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廉価なEOSというより“徹底した入門機”、キヤノン「EOS Kiss X9」(3/3 ページ)

» 2017年08月23日 17時07分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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 画面表示もX9iから採用された「ビジュアルガイド」でより親切に分かりやすくなっている。

画面はカラフルで分かりやすい

 従来通りの画面表示も選べるが、初心者には「Q」ボタンでこのメニューが出た方がシンプルで分かりやすい。

ビジュアルガイド時の画面は必要な情報を大きく表示(従来型も選べる)。ここで左下の「Q」をタップするか、中央ボタンを押す
メニュー操作が可能になる。フルオート時に操作できるのはこの2つだけ。ストロボの発光もここで選べるが、一度他のモードに切り替えたり電源を切ると「オート発光」に戻ってしまうので注意
絞り優先AE時の画面。選べる項目が4つに増える

 もちろん他のキヤノン機と同様、Bluetoothに対応。Bluetoothでスマートフォンと常時接続してWi-Fiで写真を転送する機能も持っている。

背面から。画面はライブビュー時。モニターの右に各種ボタンがあり、凹凸やボタン形状に工夫があって分かりやすい。ライブビューと光学ファインダーの切替はファインダー右のボタンで
ライブビュー時のQメニュー画面は従来通り
ライブビュー操作はタッチAFも使えて便利。ライブビューと光学ファインダーを自在に切り替えて使う入門機といっていい(18-55mm 1/640秒 F5.6 ISO100)

 その他、シーンモードやクリシティブアシストなど特殊撮影モードも用意されている。

 その1つ、手持ち夜景から1枚。4枚連写して1枚に合成してノイズを減らしてくれる。

手持ち夜景モードで撮影。ディテールは少し甘くなるがノイズは目立たなくなる(18-55mm 18mm 1/20秒 F5.6 ISO3200)

 凝った撮影はせず、ライブビューで撮ることが多い人には小さくて軽くて安いX9は最高の選択じゃなかろうか。いっそ、アイセンサーをつけて、自動的にライブビューがオンになるような仕組みを入れてもいいんじゃないかというくらい。

 しかもこの丸みがあってコンパクトなデザインは上位のX9iより人気が出ても不思議はない気がする。

ホワイトモデルはなかなか印象的

 X7が持っていた小型軽量さやデザインへのこだわりがちょっと薄れたのは残念だが、その分汎用性が上がり、より幅広い層にすすめられるカメラになった。

 性能面ではX9iに劣るところも多々あるが、小さくて軽くて可愛くて安い一眼レフが欲しい、という層にはX9の方が確実にアピールする。光学ファインダーのAF測距点の差はモニターを使ったライブビューを多用するなら大した問題ではないし、違いを感じるとしたら動画時の電子手ブレ補正の有無(X9iは動画時に電子式の5軸手ブレ補正を持つがX9にはない)や電子水準器くらいじゃなかろうか。

 であれば、気軽に一眼レフを楽しむならX9の方がいいんじゃないかと思うくらいである。

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