燃料電池、μチップ認識、iVDR記憶――日立が愛知万博で情報端末

» 2004年11月11日 17時10分 公開
[西坂真人,ITmedia]

 日立製作所は11月11日、来年3月から愛知県で開催する2005年日本国際博覧会「愛・地球博」(愛知万博)の日立グループ館の出展内容説明会を実施。同館で使う情報表示端末として開発した「Nature Viewer」を公開した。

photo 愛知万博の日立グループ館で使われる情報表示端末「Nature Viewer」

 「ユビキタス情報社会を実現するための情報端末」というコンセプトで開発されたNature Viewerは、3.5インチの液晶ディスプレイと2つ(A/B)のボタンのみというシンプルな構成。しかしその中身は「ミューチップ」「燃料電池」「iVDR」という同社が誇る3つのコア技術が導入されている。

 愛知万博に出展する日立グループ館では、最先端のITを通じて実現した希少動物との出会いという感動のユビキタス体験を通じて、自然の大切さや素晴らしさを理解してもらうという「未来のユビキタス体験」がテーマで、プレショー/メインショー/ポストショーの3部構成の演出が用意されている。

photo 愛知万博に出展する日立グループ館

 Nature Viewerは約500台が用意され、来館者全員に配布。約175(幅)×150(奥行き)×75(高さ)ミリで重さは約700グラムの本体には、液晶画面裏側にミューチップリーダーを搭載しており、ミューチップを内蔵した展示物に端末をかざすことで映像コンテンツを鑑賞することができる。

photo
photo

 愛知万博の入場チケットには同社のミューチップが組み込まれているが、Nature Viewerはチケットに登録されている各種個人情報も読み込んで、来場者一人ひとりに合わせたエンタテインメントを各ショーで体験できるようになっている。

 Nature Viewerを駆動するのは、同社が開発したカートリッジ式のモバイル向け燃料電池と内蔵リチウムイオン充電池(1800mAh×2)のハイブリッド電源システム。日立グループ館の開館時間は約13時間となるが、カートリッジで気軽に交換できる燃料電池を使うことで、充電なしで開館時間中(13時間)のフル稼働を実現した。カートリッジ1本には希釈メタノールが5ミリリットル入っており、約1時間で使い切るカタチになる。

photo

 「当社独自開発の電解質膜で、モバイル機器向け燃料電池の課題とされていた水が出にくいのが特徴。カートリッジ方式で安全・簡単に取り替えられる。ファンを使わない自然排気を採用したので振動もない」(同社)

 なぜ燃料電池だけでなく、充電池も併用したハイブリッド方式を採用したのだろうか。

 「化学反応を利用した燃料電池は、安定的にある出力を維持するのは得意だが、スタートアップ時やHDD稼動時など急激な電力消費には充電池との併用が必要となる。一方で、待機時など電力消費がほとんどない時には、燃料電池から充電池に電力を供給(充電)するといった使い方もできるのがハイブリッド方式の利点」(同社)

 また、小型・軽量で持ち運びが可能な大容量リムーバブルHDDとして期待されている「iVDR」を内蔵ストレージメディアに採用。Nature Viewerには小型機器向けの20Gバイト版iVDR miniが内蔵されており、日立グループ館で使われる映像コンテンツなどを収録している。

photo

 本体内に固定されているため、iVDRの売りである“交換可能なリムーバブル”機能はスポイルされているものの、耐衝撃性/静粛性/高速伝送といったiVDRならではの機能が生かされているという。

 このほか、日立グループ館では、Mixed Reality(MR:複合現実感、MR)を駆使したアトラクション「ユビキタス・エンターテインメント・ライド」が売り。来場者はライドに乗車し、HHD(Hand Held Display)を通してジオラマを見ると、現実の空間にCGによって再現された希少動物がリアルタイムに合成され、あたかもその場に希少動物が存在するように見えるという。

photo HHD(左)、ライド(中央)、ライドに乗ってHHDをのぞいている様子(右)。位置センサーによって来場者一人ひとりの位置が特定されることにより、HHDをのぞき込む角度によって見え方が異なるなど、一人ひとり違った演出が楽しめる。
photo リアルタイムに現実空間とCGとを合成することで、双方向性のあるやり取りが可能。来場者がハンドセンサー(右)をつけた手を動かすことでその手に動物が近寄って来たり、動物にえさを与えることができるといった体験をすることができる

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月28日 更新
  1. ダイソーで1100円の「USB Type-C to HDMIケーブル」でスマホの画面をテレビに映すとどうなる? 対応機種なら試してみる価値あり (2026年10月24日)
  2. 「iPhone Duo」は買いか見送りか――賛否 そんな中、登場した「iPad mini」は誰向け? (2026年10月27日)
  3. 「Google Fitbit Edge」先行レビュー:画面付き、Google マップ対応の実力は? Fitbit Airとの1万円差を検証する (2026年10月27日)
  4. 新型「iPad mini」発表 有機EL搭載で防水にも対応、5.4mm/255gへと薄く軽くなって11万9800円から (2026年10月26日)
  5. 個人情報の流出にユーザーはどう備える? 乗っ取りやクレカ不正利用を防ぐ「3段階」の対策ガイド (2026年10月12日)
  6. 「iPhone Duo」画面不具合の報告がSNSで話題 店頭デモ機の過酷な使用環境が起因か (2026年10月26日)
  7. 進化した「Siri AI」で感じた、iPhoneの操作を一変させる実力 「AI出遅れ」の汚名返上なるか (2026年10月24日)
  8. iOS 27.2配信開始 Siri AIが日本語に対応 iPhone DuoはApple Pencilを利用可能に (2026年10月27日)
  9. 「Galaxy Z Fold8」「iPhone Duo」を“メイン端末”として使う上での課題 縦型コンテンツの最適化をどう進める? (2026年10月26日)
  10. 折りたたみ「iPhone Duo」対応ケース12選 ヒンジ保護、スタンド付き、耐衝撃性能など多彩なラインアップ (2026年10月26日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー