7月上旬、まもなくドコモの「おサイフケータイ」が登場する(特集参照)。FeliCa対応が話題を集めているが、実際にどのような利便性があるか、いまひとつイメージがわかないユーザーも多いのではないだろうか。
本サービスを直前に控えた今、多くの企業が対応端末を使って実証実験を行っている。例えば、チケット予約・販売の大手「ぴあ」は、六本木ヒルズにて同社の会員200名限定の実験サービスを行っている。
というわけで、実際に六本木ヒルズに出かけて、ぴあが実験している「FeliCaケータイよる電子クーポンサービス」を体験してみた。
まず向かったのは、六本木ヒルズ・森タワーの6階にある「SEATTLE'S BEST COFFEE」。ここでは、電子クーポンによる割引サービスが受けられる。
電子クーポンを使うには、あらかじめ対応店舗のクーポンデータをダウンロードしておく必要がある。もちろんその場で、専用のiモードサイトからSEATTLE'S BEST COFFEEのクーポンをダウンロードしてもOK。FeliCa用のiアプリが自動起動し、通信を行った後、クーポン情報がFeliCaチップに格納される。
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カウンターに、FeliCaの操作説明をするディスプレイが目立つかたちで設置されている。左横には、読み取り端末も見える |
同店の人気メニューである「ホワイトソイラテホイップ」(500円)をレジで商品を注文後、さっそく店頭の液晶タッチパネルを指示どおり操作して、FeliCa対応の試験端末「SO504iC」を読み取り機にかざす。あっという間に、ディスプレイに“読みとり終了”のメッセージが表示される。店員さんがメッセージをチェック後、10%割り引かれ、500円が450円になった。
お得感を満喫し、コーヒーを飲みながら携帯の画面を見ると、「お知らせがあります」との見慣れぬメッセージが表示されている。早速、指示のとおりサーバと通信を行うと、「駐車場無料クーポン」がケータイに書き込まれた。
今回の実証実験では、対応店舗でFeliCaサービスを利用すると、直後に駐車場の2時間無料クーポンが入手できるシステムになっている。ぴあでは単なる電子クーポンの配信にとどまらず、消費者の行動パターンを予測して、“次のアクション”に役立つ情報を提供する、という仕組みを整えようとしているのだ(6月21日の記事参照)。
現状、ぴあが六本木ヒルズで提供するサービスはまだ実験段階だ。 FeliCaのリーダライタは通常、ネットワークに接続されているものだが、今回はスタンドアロンとなっている。商用サービスを提供中の「デジポケ」の場合、電子チケットアプリには座席情報などが組み込まれている。しかしこの試験サービスでは、アプリに詳細情報は組み込まれておらず、リーダライタは端末のIDを読みとっているに過ぎない。 「六本木ヒルズのシステムは実証実験用に組んだもの。本格サービスに向けてのシステムは、改めて構築する予定」(ぴあ全社戦略室・覚張正浩室長) |
コーヒーを飲んで一休みした後、向かったのは森美術館と東京シティビュー(展望台)。ぴあの実証実験ユーザーは、期間中、3回無料で入場できる特典がついている。
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