ドミノ「手違いだ、ドミノ!!」Mobile&Movie 第186回

» 2005年11月04日 15時45分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名ドミノ(DOMINO)
監督トニー・スコット
制作年・製作国2005年アメリカ作品


 今回ご紹介する作品は実在した女賞金稼ぎ、ドミノ・ハーヴェイの物語『ドミノ』。トニー・スコット監督が、彼女の存在に興味を持ち、親交を深めながら、本作品を製作したそうです。完成直前の今年6月、ロサンゼルスの自宅で亡くなったというドミノ。そんな彼女の最後の笑顔は、この映画のラストシーンに残されています。

 俳優の父とモデルの母の間に生まれた、ドミノ・ハーヴェイ(キーラ・ナイトレイ)。裕福な家庭で、母親の望むままに暮らしていましたが、いつも心の中に空しさを抱えていました。母譲りの美貌を活かし、モデルとして成功を掴みかけますが、ショービジネスの世界が肌に合わず周囲と衝突してばかり。いつしか、ドミノは自分で選んだ生き方を歩むようになります。

 自分に合う仕事がしたいと職探しをしていた時、ドミノは偶然“バウンティハンター募集”の広告を目にします。賞金稼ぎというスリリングな仕事に、好奇心を掻き立てられたドミノは、バウンティハンター養成講座に出席することに。そこで出会ったのが、ホンモノの賞金稼ぎ、エド(ミッキー・ローク)とチョコ(エドガー・ラミレス)。主催者クレアモント(デルロイ・リンドー)の講義を聞くまでもなく、ドミノはバウンティハンターに志願します。若くて美しいドミノが、なぜ危険な仕事に就きたがるのか、不思議に思いながらもエドは、しかたなく仲間として認めたのでした。

 こうして、エドとチョコ、そしてドミノは3人のチームで、クレアモントから指示される仕事を引き受けるようになります。ドミノが加入したことによって、仕事の成功率が上がり、クチコミで評判は広がっていきました。どんな時も冷静で、死さえ恐れないドミノ。最初は反対していたチョコも、次第にドミノに好意を抱くようになります。そして、父親のように慕われているエドも、今ではドミノが自分のチームになくてはならない存在だと認めるようになりました。

そんなある日、テレビ局がドミノたち賞金稼ぎの密着取材をしたいと申し込んできました。気が進まない3人でしたが、ドミノの母の顔をたてるため仕方なく承諾することに。さらに、クレアモントからは新たな仕事の依頼が入ってきました。それは、現金輸送車を襲って1000万ドルを奪った、4人組の犯人の身柄を拘束すること。しかし、この事件の裏には入り組んだ事情が隠れていました。何も知らないドミノたち……、運命の歯車が狂い出した瞬間でした。

 現金強奪犯を次々と確保していくエド。チョコの荒っぽい手口も、テレビカメラにしっかり収められていました。ドミノたちは、クレアモントからの携帯電話の指示にしたがって、いつも通りのことをしただけ。やがて、強盗犯の運転手の家に、金が隠されていることが分かります。どうやって金の隠し場所を吐かせるか、クレアモントに携帯電話で相談しますが、電波の状態が悪く、ドミノはなかなか聞き取れません。ドミノは緊迫した状況の中、断片的に聞こえてきた言葉を、クレアモントの指示と判断し、猟奇的な行動に出てしまうのです。

 「手違いだ、ドミノ!!」

 クレアモントの最後の言葉さえ、ドミノには届きませんでした。やがて、運転手の家へ向かう車は、携帯電話の圏外へ。そして、ドミノたちに訪れる絶体絶命のピンチ。生と死の狭間のスリルに、生きがいを感じたドミノの伝説はクライマックスを迎えます。

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