結局、何が視られるのか?(モバイル放送編)1セグ放送&モバイル放送・徹底比較(1/2 ページ)

» 2004年09月30日 19時59分 公開
[杉浦正武,ITmedia]

 モバイル端末向け放送サービスが始まるといっても、一般ユーザーにはいまひとつメリットを想像しにくいだろう。理由はやはり、「何が視聴できるか分からない」ところにある。

 1セグメント放送とモバイル放送の違いを比較する本特集、今回は「結局、何が視られるのか?」をお届けする。まずはモバイル放送から確認しよう。同社の編成統括部長附 編成統括部海外プログラム担当、シニアマネージャーの宮田庄悟氏に聞いた。

Photo モバイル放送の宮田氏

映像/音楽/データ放送の3種類

 モバイル放送のコンテンツは、現段階である程度まで内容が公開されている。詳しくは番組一覧表が同社のページにあるのでそちらを参照してほしいが、「映像チャンネル」「音声チャンネル」「データ情報サービス」の3種類に大きく分かれている。

 イメージとしては、CS衛星放送のような月次契約の有料放送サービス。料金はパッケージの種類により、1000〜3000円程度の価格帯になる予定だという。

 映像チャンネルは、6つ用意されている。土日には競馬情報番組「グリーンチャンネル」がプレミアムサービス(別料金、月額1200円程度を予定)が放送されるため、これを入れると7チャンネル編成ということになる。

photo 写真は、試作機で映像チャンネルのメニュー画面を表示したところ

 番組内容は多彩だ。「Ch.001」ではモバイル放送のオリジナル番組を提供するほか、CSの人気チャンネルの看板番組も用意する予定となっている。

 「Ch.011」ではNHKのニュースなども配信される予定。NHKが民間の放送事業者に番組を提供するのは、これが初めてだという(9月9日の記事参照)。「NHKのニュースは、(ほかの情報番組とは)違うよさがある。モバイル放送は外に持っていくメディアなので、災害が起きたときにも最新の情報を取得できる」(宮田氏)

 上記2チャンネルは自主編成で提供されるが、ほかのチャンネルは“サイマル放送”(=ほかの放送サービスで提供される番組を、同じ時間帯に流す)の形式。MTVが提供する「Ch.035」や、NNN24が提供する「Ch.014」などはフルサイマルとなっている。

 宮田氏はキラーコンテンツ候補として、リアルタイム性の高い「ニュースとスポーツ」を挙げる。ニュースは、朝の通勤時間・昼の休憩時間・夕方の帰社時間などに応じて、適切なフォーマットで流すことを心がけるようだ。

 「スポーツ番組のほうは、まだ発表できる状況にない。ただしコンテンツの中に入ってくるだろう。実験放送では既に、阪神タイガースの野球中継なども行っている」

 宮田氏はまた、ユーザーアンケートをとると「海外ドラマ」や「洋画」のニーズも多いようだと紹介する。もっとも、モバイル端末でどれだけ長時間の動画を視聴してもらえるかは未知数。「やらないわけじゃないが、長くて1時間のコンテンツがメインに並ぶだろう」とした

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