「エンジンも外観もすごい。Nokia Nseriesはフェラーリ」──。アジア地域のセールス・チャネル マネージメント部門で副社長を務めるマウロ モンタナーロ氏は、マルチメディア端末の新ブランド(4月27日の記事参照)を、自身の出身地であるイタリアのスポーツカーに例えた。「通信キャリアから見れば、その多機能さがフェラーリのエンジンのように魅力的に映るだろう。再販市場では、“エンジンも外観もすごい”というイメージでアピールできる」(マウロ氏)
音楽携帯(3月11日の記事参照)や高機能カメラ携帯(3月10日の記事参照)が注目を集める中、満を持して投入するNseriesについて、マウロ氏とデザインマネージャーのサイモン・ブラッドフォード氏に聞いた。
携帯電話の販売形態には、大きく2つのモデルがある。1つは日本で展開されている“キャリアモデル”。通信キャリアがサービスや端末の仕様を決め、それに沿った端末をメーカーが開発してキャリアに納品するスタイルだ。
もう1つは“再販モデル”。一定のプラットフォームを使った標準的な端末をメーカーが開発・販売するスタイルで、東南アジア地域はこの再販モデルが主流になっている。
Nseriesは、どちらのモデルにも対応できる端末だとマウロ氏。日本市場への投入を視野に入れているのはもちろん、音楽配信サービスや大容量画像の送受信など、3Gならではのサービスを提供する土壌が整っていない地域向けにもアピールできる端末だと胸を張る。
その理由の1つは、「さまざまな先進機能を備えていながら、シンプルな操作性を追求した」(マウロ氏)端末である点。「(再販モデルの)アジア各国の小売店では、店頭デモで特徴を見せたり、使い方を教えたりといったことが重要になる」(同)。操作の分かりやすさは購入者へのアピールポイントになるだけでなく、販売する側の説明のしやすさにもつながるというわけだ。
ボディデザインも“シンプルさ”にこだわった。デザインマネージャーのサイモン・ブラッドフォード氏はそれを「禅、そして日本庭園のようなデザイン哲学」と表現する。「さまざまな機能が入ってくる中、いかにシンプルな端末に見せるか」を重視したと話す。「ブラックとシルバー、メタルを組み合わせたクラシックでモダン、そしてピュアなイメージ」(サイモン氏)
素材にはステンレススチールやアルミニウムを使った。「使いにくそうだと思わせない素材にしており、見た目も優しい」(同)
インドやインドネシアなど、今後出荷の増大が見込める地域では「ブランドや見た目で端末を選ぶ」(マウロ氏)傾向があるといい、こうした地域でもアピールできる端末を目指したという。
キャリアのインフラに依存することなく200万画素カメラや音楽機能を楽しめる点も再販市場にアピールできる点だとマウロ氏。「インフラが整っていない国に向けにはコダックやHPと協力して、“美しい写真をプリントできる”ことを説明する。音楽機能もPCでリッピングした音楽を再生できるので、単体でも端末の持つポテンシャルを引き出せる」(マウロ氏)
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