料金プランは何を選ぶべき? 「だれ定」+ケータイはお得?――ウィルコムの料金を考察する(3/3 ページ)
ウィルコムの主な料金プランには「新ウィルコム定額プラン」「新ウィルコム定額プランS」の2つがあるが、どちらがお得なのか。また、国内の通話料が条件付きで無料になる「だれとでも定額」を、ケータイと組み合わせて2台持ちをするとお得になるのだろうか。
ケータイ+「だれとでも定額」でパケ代も削減できる?
だれとでも定額が利用できる料金プランの新ウィルコム定額プランと新ウィルコム定額プランSは、キャリアメールの送受信無料、パケット通信料金も月額最大2800円で、ケータイと比較すると安く、代替できればケータイのパケット通信料も削減できる可能性がある。では実際はどうなのか。
まずメール(キャリアメール)に関しては、ケータイも利用し続けることが前提の場合、ドコモなら「タイプシンプル バリュー」(メール使いホーダイ)、auなら「プランEシンプル」(ガンガンメール)を料金プランに選択することで、ケータイ側ではメール送受信のパケット通信料金は0円にできる。auの場合、キャリアメールの自動転送も可能なので(パケット通信料不要)、ウィルコム端末でも受信できる。ソフトバンクでも「シンプルオレンジE」を選択すればメールの送受信は無料になるが、ソフトバンク間の通話無料が適用されなくなる。いずれのプランも基本料金に無料通話分が含まれなくなるが、そもそもメールは無理にウィルコムに移行しなくても、そのパケット通信料は大幅に削減できる。
Webやアプリはそもそも現時点でどのような使い方をしているかに左右されるだろう。正直言ってウィルコム端末向けに公式サービスを提供しているサイトは少ないし、おサイフケータイもSuica、Edy、QUICPay、ANA、JAL、ビックカメラ、ヨドバシカメラなど、さっと紹介しきれてしまう程度のサービスしか利用できない。今時は店舗の割引クーポンの提供などもケータイ向けは多いが、ウィルコム端末はケータイとして見なされていない場合が多い。仕組み的に端末識別が難しいといったこともあり(さらにモデム接続でPCからでも公式網にアクセスできる)、なかなかサイト側の対応が進まないのが実情のようだ。ウィルコム側が積極的だったmixiやTwitterなどは対応しているが、モバゲータウンやGREEなどの無料ゲームで人気のサイトも非対応のまま。ケータイでは当たり前になりつつあるGPSを使ったナビサービスなどが少ないのもネックだ。
ウィルコムのパケット通信料金の上限は月額2800円と低いが、パケット単価は新ウィルコム定額プランSが0.105円/パケット、新ウィルコム定額プランが0.084円/パケットで、ケータイ3キャリアの2段階制パケット定額サービス利用時と同水準。つまり上限に達するのはけっこう早い。上限の差額はおおむね1600円程度なので、現状ケータイでWebサービスやおサイフケータイなどをパケット定額で使っている人は、Webやおサイフケータイの移行を無理に考えない方がいいだろう。最悪なのはケータイとウィルコムの両方でパケット通信料金を発生させてしまうことで、ウィルコムは音声発信とメール用とした方が堅実だ。
パケット通信をウィルコムだけで賄えるとしたら、ウィルコム向けにもメジャーなサービスがそろっているおサイフケータイが挙げられる。WebもGoogleなどウィルコムでも利用できる無料系のサービスや、交通系など公式サイトが中心なら、パケット通信利用をウィルコムに移行するのも悪くない。ただしこういう使い方をする人は、パケット料金にあまり頭を悩ませていないことが多いと思う。新ウィルコム定額プランと新ウィルコム定額プランSのパケット単価がもっと安ければ……と思う。
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