NokiaのW-CDMA端末ラインアップに動きがあった。既に発表されているハイエンド端末群「Nseries」に加え、6月13日にはマスターゲットをうたう新W-CDMA端末「Nokia 6280」を公表した(6月13日の記事参照)。
Nseriesと6280は、どう棲み分けるのか。報道向けに行われたカンファレンスで、Nokiaのカスタマーアンドマーケットオペレーション部門、アジアパシフィック上席副社長のウルポ・カルヤライネン氏が戦略を話した。
ウルポ氏は冒頭、世界の携帯市場は拡大を続けていると紹介する。2005年に、世界の端末台数は20億台を超えたが、これでもグローバルの普及度は28%だとウルポ氏。「次の5年間は、加入者数が30億に達する期間となる」
同氏が担当するアジアパシフィック地域で見るなら、日本や韓国こそ市場が飽和したものの、例えばインドの成長ぶりは目覚しい。ほかに、ベトナムなども自由化によって市場が成長しているという。「東南アジアの経済回復は、持続している」(同)
こうした携帯市場の量的拡大、「ボリュームの成長」が1つのポイントだという。
もう1つのポイントは、「バリューの成長」だ。これは、モバイルサービスの質的変化と捉えることもできる。日本国内でもよく言われることだが、携帯電話のARPUを音声通話に頼る時代は、そのうち終わりを告げる。
「2009年には、世界のモバイルサービスの収益構造でデータの占める割合が増加するだろう」
ボリュームとバリュー、2つの拡大に対応するためにはどうすればいいのか。Nokiaはここで、W-CDMA普及のための“ポートフォリオ”構築を打ち出す。具体的には、今後リリースする端末を3種類に分ける。
3種類とは、それぞれ「マルチメディアにフォーカスした端末」「エンタープライズにフォーカスしたモバイルターミナル」「マスマーケットにフォーカスした端末」の3つ。Nseriesはマルチメディアフォーカスであり(5月10日の記事参照)、今回発表された6280はマスフォーカスといえる(6月13日の記事参照)。
この戦略で、NokiaはW-CDMA市場のさらなる拡大を目指す。ウルポ氏は、2005年には世界で40の新機種を投入するが、そのうち25%はW-CDMA対応になる見込みだとした。
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