2004 International CES、こぼれ話(モバイル編)

» 2004年01月15日 18時44分 公開
[芹澤隆徳,ITmedia]

 広大なInternational CESの展示場には、さまざまな新製品や参考出展がある。短い期間にすべてをチェックすることは難しいが、今回は、その中から気になるものをピックアップ。「パソコン録画したファイルを再生できるカーナビ」と、米国で注目を集めている「トランシーバモード対応携帯電話」を紹介したい。

パソコン録画したファイルを再生できるカーナビ

 USBを介してパソコンと接続し、内蔵のHDDにMP3などの音楽ファイルをダウンロードする。そうしたカーナビは既にいくつか存在するが、ソニーが参考出展していたHDDナビはひと味違う。動画をサポートしているのだ。

 「パソコンとつなぎ、音楽やビデオを転送することがコンセプト。ナビを使いながら音楽を聴いたり、渋滞中や停車中はビデオも楽しめる」(同社)

photo ソニーが参考出展したHDDカーナビ

 6.5インチ液晶ディスプレイにHDDナビ本体も組み込んだオンダッシュ型で、専用の取り付け金具なら本体を簡単に着脱できる。PCと接続するときは、本体を外して自宅に持ち帰ればいい。また本体側面にはコンパクトフラッシュスロットとメモリースティックスロットを装備し、メモリーを介して楽曲を転送することも可能だ。

 視聴時には、FMトランスミッターを使って音声をカーオーディオに送る形になるが、オプションでRCAピンジャック付きの別ユニットも用意するという。また、ベガなどでメモリースティックに録画したMPEG-4動画(2003年10月の記事参照)を再生する機能の付加も「検討中」だという。

 ソニーは、このHDDナビを年内にも国内発売する計画。価格は未定ながら「量(販売台数)を狙っていける価格を設定する方針」と話している。

photo メモリースティックといえば、サンディスクが2GバイトのメモリースティックPROを発表したこともCESのトピック。またメモリースティックブースでは、PROが持つ「アクセスコントロール機能」をオン・オフできる携帯電話が参考出展されていた(残念ながら撮影は不可)

米国の最新ケータイ事情

 日本では3Gばかりが注目される携帯電話だが、米国では「トランシーバモード」がブームだ。SANYO Fisherブースで見つけたCDMA/AMPS対応の携帯電話「SCP-5500」は、31万画素カメラを搭載した同社初の動画対応端末。同時に、Sprint PCSが昨年末に開始したばかりのトランシーバサービス「Ready to Talk」をサポートした点にも注目したい。

 トランシーバモードといえば、Nextel Communicationsの「push-to-talk」が有名だろう。通話先は同じキャリアの端末に限られるものの、ダイヤルする必要がなく接続までの時間が短いこと、最大5カ所と同時に通話できること、そして通常の通話よりも割安な料金が特徴。昨年前半まではNextelだけのサービスだったが、その後Verizon WirelessとSprint PCSが相次いで参入し、競争が激化している。

 実際に展示されていた2台でトランシーバモードを試してみたところ、確かにダイヤルしている様子はなく、通常の通話に比べて接続時間は短かった。音質は、ごく普通の携帯電話レベルだと思う。これが多地点通話になるとどのようになるのか興味深いが、残念ながら番号の入っている展示機が2台しかなかったので試すことはできなかった。

 操作手順はというと、通常の電話帳とは別に用意された通話先リストを開き、相手を選択して決定するだけ。その際、複数の通話先を選択しておけば多地点通話になる。麻雀のメンツを集めるときなどに重宝しそうだ。なお通話先リストは用途に応じてフォルダ分けが可能。仕事関係、家族、麻雀仲間といったグループを作っておけば便利だ。

 「もともと業務用として発達したトランシーバモードだが、最近では個人ユースの人気が高い」(同社)。国内のキャリアも注目しているという話は聞くが、仮にサービスが開始されれば、けっこう人気を集めそうな気がする。

photo 最後に気になったケータイをもうひとつ。こちらはLG電子ブースで見つけた音声コマンド携帯電話「VX4500」だ。米国向けで、1.9GHzと800MHzに対応する。そんなスペックはさておき、早速「ボイスメール」と叫んでみると……
photo かなり日本人的発音だったのに認識してくれた。かわいい奴だ

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