国内モデルと海外モデル、韓国ビッグ3はどんな端末で勝負する?韓国携帯事情(1/3 ページ)

» 2006年07月25日 19時06分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]

 端末インセンティブの解禁や(4月25日の記事参照)、SK TelecomとKTFによるHSDPAサービスの開始(7月10日の記事参照)、VK Mobileの倒産(7月10日の記事参照)など、大きな出来事が相次いだ2006年上半期の韓国携帯市場。そんな中でも端末は頻繁に発表され続けている。最近の韓国端末には、どのような傾向が見られるのか。メーカーごとに追ってみた。

+αの機能とデザインで進化するスリム&ミニ化──韓国市場向けモデル

 韓国市場において人気機種となりえるキーワードは、相変わらず「スリム」だ。単にスリムなだけの端末はすでに出尽くした感のある市場に、さまざまな付加価値のある端末が登場している。

 Pantechの傘下となることで、昨年から初めてSK Telecom(以下、SKT)以外のキャリア(LG Telecom)へ端末を供給し始めたSKY。これに続き今年は初めてKTFへ向けた端末「IM-S110K」(SKT用は「IM-S110」)の提供を開始した。

 IM-S110Kのサイズは49(幅)×94.8(高さ)×15.6(厚み)ミリ、重さ93.4グラム。320万画素カメラに2.2インチのQVGA液晶を装備。KTFのGPSによるナビゲーションサービス「K-WAYS」にも対応するなど、韓国のスリム携帯の中ではトップクラスの機能を誇る。

Photo 薄さ15.6ミリのスリム携帯IM-S110K。外部メモリはMicroSDに対応する。色はホワイトのほか、スカーレットピンク、グレイの3種類

 LGによる買収は水の泡となってしまったが、VK Mobileも倒産した今、KTF傘下とはいえ韓国に残る数少ない中小携帯メーカーとなったのが「EVER」ブランドのKTFT。最近は「スリム DMB」「スリム Bluetooth」など、特徴的な端末を次々とリリースすることで市場にインパクトを与えている。

 そんなKTFTが最近発表した最新端末が、リップスティックサイズの超小型携帯「EV-K130」だ。

 EV-K130の大きさは37(幅)×82(高さ)×16.9(厚み)ミリで、重さはわずか73.5グラム。動画撮影も可能な130万画素カメラを備え、合計33万語を収録した韓英・英韓辞書も搭載している。これほど小さくても、やはり韓国の携帯電話にMP3プレーヤー機能は欠かせない。単なる音楽再生だけでなく、イコライザやリミックスなど50種ものエフェクトに対応した「EVER Remix MP3 PLAYER」を搭載した。

Photo リップスティックサイズの「EV-K130」。色はブラックのほかにホワイトもある。ディスプレイは1.3インチ

 「RAZR」(6月2日の記事参照)のヒットでスリム携帯ブームの火付け役となったMotorolaは、RAZR路線の継続で人気を集める。最近ではピンクに続いてライムカラーのRAZRを発表するなど、その人気はまだまだ健在だ。

 そんな中発表された「夏仕様」モデルが、シルバーの「Z」。これは「RAZR」「SLVR」のデザインを受け継いだMotorolaのスリムシリーズ、ブラックの「Z」(MS600)と色違いのモデルだ。仕様はZと同じだが、色をシルバーとすることで夏らしい清涼感を感じさせる。

 実はこのZは、Motorola Koreaが商品企画から研究開発、デザインまでを担当した製品。こうして開発された韓国生まれのZシルバー。まずは韓国で販売され、その後中国市場などでも投入されることとなる。

Photo 世界的に人気のRAZRやSLVRのスタイルを受け継いだ、スライドタイプの「Z」シルバー。薄さは14.8ミリで、メインディスプレイは2.2インチのTFT液晶

デザイン・技術を追求する「韓国ビッグ3」の海外向け端末は

 国内はもとより海外市場でも積極的に製品を展開するのが、SamsungとLG、Pantechの3社だ。とくにHSDPAを始めとする最新技術のサービスが開始される中で、対応した端末をいち早く発表するのが、SamsungやLGの典型的な戦略の一つといえるだろう。またPantechではデザイン力で海外市場を拡大するため、一大プロジェクトに乗り出した。

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