モブログの「間違えてアップ」が生み出す悲劇(1/2 ページ)

» 2005年12月26日 16時40分 公開
[新崎幸夫,ITmedia]

 その日、都内で働くSさん(26)はいつものように携帯から友人にメールを打っていた。

 絵文字をちりばめた、親しげな雰囲気のメールだったが、なかなか返事がこない。数時間が経過し、何気なく携帯の過去メールを見返していたSさんはそこで、重大な間違いに気が付く。「――その瞬間、顔から血の気が引くのを感じました」

 Sさんが間違えて送った先は、自身のブログのアドレス。そう、携帯メールの文章はモブログの「投稿」として扱われ、PCサイト上で世界に向けて公開されていたのだ。「携帯メールの内容自体は大したものではありませんでしたが、プライベートな内容を公的な場所に公開してしまったという点が問題。文中に携帯番号などの個人情報が含まれていなかったのが、不幸中の幸いでしたが……」

 Sさんは即刻文面を削除した上で、送信相手にも事情を説明して謝ったのだという。

 もっとも、Sさんの場合はまだいいほうだ。Sさんのブログを閲覧する人間は限られており、知人か、せいぜい通りすがりのネットサーファーぐらいのもの。しかしブログ運営者が有名人だった場合は、また別の問題が生じてくる。

間違えてアップ〜アイドルの場合

 先日、一部のネットユーザーの間で話題になったある“事件”があった。ネット上で人気のアイドルが運営するブログで、最新の書き込みがおかしいというのだ。

 まるでアイドルが、恋人を思わせる第三者に話しかけるような文章。匿名掲示板などで経緯をたどる限り、その書き込みは後に削除され「なかったことにされた」という。真偽のほどは不明だが、当該アイドルが冒頭のSさんと同様の間違いを犯した可能性がある。

 アイドルの場合、特定のファンが随時内容をチェックしているから、本人より先に不特定多数の読者が間違いに気付く可能性が高い。またアイドルにとって「恋人がいるかどうか」という“情報の漏洩”は、イメージダウンにつながるおそれもある。実際、その一件で当該アイドルには恋人がいると判断し、落胆したファンも少なくなかったようだ。

 最近の携帯は高機能なカメラも搭載しているものだが、このカメラで撮った写真をいわゆる“写メール”でモブログにアップしているユーザーもいる。ここで送信先を取り違えると、事態はもっと深刻になる。有名なのが、あるAV女優の犯したミスだ。

次ページ:あるAV女優がブログにアップした「とんでもないモノ」
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年04月28日 更新
  1. メルカリで詐欺に遭った話 不誠実な事務局の対応、ユーザーが「絶対にやってはいけない」こと (2025年04月27日)
  2. ドコモ新料金プランは何が変わった? 「ドコモ MAX」と「eximo」を比較、値上げ以上の価値が受け入れられるか (2025年04月25日)
  3. ドコモの「irumo」わずか2年で新規終了の理由 0.5GBプラン廃止の影響は少ない? (2025年04月24日)
  4. ドコモ、月550円からの「irumo」受付終了へ 代替えの新プランは「4GBで2750円」「10GBで3850円」の“2択”に (2025年04月24日)
  5. ドコモが料金プランを刷新したワケ “優良顧客”重視にシフトも、サブブランド競争では不安も (2025年04月26日)
  6. なぜ警察署の番号から詐欺の電話が掛かってくるのか ネット電話サービス悪用の可能性、スプーフィング対策方法は? (2025年03月19日)
  7. ドコモ新料金で日本の「20GB」はまた値上げ? 「複雑」との批判あるも、残された「選択肢」に要注目 (2025年04月26日)
  8. ahamoは死なず続投、ドコモ新料金「MAX」「20GB」など一挙投入 ポイ活で毎月最大5000p還元 (2025年04月24日)
  9. 「当面はNintendo Switch 2を店頭販売しない」――任天堂が案内 その店舗はどこ? (2025年04月24日)
  10. 都内に出没する「偽携帯電話基地局」に村上総務相も「関係機関と対応」――セキュリティアップデートで「2G接続不可」モードの実装を (2025年04月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2025年