充電しながらメールを打てる──G'zOne W42CA、充電台のこだわり:開発者に聞く「G'zOne W42CA」その3

» 2006年07月24日 17時02分 公開
[青山祐介(聞き手:吉岡綾乃),ITmedia]

 端末だけでなく、充電台のデザインでもG'zOneらしさを表現しようというのが、今やG'zOneシリーズの伝統になりつつある。前モデルの「G'zOne TYPE-R」では、ボルトをイメージした形の充電台を開発し(2005年5月の記事参照)、新モデルの「G'zOne W42CA」(記事一覧参照)でもデザインや使いやすさにこだわったと開発陣は話す。社内では“やりすぎ”という声も挙がったという、充電台へのこだわりを聞いた。

Photo G'zOne W42CAの充電台と本体

フィンで包んで、端末をクールに冷ますイメージ──デザイン

 G'zOne W42CAの充電台は、六角形のボルトをモチーフにした前作Type-Rのものよりも大きくなった印象を受ける。しかし、実際は前モデルの充電台が直径約90ミリだったのに対し、約85ミリとややコンパクトになっている。斜めに立ち上がる円筒と、天面に深く刻まれたフィンがボリューム感を出しているようだ。

Photo 左がG'zOne W42CA、右がG'zOne TYPE-Rの充電台

 カシオ計算機 開発本部デザインセンター第四デザイン室の杉岡忍氏は「USB対応にしたいという思いからデザインをスタートしたが、結局は採用を見送った。この充電台でいろいろなことができそうというイメージだけが残ってしまった」と話す。

 天面のフィンは、端末の持つ“フューチャリスティック”というキーワードを表現したものだ。「コンピュータのヒートシンクは、ものすごく高速に動作して発熱しているものを冷まし、クールにするイメージがある。そんなヒートシンクのイメージを未来的な表現に持ち込んだ。ユーザーによっては、空冷エンジンのシリンダーヘッドを思い浮かべるかもしれない。“高速に動いているものを冷やすフィン”で端末を包みこんで、クールダウンさせるようなイメージ」(杉岡氏)。

 この円筒を上下に二分するのが薄青緑色のパーツ。3色ある端末のどの色が乗っても、統一した雰囲気を持たせるために、サブ液晶の周囲の蓄光リングと同じような色にしている。一見、充電台のこのパーツも蓄光素材であるかのように見えるが、その機能は備えていない。開発当初は蓄光素材を使うことも検討されたが、光が当たっていないと蓄光できないため、どんな条件でも期待されるような光り方をする素材の選定が難しく断念。カラーリングのイメージだけを残した。

充電しながら時刻の確認やメールを

 G'zOne W42CAの充電台は、円筒の天面にあるフィンの中心に端末を置くスタイル。前モデルのG'zOne TYPE-Rの充電台では、ボルトの中心に折りたたんだ端末を“差し込む”スタイルだったため、充電中に端末を開くには、端末を抜かなければならなかった。また、充電しながら通信端子を利用するには、充電台ごとひっくり返して充電台の穴を通すようにケーブルを接続する必要があった。W42CAの充電台開発にあたって、こうした操作の煩雑さを解消したいと開発陣は考えた。

Photo 充電台に端末を置いたところ。左がG'zOne W42CA、右がG'zOne TYPE-R

 充電台に端末を乗せた状態で端末を開くことができるということで、天面に沿うように端末を置く形を選択。端末の下部を受ける部分に大きなくぼみを設けることで、充電台から動かすことなく通信ケーブルの接続も可能となった。

 台に端末を置いた状態で開くと重心が後方に移るので、充電台を斜めに立ち上がる円筒形にして、うしろに踏ん張れるようにした。「紙のモデルや発泡体で、角度を何パターンも試作して、どれが一番差しやすいか、自重で確実に充電できるのか──を検討した。また、メールくらいは充電状態でも打たほうがいいと思い、ディスプレイの角度や操作感覚、充電状態でもキーが押しやすいか──などを、私と充電台の担当者で検討を繰り返して最終形にもっていった」(杉岡氏)。

 端末を水平に置くのが最も安定性が高いのは分かっていたが、G'zOneはType-Rでサブ液晶を時計代わりにできるよう、端末を立てるスタイルを採用した。今回も常時表示するサブ液晶が常に見えるようにしたいという思いから、“立てる”と“寝かせる”の中間をとったのだという。

 「Type-Rでは、社内的に本体の評判はよかったが、充電台の“ボルト”は意外とやりすぎだと言われた。今回も相変わらず“やりすぎ”といわれて」(杉岡氏)。「“充電台にどこまでコストをかけるのか”という声が社内でもあり、この先どうしようかと。ずっとやり続けないと……」(カシオ日立モバイルコミュニケーションズ 戦略推進グループの甫足博信氏)。「充電台が過剰なのはG'zOneの伝統」(カシオ計算機 開発本部デザインセンター第四デザイン室長 井戸透記氏)

本当はUSB対応にしたかった

 G'zOne W42CAの充電台が、USBに対応していないのは既報の通りだ(5月29日の記事参照)。これのニーズが高いことは開発陣も分かっていて、「最後の最後までやりたかった」(甫足氏)と話す。「W41CA」では充電とUSB通信を兼ねる4つの端子が本体の側面についているが、代々浸水エリアになるバッテリー部分に充電端子を持つG'zOneシリーズでは、ここにUSB通信端子を付けると防水面の問題が出てくる。そのため、今回はUSB通信機能を見送ったのだという。

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