恋人たちに必須。韓国版「LOVE定額」カップル料金制とは

» 2005年11月07日 13時28分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]

 ボーダフォンの「LOVE定額」が話題となっているが、韓国にもこれに似た料金制度がある。特定の人との通話やメッセージが割引および使い放題となる「カップル料金制」は、韓国の恋人たちに必須の料金制度だ。

全キャリアがカップル料金制を提供

 SK Telecom(以下、SKT)では「ピンクカップル料金制」を提供している。ピンクカップル料金制はカップル(2人)で一緒に入会する料金制だ。相手との通話がそれぞれ500分、つまり2人合わせて1000分無料となるだけでなく、深夜24時〜朝6時までの深夜時間帯の通話料と、SMSおよびMMSの送受信については無制限無料となるという太っ腹な内容となっている。基本料金は2万2000ウォン(約2200円)、無料通話分を超えた場合の通話料は20ウォン(約2円)/10秒だ。

 LG Telecom(以下、LGT)では、カップル料金を割引オプションとして提供している。SKTのピンクカップル料金制と異なり、LGT会員の相手を指定さえすれば1人でも入会できるのが特徴だ。無料通話はそれぞれ502分ずつ、合計1004分と、SKTよりも「気持ち」程度多い。また深夜24時から早朝6時までの通話と、SMSの送受信は無料となる。

カップル料金に力を入れるKTF

 現在、KTFがお勧め料金制として大きく打ち出しているのが「鳥肌カップル料金制」だ。韓国では、周囲が見ていて鳥肌が立つほど2人だけの世界に浸っているような仲むつまじいカップルを「鳥肌」と呼ぶが、KTFの料金制の名前もここから来ている。

 鳥肌カップル料金制は、SKTのようにKTF会員の相手と一緒に入会する料金制で、相手との通話がSKTと同様それぞれ500分ずつ、合計1000分無料となるだけでなく、通話料の無料分が3カ月目ごとに2倍、つまり合計2000分無料となるボーナスもある。深夜24時〜朝6時までの深夜時間帯の通話料と、SMSおよびMMSの送受信については無制限無料となる点はSKTと同じだが、500分も通話できず余った無料通話分については、次月に持ち越しとなる点はKTFの方がお得だといえる。

 基本料金は2万1000ウォン(約2100円)で、通話が500分を超えた場合の通話料は19ウォン(約1.9円)/10秒となる。

 KTFでは「Couple Pie」というカップル用のWebサイトまで開設し、カップルのためのサービスを充実させている。ここでは「ラブレターマネージャ」というWebサイトにSMSを保存するサービスなどを提供する。

 ラブレターマネージャサービスでは、SMSが1000件までWeb上に保存され、それらにPCや携帯電話でアクセスしてSMSが管理できるサービスだ。1000件を超えると自動削除となってしまうが、500件まではそれを防止できる機能もあるほか、気に入ったSMSメッセージをイラストの入った背景などで飾って、個々のPCに保存できる「ラブダイアリー」機能まである。

もし別れてしまったら……

 カップル料金制に加入したユーザには、時折キャリアからのプレゼントがある。料金制加入後、30日や60日などの節目を記念して、携帯電話の壁紙などを無料でダウンロードできるなどといったサービスがそれだ。意外なプレゼントは、恋人と付き合い始めた日数を知るきっかけともなりけっこく嬉しいもののようだ。

 カップル料金の請求書は2人分一緒にも別々にもできる。こうした請求の仕方からも分かるように、中には女性の通話料まで支払ってくれる、愛情深い男性もいるというからうらやましい限りだ。

 ところで世の中には不幸にも別れてしまうカップルもいるものだ。もしカップル料金制に加入してから別れてしまう羽目となってしまったら、料金制も当然、別々にすべきだが、状況が状況だけに2人そろって代理店に解約しに行くというわけにもいかない。

 しかしそんな時でも韓国のキャリアは気が利いている。電話で解約できるようになっているのだ。片方が解約の意思を伝えれば、キャリアから相手に連絡が行き解約手続きも完了となる。

 とはいえせっかくのカップル料金制。恋人から夫婦になるまで、末永く活用してほしい料金制度ではある。


佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。

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