つながっていたい気持ちを大事に〜「A5405SA」(1/2 ページ)

» 2004年04月16日 21時34分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 丸みを帯びたデザイン、コンパクトなボディ、女性のニーズを考えた機能──。三洋マルチメディア鳥取が開発する端末は、いつも女性の使い勝手を考慮して開発されてきた。デザインにこだわった薄型のストレート端末「INFOBAR」も、同社が端末開発にかかわっている。

左からA5405SA、A5306ST、A1014ST、A1011ST。三洋マルチメディア鳥取の端末は、UVチェッカーや、癒し効果を演出する「オーロラドリーミネス」、フォトスタンド機能など、女性のニーズにこだわった端末開発を行ってきた

 そんな三洋マルチメディア鳥取が春モデルとして世に送り出したのが「A5405SA」。ハードウェアスペックは抑えめながら、背面のデザインやコンパクトさを重視した端末だ。デザインは、ソニーデザインセンターを経てイタリアに渡り、今では自らのスタジオを設立して家電製品やカトラリーなどのデザインを手がける岩崎一郎氏とのコラボレーションによるものだ。

三洋マルチメディア鳥取。自然に囲まれたこの地でINFOBARやA5405SAが作られている
モバイル通信技術部モバイル通信課の長谷順子主任企画員(右)と、技術企画部プロダクトデザイン課の佐古宏文課長(左)

女性から、つながる相手まで〜ターゲットを拡大

 これまで女性をターゲットとして端末開発を行ってきた同社だが、A5405SAではその層をさらに拡大。そのアプローチはユニークで「女性は誰とつながっていたいか」というものだ。

 「A5405SAでもベースになっているのは女性ユーザー。今までと異なるのは、女性が携帯でコミュニケーションしたい相手もターゲットとして開発している点」だと端末企画を担当したモバイル通信技術部モバイル通信課の主任企画員、長谷順子氏は話す。

 「女性が携帯電話を持って生活する中で、大切にしたい相手は、子供や夫、ボーイフレンド、離れて暮らしている両親、友達といった人たち。使う本人だけでなく、その相手にも受け入れられる携帯を──という観点で開発をスタートさせた」

 それを象徴しているのが「ペア機能」。発話キーが「ペアキー」に割り当てられ、このボタンを押せば、あらかじめ登録した1人の相手に簡単に電話やメール、自分の居場所を伝えられるというものだ。「一番つながっていたい相手に、いかに簡単に、確実に連絡を取れるかを考えたところから生まれた機能」

 メニューはノーマルモードのほかに、時間割やお小遣い帳モードを搭載、メニューの色もカラフルな「ジュニアモード」と、必要最低限の機能をシンプルな手順で操作できる「スマートモード」が用意されている。こうした機能も「子供や年配のユーザーとつながる」ことを意識した機能だ。

ジュニアモードのインタフェース。ポップな色遣いで、個々の機能もしっかり作り込まれている

 特にジュニアモードは、かなり細かく作り込まれた印象だ。小遣い帳は出入金を管理できる本格的なもので、時間割の入力インタフェースも分かりやすい。また、ジュニアモード時には、アドレス帳に登録されていない相手からのメールはタイトルしか閲覧できず、web toやphone to、mail toといったリンク先には飛べないようになっているなど、安全面にも配慮されている。

 「親がノーマルモードで通話時間とメールの送信回数を設定しておけば、ジュニアモード時には設定した以上は使えないようにもできる。ノーマルモードとジュニアモードで別のロックナンバーを持たせているので、子供はジュニアモード時に自分のプライバシーを守れる。ノーマルモードのロックナンバーを親が管理していれば、使いすぎの設定を子供が変更することはできない」

 ジュニアモードに載せる機能を選ぶに当たっては、渋谷の小学校5〜6年の女の子と、その両親に集まってもらって意見を聞いたという。「子供は時間割やスケジュール帳、親は子供の居場所が分かる機能や使っている料金や時間を把握できる機能が欲しい、という声が多かった」。

候補にはグリーンも──ボディカラー

 A5405SAのボディカラーはレッド、ブラック、ホワイトの3色がラインアップされている。デザイナーの岩崎一郎氏からは、この3色以外にグリーンも提案され、4色の中から絞り込んでいった。

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