日本では、キャリアが販売店に端末の補助金(インセンティブ)を出すことは一般的だ。しかし韓国では、一部の例外を除き、端末に対する補助金が政府によって禁止されていた(2005年3月22日の記事参照)。
それが3月27日に解禁され、韓国の携帯ユーザーの多くが待ち望んだ補助金の支給が始まった。ところが、補助金を支給するシステムや条件が複雑なことから、市場は一時騒然となった。解禁を機により多くの加入者を集めようと、補助金の支給額を上げるキャリアまで現れ、状況はこの1カ月で大きく変わっている。今回はこの補助金にフォーカスをあてる。
韓国では2003年3月から、端末に対する補助金が電気通信事業法により基本的に禁止されていた。しかし、この法律が3月26日に期限切れになるのを前に、補助金支給に関する改正案が提出され、政府で話し合いを進められてきた。
補助金が解禁になる直前の3月24日、韓国情報通信部が発表した注意事項をまとめると、補助金支給の条件はだいたい以下の通りとなる。
補助金の金額は、キャリアや利用期間、毎月の月額利用料金などによって異なる。当初の最高金額は韓LG Telecom(以下LGT)の21万ウォン(約2万6000円)だったが、これだけの額を受け取るには、少なくとも同一キャリアに8年以上加入し、最近6カ月で毎月10万ウォン(約1万2300円)以上利用していなければならず、ハードルは意外と高い。
こうした補助金に対し、韓国のメディアではさまざまな反応が見られたが、制度の矛盾点がいくつか指摘された。
例えばLGTを10年以上利用しているユーザーでも、最近6カ月の平均利用料金2万ウォン(約2500円)程度であれば、結局補助金は8万ウォン(約1万円)しか受け取れない。また、たとえ6カ月前までの平均利用額が10万ウォン(約1万2500円)を超えていても、最近6カ月の平均利用料金が2万ウォン程度であれば、補助金も低額とならざるを得ない。
また「最近6カ月の平均利用料金」という定義にも不満が多い。この料金に含まれるのは、基本料金や通話料、データ通信料のみで、国際電話などの利用料は含まれない。またプリペイド式携帯電話のユーザーも対象外で、これらを利用しているユーザーの間で不公平感が広がっている。
3月27日から1カ月間は、告知なしですぐに補助金の水準を変えられるという状況下で、早速補助金の増額に踏み切ったのがKTFだ。同社は4月13日、補助金を1万〜4万ウォン(約1200〜5000円)程度増やすと発表した。
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