モバイル端末で視聴可能な放送サービスの具体像に迫る特集「1セグ放送&モバイル放送・徹底比較」。最初は“どんな端末で視聴するのか?”に焦点をあてる。昨日はモバイル放送の受信端末を取り上げたが、今日は1セグメント放送(1セグ放送)受信端末を確認したい。
1セグ放送受信端末としては、これまでも携帯端末がいくつか展示されてきた。三洋電機やNECが開発中の試作機を披露しているほか、KDDIが「W11H」ベースの受信機を発表している(5月12日の記事参照)。また、ドコモが提唱する地デジ端末のコンセプトモデルこと「OnQ」もある。
もっとも、端末自体がどのような形状になるかは、いまのところ不明。分かっているのは、「携帯に1セグ放送のチューナーを内蔵した製品が出るようだ」ということだけだ。そこで、本稿では端末周辺のユーザーインタフェースに目を向けてみたい。
これまでに明らかになっていることは、携帯から1セグ放送を閲覧する場合「通信画面と放送画面」が分割されて表示されるということだ。非常に端的な「通信と放送の融合」のかたちといえる。
通信の部分は、さまざまな作りこみが予想される。たとえばKDDI研究所では、独自技術として地デジ用の通信サーバアプリケーションを開発している。ストリーミングサーバ機能が実装されており、地デジ端末向けにストリーミング配信を行える。
つまり、放送を見ながら通信の部分ではストリーミングコンテンツを視聴することも可能なわけだ。配信ビットレートは最大500Kbpsだという。KDDIはほかにも、位置情報履歴などを端末/サーバ間で共有する拡張機能を開発済み。位置情報連動コンテンツの提供も可能だとしている。
上写真は、TBSが「mobidec 2004」会場で示した地デジサービスのイメージ図。担当者が個人ベースでデモ用に作ったものだというが、やはり下半分にユーザーが操作可能な分野が用意されているようだ(放送局がどのようなコンテンツを考えているかは、本稿とは別に取り上げる予定)。
なお、現時点では「テレビ視聴中は、データ放送などの画面を出しても必ず映像表示を必須とすること」が決まっている(6月3日の記事参照)。詳細がどう作り込まれてくるかに注目だ。
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