「Xperia 1 VIII」に23万円超の価値はある? 大刷新のデザインとカメラ、“ソニーのこだわり”に迫る(1/2 ページ)

» 2026年07月28日 06時00分 公開
[佐藤颯,ITmedia]
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 画面比率や解像度が変更されて話題を呼んだ「Xperia 1 VI」の発売から2年。2026年は、カメラを中心に大きな進化を遂げた「Xperia 1 VIII」が登場した。今回はXperia 1シリーズを全て使ってきたユーザーの視点から、Xperia 1 VIIIをレビューしていきたい。

原石のようなOREテクスチャー ソニーらしいこだわりのデザイン

 Xperia 1 VIIIを手に取って最初に目を引くのが、独自開発の「ORE(オーア)テクスチャー」だ。「原石」を意味する言葉の通り、微細な凹凸を施した背面やフレームは、まさに原石のような反射や手触り。触れるたびに他社のスマートフォンとは異なる質感を楽しめる。

 今作はグラファイトブラック、アイオライトシルバー、ガーネットレッド、そしてSIMフリーモデル限定のネイティブゴールドと、いずれのカラーも素材の美しさを生かしたきらめきが宿っている。

 本体フレームに刻まれた「Xperia」のロゴも、かつての「Xperia Z5」を思い起こさせる演出で、長年のXperiaファンにとってはたまらないディテールだろう。

Xperia 1 VIII
Xperia 1 VIII 筆者が購入した「Xperia 1 VIII」。今回はネイティブゴールドを選択した
Xperia 1 VIII フレームに刻まれたXperiaロゴはXperia Z5をほうふつとさせる。細部にもこだわりが宿っている

 カメラ周りのデザインの変化も大きな見どころだ。今作からL字型に刷新されたカメラレイアウトは、ペリスコープ式の望遠レンズを搭載しながらも、カメラバンプを本体のデザインに溶け込ませる機能美を実現している。

 昨今のカメラ性能重視モデルは円形のカメラ部に大型化した望遠カメラの関係でカメラ部の厚さが大きい機種が多いが、Xperia 1 VIIIでは極力抑えている。

Xperia 1 VIII 独自のOREテクスチャーと、カメラレイアウトが刷新されたことが大きな変化。ペリスコープ望遠を備えながら本体との一体感を保った設計だ

大きく進化したカメラ性能 望遠は現在主流のトレンドに、AIによる新体験も

 今作最大のアップデートはカメラだ。カメラ構成はメイン(広角24mm/F1.9)、超広角(16mm/F2.0)、望遠(70mm/F2.8)の3眼で、全カメラが4800万画素に統一された。メインカメラには2層トランジスタ画素積層型 のLYTIA LYT-T808(1/1.35型)、超広角カメラにはLYTIA LYT-700(1/1.56型)を搭載しており、ここは前作から継続の構成だ。

 最も大きな変化が望遠カメラだ。Xperia 1 VIIの1/3.5型センサーから、今作では超広角カメラと同じく1/1.56型へと大型化し、センサー面積にして前モデル比約4倍という大幅な進化を遂げた。

 また、従来の85〜170mmという可変式の連続光学ズームを廃し、70mm単焦点のペリスコープ式に変更された。一般的に利用頻度の高い3倍望遠相当の画角となり、使い勝手が向上した。この結果か、マニュアル調整可能なテレマクロ撮影には非対応となった。

 大型センサーを用いた光学3倍前後の固定焦点というのは、「OPPO Find X9 Ultra」をはじめとする現行ハイエンドの主流の考え方に近い。スマートフォンのカメラで先行する中国メーカーたちの思想に、Xperiaのハードウェアがようやく追い付いてきたと感じる部分だ。

Xperia 1 VIII 望遠カメラのセンサーは前モデル比で約4倍に大型化。連続光学ズームから単焦点ペリスコープへの変更は、現行スマートフォンカメラの主流の考え方に沿ったものだ
Xperia 1 VIII
Xperia 1 VIII
Xperia 1 VIII
Xperia 1 VIII
Xperia 1 VIII RAWマルチフレームプロセッシングによる静止画の解像・HDR性能の向上も加わり、写真の完成度はXperia 1 VIIから明確に進化していると感じた

 3眼全てのセンサーが大型化したことで、暗所撮影性能も全レンズでほぼ均一化されている。ソニー製フルサイズセンサー搭載デジタルカメラ並みの暗所性能を実現したという公式のうたい文句はややオーバーだと感じるが、カメラ性能の進化という点では納得できる仕上がりだ。

Xperia 1 VIII
Xperia 1 VIII
Xperia 1 VIII
Xperia 1 VIII
Xperia 1 VIII 今作では望遠カメラが大きく強化された

 AI機能も見どころの1つだ。新たに搭載された「AIカメラアシスタント」では、シーンや被写体をAIが認識し、撮影設定を4パターン提案してくれる。細かい設定をしなくても自分好みの雰囲気の写真に仕上げられる手軽さは、カメラに慣れていない層にも間口を広げる取り組みといえる。

 とはいえ、正直に言えば「Xiaomi 17 Ultra」や「OPPO Find X9 Ultra」といった同価格帯の競合と比べると、カメラ性能では及ばない部分もある。

 XiaomiはメインカメラにLOFIC対応でダイナミックレンジを確保できる1型センサーを採用し、望遠カメラには、かつてのXperia 1シリーズが採用していた連続光学ズーム機構を採用している。Xiaomi 17 Ultraの望遠カメラは、Xperia 1 VIIIよりも大型の1/1.4型センサーを備え、2億画素を実現している。

 OPPO Find X9 Ultraは、ソニーの最新世代センサーである2億画素の「LYTIA 901」をメインカメラに採用。さらに2つのペリスコープ式望遠カメラを備え、3倍望遠にはメインカメラ級となる1/1.28型・2億画素センサー、これに加えて5000万画素の光学10倍望遠カメラまで搭載するモンスターマシンだ。Xiaomiはライカ、OPPOはハッセルブラッドとの協業チューニングや各種専用アクセサリーで、撮影体験そのものを向上させている。

 今回のXperia 1 VIIIのカメラ構成は進化してはいるものの、メインカメラは2023年のXperia 1 Vから据え置かれており、超広角・望遠カメラのセンサーも「LYTIA 700」という、2024年頃のミッドレンジ機で見られたものだ。競合が最新世代のセンサーや光学機構で基礎性能を大きく引き上げていることを踏まえると、進化の内訳としてはやや物足りなさが残ることは否めない。

 正直なところ、Xperia 1 VIIIのカメラハードウェア構成は、2023年のOPPO Find X6 Pro(メイン1型、超広角・望遠が1/1.56型)に近い水準といえる。周回遅れとはいえ、ようやくこのラインまで追い付いたというのが正直な印象で、依然として追いかける立場であることは変わらない。それでも、中国メーカーが積み上げてきたカメラの考え方に確実に近づいてきた点は素直に評価したい。

Xperia 1 VIII AIカメラアシスタントはシーンに合わせた撮影設定を4パターン提案してくれる。カメラ設定に不慣れなユーザーにもうれしい機能だ
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