ボーダフォンも“デザイン重視”へ始動

» 2004年04月22日 20時35分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 ボーダフォンが携帯の“デザイン”への取り組みを本格化する。4月22日に発表した東芝製の「KOTO V303T」は、その第1弾となるものだ(4月22日の記事参照)。

 KDDIやドコモも、デザインを重視した端末を相次いで発表しているが、いわゆる外観や表層レベルでの取り組みだけでなく、「サービスと連携した、新しい型、必然性のあるデザイン」(デザインを統括する浦元芳浩ターミナルマネジメント部課長代理)を目標の1つとする。

開発のやり方変えて

 デザインに関してこれまでボーダフォンはコンセプトの提示は行っていたが、実際の商品のデザイン検討はメーカーのアイデアを基にしていた。今回「キャリアならではのデザインを実現するため、モックアップを作って提示」(浦元氏)している。

 取り組みは2年ほど前から始めており、「KOTO」がそのファーストモデル。「KOTO」に続くコンセプトも温めており、「いくつかのアイデアは端末メーカーと検討を始めている。早い時期に製品化したい」(浦元氏)

サービスを活用するための“新しい形”の提案から、表層の外見に凝った端末まで7つのコンセプトモデルが披露された

 いずれも「3Gでのストリーミングや地上デジタルテレビ放送、大容量ゲームなど、3Gサービスをかなり意識している」とし、一部は3G端末向けのコンセプトであることも明かした。表層のデザインに関しては、外部デザイナーとのコラボレーションも検討しているという。

graphicaから1年の停滞

 「デザインというと、表層的な形や色、テクスチャについて語られることが多いが、そこにプラスアルファ。ユーザービリティやサービスを最適化することを狙っている」

 ボーダフォンとしてのデザインへの取り組みをこう話すのは端末全体を見るターミナルマネジメント部の森一幸部長だ。

 例えば、同社が積極的に取り組むアナログテレビ受信機能付き端末はもちろん、将来登場する地上デジタル放送へ対応した携帯電話では、横長の画面で閲覧できるのが理想的。こうしたサービスに合わせて、端末自体の形も変わっていくべきだ。

 機能に即した意味のあるデザインや、ユーザーインタフェースを意識したデザインなど、考え方で一歩先へ踏み出したボーダフォン。だが、同社の端末開発を取り巻く状況は順風満帆ではなかった。

 思い起こせば、「INFOBAR」や「900iシリーズ」などより遡ること1年、J-フォン時代にキャリア主導で斬新なデザインの「J-D06“graphica”」を開発している(2002年7月31日の記事参照)。デザインに関しても先進的だったJ-フォンだが、ボーダフォンに体勢が変わる中で足踏みがあったのも事実だ。

 「graphicaは業界に先駆けて取り組んだ機種。続けてやってきたが、正直少し間が空いてしまった。先鋭的なデザインには、『何台売れるのか』といったビジネスの部分でいろいろな評価があった」と森氏は打ち明ける。

海外端末デザインの主導権握れるか

 Vodafoneグループの方針として、今後主力とする3G端末ではNokiaなど海外メーカーの端末を積極的に採用していく(2003年10月1日の記事参照)ことも不安要因の1つだ。「海外メーカーは日本と違うビジネスモデル。欧州ではどちらかというとデザインもメーカー主導」(森氏)だからだ。

 森氏は、欧州で展開中のVodafone live!が今後の方向性を指し示していると話す。端末メーカー主導から、コンテンツを軸にキャリアが主導権を握ろうとする試み──それがVodafone live!の1つの顔だ(2月10日の記事参照)。デザイン面でも、「もう少しキャリアサイドからバランスを取っていく」(森氏)考えだという。

 3Gへの移行のつまづきや、端末ラインアップを絞り込んだ弊害が徐々に見え始めているボーダフォン(4月20日の記事参照)。しかし、もともと先進的だったデザインへの取り組みが、ボーダフォン移行後、半年を経て動き出した。

 「先鋭的なデザインにつきものの飽きられるリスクを考えながらも、チャレンジしていかないと、面白みのない端末ばかりになってしまう」と森氏。今後のデザインに関する取り組みに注目したい。

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