キャリア決済適用で、一般Vアプリはどう変わる?座談会(2/2 ページ)

» 2004年06月04日 22時25分 公開
[斎藤健二,ITmedia]
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田中 公式コンテンツは非常にハードルが高い。もろもろの条件をクリアしていないとあそこには入れない。オープンサイトは比較的入りやすく、ブランド云々よりも技術力が評価されるんです。

ITmedia どのくらい入りやすいのですか?

手島 百貨店の例でいくと、似た商品を複数の店が売るということはないんです。全体として幅広い層をカバーしたいので、商品としては違うラインアップをそろえたいですよね。そうなると、絶対的にいいものを作ったとしても、先に類似商品があれば、「別の路線でお願いできませんか」ということになってしまう。全体を見ながら商品を開発しなければならないのがハードルになってしまいます。もう1つは、百貨店のカラーというものがありますから、そこにそぐわないものはご遠慮くださいということになります。

ITmedia ではアプリレジが公式サイトへの登竜門というような、ステップアップしていくものではなく、別のものとして捉えるのが正しいのでしょうか

手島 人によってはそういうところもあるかもしれないが、決して百貨店がゴールではないものと思っていて、例えば安くてそれなりのもの提供するのも1つの価値じゃないでしょうか。

ITmedia 田中さんはどの方向を目指しているのですか。

田中 僕はどちらかというとトップは狙わないで、自分にしか作れないソフトを提供していくスタイルを取りたい。いわゆる要求が降りてきて作るのではなくて、好きなモノを作りたい。

小原 今のモバイルビジネスをやるときに、公式以外だと広告に頼るしかない。でもモバイルの広告ってひどい有様なんです。出会い系が半分以上を占める。出会い系と金融で70%以上。そういう広告を自分のサイトに載せて、月に5〜6万円の売り上げで携帯のアプリを作っていかなくてはならないのが現状なんです。アプリレジを使えば、広告なんか載せなくても好きなアプリを作っていけるのは非常に大きなメリットだと思います。

ITmedia 個人的にはどんなアプリがオープンアプリで出てきて欲しいですか?

手島 ディープなテーマのものが出てくるとうれしいですね。例えばシミュレーションゲームって、公式ではあまり出てこないんです。ユーザーがそんなに多くないだろうという認識のようで、ユーザーを育てるのではなくて、そういう市場があるならやろうというスタンスのようですね。

ITmedia 大手が本格的にやるには小さくても、個人がいいものを作る分にはいい市場というのはありますね

小原 やっぱりツール系のアプリが出てほしいです。公式ではマーケットありきでアプリを作りますが、開発コストばかりが増えて、売れないからさらに開発コストが増えるということになってしまう。オープンアプリを介して、ツール系でビジネスができるようになってほしいです。

ITmedia 田中さんは今10本アプリを出していますが、今後は?

田中:僕が本来作りたいゲームは、RPGとかシミュレーションなんです。今回出したテーブルゲームは戦略的なものなんですよ。今後は、端末に特化したものとか、アホなものをやりたいです。全機種で動くアプリのほうが、薄く広くマーケットとしては大きいんでしょうが、作る側としてはこの端末で作るのはイヤだとか、好みもあるんです。今回夏モデルとか新しい端末が出るので、ぜひこれで作りたい! という方向に走りたい。

ITmedia アプリレジの今後の見通しはどうでしょうか?

小原 こうしたアプリを作って欲しいと依頼するのではなくて、やる気がある作者に適切なツールを提供していきたい。僕らで得られない業界動向に基づいた事例を紹介するとか、販売数が即日見られるようにしてあげるとか。オープンなビジネスで真剣にやりたいと思っている人が伸びていける土壌を提供していきたい。



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