。

 ハウジングやスライダーにはアルミニウムを採用したほか、イヤーパッドには人の体温で柔らかくなる特殊な素材を用い、安定性を高めるとともにストレスの少ないリスニング空間を提供するという。ケーブルは着脱式で、オーディオテクニカ独自のA2DCコネクターを使用した。

 本体重量は約270g。再生周波数帯域は5〜4万5000Hz、インピーダンスは47Ω、感度は97dB/mW。11月25日に発売する予定で、価格はオープン。店頭では5万円前後になる見込み。

「IMシリーズ」から「LSシリーズ」へ

 現行「IMシリーズ」を置きかえる新世代のカナル型イヤフォンが「LSシリーズ」5機種だ。「ATH-LS400」は、低域2、中域1、高域1の4ドライバーを搭載した“クアッドBAモデル”。音の解像度と量感の豊かさを追求したLSシリーズ専用ドライバーにより「圧倒的なディテールと音場感を再現する」という。ケーブルは同社独自のA2DCコネクターを採用した着脱式になっている。実売想定価格は6万円前後。

「ATH-LS400」。再生周波数帯域は15〜2万Hz、インピーダンスは20Ω
LSシリーズはすべてA2DCコネクターを採用した着脱式ケーブルになっている

 「ATH-LS300」は、低域1、中域1、高域1の3ドライバーモデル。同じく独自のA2DCコネクターを採用した着脱式ケーブルを備えた。実売想定価格は4万円前後。

「ATH-LS300」。再生周波数帯域は18〜1万8000Hz、インピーダンスは15Ω

 スーパーツイーターとフルレンジという2BAドライバー構成の「ATH-LS200」は実売2万5000円前後。各音域でセパレーションの良いサウンドを実現したという。

「ATH-LS200」。再生周波数帯域は20〜1万6000Hz、インピーダンスは47Ω

 「ATH-LS70」は、ダイナミック型ドライバー2基を直列配置し、同時に駆動することで振動板の歪みを軽減し、透明感のある中高域とエッジの効いた低域を再現するという。実売想定価格は1万3000円前後。

「ATH-LS70」。再生周波数帯域は5〜2万6000Hz、インピーダンスは11.5Ω
デュアル・ダイナミック型ドライバーの概要

 同じくデュアル・ダイナミック型ドライバーを搭載しながら実売7000円という実売価格を実現したのが「ATH-LS50」。しかもA2DCコネクターによる着脱式ケーブルを備えている。またATH-LS50にはブラック、レッド、ネイビー、イエローというカラーバリエーションもそろえた。

「ATH-LS50」。再生周波数帯域は5〜2万5000Hz、インピーダンスは11.5Ω

 このほか、ファッションアイテムとしての色合いも濃くしたオーバーヘッド型のポータブルヘッドフォン「ARシリーズ」などを加え、秋の新製品ラインアップを完成させたオーディオテクニカ。松下社長は7年連続で国内ヘッドフォンシェアナンバー1を獲得していることを挙げながら、新しいBluetoothヘッドフォンなどでも「市場で存在感を示していく」と胸を張った。

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