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» 2004年03月05日 04時07分 公開

コンテンツプロバイダもリアル連携にシフト

決済だけでなく、「売り場の案内やキャンペーン商品の抽選も携帯で」という世界が、すぐそこまで来ている。コンテンツプロバイダもリアル連携に向けて動き始めた。

[後藤祥子,ITmedia]

 2004年の携帯電話のキーワードとなるのは、リアルとの連携。携帯による決済を中心に、そうした世界が広がっていくことが予測されている(2月26日の記事参照)。

 通信キャリアがリアルとの連携を推し進める中、コンテンツプロバイダのインフラ構築も活発になってきた。東京ビッグサイトで3月5日まで開催される「RETAILTECH JAPAN 2004」では、サイバードが“ショッピングと携帯”を連携させたサービスをデモンストレーションしている。

“欲しいものがどこにあるか”を、ケータイで

 その一つが、携帯電話を使ったリアルショップのコンシェルジェサービスだ。大きなショッピングモールや郊外の大規模店舗では、顧客が自分の求める商品を探すのが難しい。また、欲しいものがあいまいなときに、店舗にどんな商品があるのかを知りたいというニーズもある。

 これまではPCやマルチメディアキオスク端末がそうした案内サービスを提供していたが、「誰もが持っている携帯電話でそれを実現しよう」とサイバードは提案する。

 「例えばキオスク端末の場合、大きい店舗に導入するには多額のコストがかかる。また、そのキオスク端末がどこにあるのかを探さなければならないのでは、案内サービスとして本末転倒。それに代わることを携帯電話でできるのではないかと考えた」(マーケティング事業部の岡田英敏マネジャー)

 想定している利用シーンは次のようなものだ。店舗に到着して携帯電話内のアプリを起動すると、案内役のキャラクターが登場する。そのキャラクターとの対話を通じてニーズを入力していくと、自分が必要なものが絞り込まれていく。入力されたテキストはデータベースとマッチングされ、顧客のニーズに合った製品がどこの売り場にあるのが検索され、その結果が顧客の端末に表示される。

会場ではiアプリを使ったデモを展開。アプリ経由での通信が必要となるため、ドコモの505iシリーズが使われていた

 このシステムはAI(人工知能)が使われているのも特徴の一つ。人間のさまざまな行動特性をサーバのデータベース側で記憶し、AI側がそれぞれの質問に最適な解を選択肢として提供するという。そのメリットは「あいまいなところも含めて提案できる点にある」と岡田氏。

 「例えば、ある顧客の答え方によっては“AとC”という選択肢が提案されるかもしれない。ただ、同じ答え方をしても微妙に違う点があれば“AとB”という提案になるかもしれない。人工知能を使えば、その顧客の行動特性を元に、蓄積したデータの中から最適な解を導き出せる」

 システムの開発に当たっては、イナゴとジークスがAIのエンジン開発を、サイバードがさまざまなショッピングの業態に合わせたプランニング、データのCRM部分のデータベースの持ち方やサイト側のプランニング、iアプリの開発を担当。今年の夏に向けて、どのような形でショップに提案できるのかを検討、秋以降にもサービスを提供できる体制に持っていきたい考えだ。

 当初は、Eコマースとの連携から入っていくのではないかと岡田氏は予測している。「Eコマースからリアル店舗にうまく導いていけるのではないか。オンライン店舗を運営するショップの商品でも、Eコマースで買えないものはリアル店舗に誘導する。もしくは買ったものの受け取りを、顧客が住んでいる地域のどこで行えるか、といった使い方もできるだろう」

 ただし、課題もいくつか挙がっている。一つはこのシステムを使う場合、ユーザーが通信費用を負担することになる点だ。「通信スピードやデータのやり取りをいかに標準化させて、データのやり取りにかかる料金を少なくできるかが課題。店側が通信費を持つような可能性も考えられるだろう」

 もう一つは、アプリとしての供給を予定しているため、使える端末が限られてしまう点だ。「3キャリア対応が必須なので、Javaを使ったアプリだけでなく、BREW対応も進めている。そうした機能を持たないローエンド端末を使っているユーザーがまだ多いのが現状だが、今年はそうした端末の世代交代が進む転機の年だと見ている」

レシートにキャンペーンのシリアルナンバーを

 サイバードが進めるもう一つのリアルとの連携が、POSレジと携帯電話を使ったセールスプロモーションシステムだ。

 携帯電話を使ったプロモーションでよく見かけるのが、製品のパッケージに添付されたシール。シールをめくると出てくるシリアルナンバーを携帯電話経由で入力して、プレゼントの抽選や待ち受け画像の配信を行うというものだ。

 このシリアルナンバーをレシートに打ち出し、コストをかけずにキャンペーンを行えるシステムを開発している。

 「商品パッケージへの印刷やシールの添付をしなくても、対象商品だということが分かればいいだけの話。対象商品を買ったときに、何かがトリガーになってキャンペーンに応募できる仕組みを考えればいい」

 そこで、POSレジ側にモジュールを組み込むことで、レジに打ち込んだ商品がキャンペーン対象製品なら、シリアルナンバーを打ち出すという仕組みを作った。

キャンペーン対象商品がレジに入力されるとレシートにシリアルナンバーが印刷され、ユーザーはその場で携帯電話からキャンペーンに応募できる

 「ショップのスタッフは、どれがキャンペーン対象製品なのかを気にする必要がなく、キャンペーンを実施する側は低コストでキャンペーンを展開できる」

 このシステムでは、顧客情報の管理も行える。POSレジの購買情報と、キャンペーンに応募したユーザーデータをマッチングさせることで、顧客のニーズに合わせた製品情報の提供を携帯電話を通じてユーザーに行えるという。

 「データベースを分析することで、さまざまな顧客のニーズに合わせたサービスを提供できる。店舗に特化したキャンペーンや特定ユーザー向けキャンペーンが可能になる」

POSレジと携帯電話を連携させたセールスプロモーションシステムのサービスイメージ

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