FOMA 903iシリーズ以降、またはauの2007年春モデルのおサイフケータイには、モバイルFeliCa OS Version2.0が動く第2世代のモバイルFeliCaチップが搭載されている。
第2世代のモバイルFeliCaチップの最大の特徴は、メモリ容量が従来の3倍になったことだが、実はこの他にも、いくつかの機能強化が行われている(2006年10月の記事参照)。「IC CARD WORLD 2007」7では、第2世代のモバイルFeliCaを生かした新機能のデモ展示を見かけたので紹介しよう。
のフェリカネットワークスブースでは、「金融ソリューション」として、おサイフケータイをキャッシュカードとして用いるデモが行われている。プラスチックのキャッシュカードと同様に、現金の引き出しや振り込みといった操作が可能。これまで、iDを使って本人認証を行い、キャッシングを行うサービスはあったが、おサイフケータイをキャッシュカードとして使う例はまだない。
おサイフケータイにキャッシュカード機能を持つ専用iCアプリをインストールし、キャッシュカード・ローンカードの情報を携帯に登録する。アプリには6金融機関までカード情報を登録できる。なお、FOMA 903iシリーズ以降、またはau春モデルのおサイフケータイに搭載されている、第2世代のモバイルFeliCa端末を想定している。
ユーザーは、アプリを起動して、事前に振り込み先の情報や引き出す金額などを設定しておける。ATMに付いているFeliCaのリーダー/ライターにおサイフケータイを置くと、本人認証が行われ、事前に設定した振り込み等の情報がATMに送られるので、直接ATMを操作する手順は少なくて済む。また、最後に「トルカ」などの三者間通信機能を使い、銀行からのお知らせを携帯で直接受け取ることもできる。
フェリカネットワークスでは、2008年度中の導入を目指しているという。
ソニーブースでは第2世代のモバイルFeliCa端末と、対応リーダー/ライターを用いて、クーポンを配布して顧客を店舗へ誘導する体験デモを行っていた。
トルカのリーダー/ライターが中に入ったポスターにトルカ対応のおサイフケータイをかざすと、携帯の中にクーポンが1枚入ってくる。
ユーザーはその携帯を持って店舗に行く。レジでリーダー/ライターにかざすと、携帯の中に入っていたトルカクーポンが、店舗の端末に表示される。店舗側でクーポンを使う処理を行うと、携帯の中のクーポンが消えるという仕組みだ。
ポイントは、第2世代のモバイルFeliCaに対応したリーダー/ライターを使っていることだ。デモでは使ったあとのクーポンは携帯から消えているが、これはトルカの新仕様であり、モバイルFeliCa端末、リーダー/ライターの両方が第2世代に対応しているからできることである。上の写真にはノートPCのFeliCaポートが写っているが、FeliCaポートではトルカクーポンの読み取りは行えない。
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