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» 2004年10月29日 15時31分 公開

オーバードライヴ「お前今どこで何やってんだ?!」Mobile&Movie 第135回

映画の中の名脇役として登場する“モバイル製品”をご紹介する「Mobile&Movie」。今回は“シモキタ違い”から三味線修行に励むことになるギタリストが主人公の「オーバードライヴ」。auの携帯が登場します。

[本田亜友子,ITmedia]
作品名オーバードライヴ
監督筒井武文
制作年・製作国2004年日本作品

 人気絶頂のロックバンド“ゼロデシベル”は、都内のホテルで新曲発表の記者会見を開いていました。リリースする曲はすべて大ヒット、次作にもマスコミの大きな期待がかかっていましたが、ゼロデシベルのキーボーディスト・ジンは、不安でいっぱい。それというのも、ボーカルの美潮とギタリストの弦が、見るからに険悪なムードだったのです。

 二人が恋人同士だった頃は、美潮の歌も弦の伴奏も絶好調。でも別れた今は、顔を合わせるだけでお互い不機嫌になってしまうのです。そんな美潮と弦をなだめすかし、記者会見を続けますが、質問がメンバーの恋愛問題に触れると、美潮の苛立ちは頂点に。

「私、ギターの音って嫌いなんです」

 それは、弦への脱退勧告。新曲はギター抜きで創ると美潮は宣言したのです。テレビカメラの目の前で、クビにされた弦は愕然。ホテルの自室へ戻り、酒を浴びるほど飲んでしまいます。なぐさめにきたジンも呆れるほど、弦は泥酔。財布と携帯電話だけポケットに入れ、千鳥足でタクシーに乗り込みました。

「シモキタまで」

 ろれつの回らない口で、それだけ告げるとタクシーの中で弦は眠り込んでしまいます。そして弦が目を覚ますと、そこにはのどかな田園風景が広がっていました。弦はタクシーの運転手を怒鳴りつけます。

「シモキタって言っただろう!」

 タクシーの運転手はにっこり笑って答えました。

「シモキタですよ。下北半島」

 弦は自宅のある下北沢ではなく、青森県の下北半島まで連れて来られたのです。タクシーのメーターは30万円にもなり、弦の財布の中身では足りません。慌てて携帯から連絡をしようとしますが、いつの間にかなくなっていました。

 実は、タクシーの運転手の正体は、津軽三味線の名人・五十嵐五郎。後継者探しをしている五郎は、弦のギターの腕前を見込んで、都内からシモキタまでさらって来たのです。しかたなく五郎の家へと向かう弦。着くなり、五郎は三味線の猛烈な特訓を始めます。

 あまりのハードさに耐え切れず、弦は逃げ出そうとしますが、行く手を阻まれます。タクシー代を払っていないうしろめたさもあり、弦は公衆電話を見つけ出し、ジンの携帯電話に助けを求めます。

「お前今どこで何やってんだ!?」

ホテルからいきなり姿を消した弦を問い詰めるジン。

「時間ないから用件だけ言うわ」

手持ちのコインも少なく、話せる時間はわずか。

「30万用意してくれよ」

「は?!」

 ジンに事情を話す前に、電話は切れてしまいました。結局修行を続けることになり、肩を落とす弦の前に、五郎の孫の晶が現れます。晶は弦好みのカワイイ娘。一目惚れした弦は、晶にいい所を見せたいがために、修行に打ち込むようになります。

 やがて、津軽三味線という楽器の奥深さに気付いた弦は、才能を次第に開花させていきます。そして、とうとう津軽三味線の王者決定戦“アルティメット大会”へ出場することに。

 弦の前にはどんなライバルが立ちはだかるのか? 弦は晶を振り向かせることができるのか? 弦のなくした携帯電話の行方は……。映画初出演の吉田兄弟をはじめ、実在の三味線名人が劇中で披露する演奏は圧巻です。

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