セブン&アイホールディングスは4月23日、独自電子マネー「nanaco(ナナコ)」のサービスを開始した。発行会社はアイワイ・カード・サービスで、初年度に1000万枚の発行を目指す。
現在FeliCaを利用する電子マネーとしては、ビットワレットが運営する「Edy」、JR東日本が運営する「Suica」、関東の私鉄・バス各社が運営する「PASMO」などがあるが、nanacoは流通系企業が発行する電子マネーとしては初めてとなる。なお、同じくFeliCaを利用する流通系の独自電子マネーとしては、イオングループで利用できる「WAON(ワオン)」が4月27日からスタートする。
nanacoは非接触IC「FeliCa」を利用したプリペイド型(先払い式)独自電子マネーで、カードを利用する「nanacoカード」と、おサイフケータイで利用できる「nanacoモバイル」の2種類が用意される。チャージはセブン-イレブンのPOSレジで行う。また、連携するポイントサービス(nanacoポイント)も提供。nanacoで100円支払うごとに1ポイントが貯まり、貯めたポイントはnanacoに交換できる(1ポイント=1円、交換額の1%相当の手数料が必要)。
→セブン&アイ電子マネー「nanacoカード&モバイル」4月23日スタート(4月23日の記事参照)
→電子マネー「nanaco」、春からおサイフケータイに対応(3月6日の記事参照)
→セブン&アイの独自電子マネー、名称は「nanaco(ナナコ)」(2006年5月の記事参照)
23日に行われたオープニングセレモニーには、セブン&アイホールディングス会長の鈴木敏文氏、同社長の村田紀敏氏、セブン-イレブン・ジャパン社長の山口俊郎氏、イトーヨーカド堂社長の亀井淳氏、アイワイ・カード・サービス社長の山本俊介氏が登壇した。
村田氏は「2年前から準備をしてきたnanacoが、今日から利用できるようになった。流通業界が自主発行する電子マネーとしては初となる。nanacoの特徴は、スピード決済ができ小銭を持つ煩わしさがなくなること、ポイントが付くという2つ」とnanacoについて紹介するとともに、「今後、電子マネーを取り入れる企業が増えてくる。我々のグループだけでなく、いろいろな企業で取り入れてもらえるように広めていく。様々な方面と連携を強化していくつもりだ。nanacoは流通業界にとっては最強のカード」と話した。
サービスを開始する4月23日からnanacoを取り扱うのは、東京都内のセブン-イレブン1500店舗(町田市を除く)。5月28日以降は、34都道府県1万1700店全店でサービスを提供する予定。2007年秋以降は、イトーヨーカドーやデニーズなど、セブン&アイ系列の各種店舗や、JCB加盟店を中心とするグループ外店舗でもnanacoを利用できるようになる予定。また、店舗POSレジだけでなく、セブン銀行ATMでのチャージも予定している。
また、当初セブン-イレブンで利用できる電子マネーはnanacoだけだが、2007年夏以降はFeliCaクレジット決済(後払い)のQUICPay、秋以降は他方式のFeliCa電子マネーにも対応していく予定だ。
時期 | nanacoについて | セブン-イレブンでの他社電子マネーの利用 |
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2007年4月10日 | nanaco公式サイト開設、Webで入会登録開始 | − |
2007年4月23日 | 東京都内約1500店舗のセブン-イレブンでnanacoのサービス開始 | − |
2007年5月14日 | 関東、東北のセブン-イレブン約4730店舗でサービス開始 | − |
2007年5月28日 | セブン-イレブン全店約1万1700店舗で取り扱い | − |
2007年夏以降 | nanacoカードに「QUICPay」の利用登録を開始/JCB「Oki Dokiポイント」→nanacoポイントの交換開始 | セブン-イレブンでQUICPayの利用開始 |
2007年秋以降 | イトーヨーカドー、デニーズ店舗へnanacoの取り扱い拡大/JCB加盟店などセブン&アイグループ以外でもnanacoの扱いを開始/セブン銀行ATMでチャージを開始/Yahoo! ポイント←→nanacoポイントの交換開始 | セブン-イレブンで他社電子マネーの取り扱いを順次開始 |
2008年度以降 | グループ店舗・グループ外店舗での利用拡大/ポイント提携を順次拡大 | − |
2009年2月末 | 約6万2000店舗以上でnanacoサービスを展開 | |
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