HSDPAは一番乗りではなく適切なバランスで〜EMP社長:Ericsson Mobile Platform社長インタビュー(1/2 ページ)

» 2005年03月31日 19時11分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 W-CDMAプラットフォームについて世界シェアで30%を持つ、Ericsson Mobile Platform(EMP)。W-CDMAのベースバンドチップや主要RF回路を提供しており、国内でもシャープやソニー・エリクソン モバイルコミュニケーションズが同社のチップを使っている。

 世界的に見ると、同社はW-CDMA向けチップの主導的な立場にある。国内でFOMA向けにW-CDMAチップセットを提供しているNECも、海外向けではEMPとQualcommのチップの採用を決めたことからもそれが分かる(2004年11月30日の記事参照)。

 来日したEMP社長のサンディープ・チェナケシュ氏に、W-CDMA技術の今後の見通し、特にHSDPAの動向について聞いた。

HSDPAは3.6Mbpsスタート

ITmedia EMPではHSDPAの普及の見通し、また課題をどう見ていますか。

EMP 端末に関していうと、4つあります。まず第1の観点は、HSDPAが広く普及するためには適正なコストでなくてはならないということ。不適切なコストだと単にニッチの技術になってしまいます。

 2つめのポイントはサイズです。小さければ携帯端末に載せられますし、ノートPCにも、消費者向け家電に載せることもできます。サイズが非常に重要です。

 3つめは、消費電力に関して効率がよくなくてはならないことです。今後通信速度が早くなり、処理スピードも早くなる。通信チップのほうで電力を抑えることが必要です。

 EMPが注力している点は、(HSDPAの)適切なデータレートがどれくらいなのかということです。

 では、EMPがどのような課題に取り組んでいるのか。どちらかというと少々保守的です。必ずしも市場に一番乗りをしようとはしていません。非常に注意深くHSDPAのソリューションを設計してきました。

 HSDPAのスピードは3.6Mbpsです。注意深く最適化を行い、できるだけ消費電力を抑えるように努めています。面積を小さく、コンポーネントの数を抑えることで、端末全体のコストも下がるわけです。

ITmedia 3.6MbpsからHSDPAはスタートという話がありました。その時期はいつになるのでしょうか。またその後のスピードアップはどうお考えでしょうか。

EMP 我々のHSDPAプラットフォームは、2006年の6月末までには出せます。競合他社のほうが若干投入は早いかもしれません。しかし、我々のほうがより最適化され優れているという自負があります。

 今後、7.2Mbpsまで下りの速度が上がった製品を計画しています。今考えているのは、下りだけではなく上りの速度を上げるHSUPAという技術です(3月24日の記事参照)。いずれも1年後には投入できるでしょう。

 当初のHSDPAは、下りが3.6Mbps、上りが1M〜1.8Mbpsになるでしょう。次に下りが7.2Mbpsで上りが3.6Mbpsくらいになるのではないでしょうか。

 キーとなるのは、サイズとコストとパワー(消費電力)、そしてキャパシティです。これらのバランスを正しく取っていくことです。

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