次の10年も革新的なWindows Mobile端末を開発していく──HTCが表明HTC創業10周年・新社屋落成記念式典(1/2 ページ)

» 2007年09月07日 15時44分 公開
[園部修,ITmedia]
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 台湾HTCは9月6日(現地時間)、創業10周年と新社屋の落成を祝う式典を開催した。この式典には、米Microsoftや米QUALCOMM、独T-Mobileを始めとする、同社創業当時からのパートナー企業の要人が駆けつけたほか、日本からもNTTドコモとソフトバンクモバイルが祝辞を述べた。

 HTC(High Tech Computer)は、1997年に台湾で創業した、スマートフォン/PDAの専業メーカーだ。10年間、一貫して高機能なPDAやスマートフォンの開発・販売を手がけており、世界のWindows Mobile搭載端末市場で8割のシェアを持つ。2006年7月には、NTTドコモ向けのWindows Mobile 5搭載端末「hTc Z」で日本市場への参入も果たした。ソフトバンクモバイルの「X01HT」や「X02HT」、ドコモが先日発表したばかりの「HT1100」も同社が開発したものだ。また古くからIT業界を知っている読者には、米Compaq(現在はHewlett-Packard)のポケットPC、「iPAQ」の開発元といった方が驚きが大きいかもしれない。

HTC ワン会長とチョウCEO、“次の10年”も革新的な製品開発を表明

Photo HTC 会長のシャー・ワン氏

 式典の冒頭に挨拶したHTCの創業者で、HTCの会長を務めるシャー・ワン氏は「HTCは、PCとは異なる、あらゆることが実現可能な、手のひらの上に載る小さなデバイスを開発することを目標にスタートした」と語った。

 創業当時から同社は強力なパートナーと協業して製品を展開しており、Windows Mobileを供給するMicrosoftはもちろん、チップセットベンダーのQUALCOMMや、T-Mobile、中華電信(Chunghwa Telecom)、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、英BT、米Verizon Wireless、英Vodafoneといった名だたる携帯電話事業者などとともにこの10年を歩んできた。そのためワン氏は「HTCは人間の体のようなものだと考えている」という。重要な役割を担っている各部分が組み合わさり、連携しているため、何1つ欠けていいものはないというわけだ。

 「この10年間、HTCはかつて不可能だと思われていたことに挑戦してきた。次の10年も、音声認識やユーザーインタフェースの革新など、さまざまな変化が待っているが、技術革新を続け、魅力的な製品を出していきたい」(ワン氏)

Photo HTCのCEO、ピーター・チョウ氏

 CEOのピーター・チョウ氏は、まず“ノンストップ”で働き続けているという従業員に、そして、HTCを支えてきた多くのパートナー企業、顧客である携帯電話事業者各社に、改めて謝意を表明した。

 「HTCは小さな会社であり、HTCだけでできることには限界がある。しかし、幸いなことに私たちは世界中でビジネスを展開している携帯電話業界の大企業がサポートしてくれている。この次の10年も、パートナーから多くのことを学びながら、1歩1歩進んでいきたい」(チョウ氏)

 なおHTCにはNokiaやMotorolaのような世界に名だたる巨大携帯電話メーカーになろうという野心はないという。スマートフォン分野に特化し、この分野でのリーダーであり続けることが目標であり、AudiやBMWのような、“小さいがとてもクール”(Small, but very cool)な企業でありたいとチョウ氏は話した。

ゲイツ氏とバルマー氏のサイン入りボードをプレゼント──MS ピーター・クノック氏

Photo Microsoft Mobile & Embedded Device Division上級副社長のピーター・クノック氏

 米Microsoftから祝福に駆けつけたのは、Mobile & Embedded Device Division上級副社長のピーター・クノック氏だ。同氏はHTCがさまざまな“世界初”のWindows CEおよびWindows Mobile搭載端末をリリースしていることをたたえ、ソフトウェアベンダーであるMicrosoftにとって、それを利用してデバイスを開発してくれるハードウェアベンダーが非常に重要であること、HTCが高い技術力を持ち、世界のWindows Mobile搭載デバイスのうち、「かなり大きな部分」(クノック氏)がHTC製であることを紹介した。

 また同氏は、Microsoftを代表して、世界で100万台以上売れたHTC製Windows Mobile端末5製品を刻印した5つの盾と、ビル・ゲイツ氏およびスティーブ・バルマー氏の直筆サインが入ったパネルを贈った。

PhotoPhoto 世界で100万台以上売れたHTC製のWindows Mobile端末5製品を刻印した盾と、ビル・ゲイツ氏およびスティーブ・バルマー氏の直筆サインが入ったパネルがプレゼントされた

「10年前はクレイジーと言われた」──QUALCOMM ポール・ジェイコブス氏

Photo QUALCOMM CEO、ポール・ジェイコブス氏

 「この10年はあっという間だった。当時は、携帯電話で通話以外のことができるようになるという話をして、クレイジーだと言われたこともあったが、今や携帯端末でデータ通信を行うのは当たり前のことになっている」

 HTCのピーター・チョウCEOとは個人的にも親しい付き合いがあるという米QUALCOMMのCEO、ポール・ジェイコブス氏は、10年ほど前にMicrosoftのビル・ミッチェル氏を通してチョウ氏と出会った。そのとき、互いに携帯電話の未来を語り、HTCとQUALCOMMがとてもよく似た企業であること、同じような未来を見通し、目指していることを知ったという。両社はそれ以来ずっと緊密に連携し、高機能なスマートフォンおよびチップセットについての情報を共有してきた。

 10年を経た今、携帯端末は非常に高機能になり、一部は高速なデータ通信機能も持つようになったが、ジェイコブス氏は「今はまだ、これから起こる大きな変革が始まったに過ぎない」と話し、さらなる革新と進化が待っているという考えを示した。

 余談だがジェイコブス氏は、創業当時のHTCに少額ながらも投資していたことを明らかにし、冗談交じりに「ピーターが『絶対に損はさせない』というので投資したのだが、おかげで結構もうかった。これからも頑張ってほしい」と話した。

 QUALCOMMからは、台湾の伝統工芸品である陶器製の壺がHTCに贈られた。

Photo ポール・ジェイコブス氏からは台湾の伝統工芸品、壺が贈られた

手みやげはなじみのドイツワイン──Deutsche Telekom クリストファー・シュレファー氏

Photo Deutsche TelekomのProduct and Innovation Officer、クリストファー・シュレファー氏

 創業初期のHTC製の端末を、かなり早い時期から導入していた携帯電話事業者の1つ、独T-Mobileからは、Deutsche TelekomのProduct and Innovation Officer、クリストファー・シュレファー氏が挨拶した。同氏はHTCを「電話とPCの真の融合を強力に推進してきた企業」と話し、その功績をたたえた。チョウ氏によれば、欧州でHTC製の端末の知名度/人気がともに非常に高いのは、T-Mobileに採用されたことが大きかったという。

 シュレファー氏からは、チョウ氏がDeutsche Telekomを訪問したあと、よく飲んだというドイツワインをプレゼントした。そのワインは若く、フレッシュで、今市場でシェアを伸ばしているとのことで、「まさに今のHTCと同じ」(シュレファー氏)と持ち上げた。

Photo T-Mobileからはドイツワインのプレゼント
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