「携帯インセンティブ解禁」で混乱に陥った韓国韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2006年04月25日 12時46分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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 KTFはこの増額に合わせ、以前は4段階だった平均利用料金の区分を6段階に細分化した。また従来は、平均利用料金が3万ウォン(約3700円)未満のユーザーに対しては、利用年数に関係なく一律6万ウォン(約7500円)を支給していたが、これも年数に比例して補助金が増えるように変更している。

 続く14日、KTFに負けじとLGTも補助金の積み増しを発表した。LGTが支給する補助金の最高額は25万ウォン(約3万円)。これは3キャリア中で最も高額だ。

 今回の増額により、SK Telecom(以下SKT)からKTFおよびLGTへキャリアを変更する人も増えた。韓国内での報道によると、4月13日から16日までの間にSKTからKTFへキャリアを変えた人は1日あたりおよそ2770人、SKTからLGTへ変えた人は1日あたり1140人に上ったという。前者の数字は以前と比べて40%程度、後者は30%程度増加しているという。

 2社に遅れること1週間、SKTも4月21日に補助金の支給基準を変更した。変更は若干の値上げに加え、KTFやLGTを意識して長期加入者も十分恩恵を受けられる内容となっている。同社は5月25日にも再度支給条件を変更するとして、その内容をWebサイトなどで告知している。

 このように4月26日までは補助金の水準がめまぐるしく変わる事態が続き、状況はなかなか落ち着かなかった。

情報通信部は罰則強化で取り締まりを実施

 韓国では、これまでにも不正に支払われる補助金がたびたび問題になってきた。今回の補助金の解禁で、不法な補助金の心配がなくなったかというと、実際はそうでもない。補助金の上乗せや、対象外ユーザーへの補助金支給など、いっこうに減らない不法補助金への憂慮を抱いた情報通信部は、3月27日から3カ月間、集中的に取り締りを行うと発表。4月18日には、情報通信部の付属機関である韓国通信委員会が、課徴金をはじめとした現行の罰則規定を改正した。

 それによると、最近3年間の売上高を基準に課徴金を算出していた従来方式の方式はやめるという。そして、今後は不法に補助金を支給した加入者の数や、加入者当たりの月間平均売上高などをかけた数値を基準に課徴金を課す。そのため「課徴金は大幅に上昇する見込み」(韓国通信委員会)という。

 補助金は加入者数増加の起爆剤となる切り札だ。しかしそれで補助金の値上げ競争が過熱しすぎ、規定を超える補助金が支出されるようになっては本末転倒といえるだろう。通信委員会の処置はそうした事態を抑えるためのものであるといえる。補助金が、キャリアの体力を消耗させるのではなく、あくまでも市場を活性化させるものであってほしいものだ。

Photo 4月時点でのキャリア別の補助金額の一覧表。KTFとLG Telecomは、以前のSK Telecomの料金体系を意識し、短期加入者にも補助金を多く支給。SK Telecomは長期加入者も恩恵を受けられる料金体系に変更した

補助金解禁のおかげで売れている端末は?

 補助金が解禁されたことで好調に売れ行きを伸ばしている端末がある。その代表例がSKYの「IM-U100」(SKT用)だ。韓Pantechグループによると、IM-U100は今月14日までに10万台を超える売れ行きを見せているという。

Photo IM-U100は、解像度が240×400ピクセルの2.6インチワイドQVGA液晶を搭載している。カメラは2メガピクセルで、パノラマ撮影機能も持つ。外部メモリはMicro SDに対応しており、Pict Bridgeもサポートする

 IM-U100が発売された1月当初は販売が低調だったものの、補助金が支給されるようになって以降は1日平均1800台が売れている。これは補助金支給前の3.5倍に上る。

 IM-U100の価格は50万ウォン後半(約7万円)。これが補助金によって最大3分の1程度の金額で購入可能になる。あこがれの高機能携帯を割引価格で買えるチャンスとあって、市場では高価な携帯が人気のようだ。


佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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