携帯向けマルチメディア放送はどうあるべきか──放送団体、クアルコム、パナソニック モバイルが意見:「携帯端末向けマルチメディア放送サービス等の在り方に関する懇談会」第4回会合(1/2 ページ)

» 2007年11月13日 23時02分 公開
[石川温,ITmedia]
Photo 携帯端末向けマルチメディア放送サービス等の在り方に関する懇談会 第4回会合。写真は座長の根岸哲氏

 総務省が主催する「携帯端末向けマルチメディア放送サービス等の在り方に関する懇談会」の第4回会合が、11月12日に開催された。

 同懇談会は、2011年に停波となる地上波アナログテレビ放送の空き周波数帯の具体的な活用方法やその際のビジネスモデル、社会的役割、それをふまえた制度的、技術的課題を検討していく役割を担っている。

 携帯端末向けマルチメディア放送に関しては、「VHF/UHF帯における電波の有効利用のための技術的条件」として、情報通信審議会が2007年6月27日に一部答申としてまとめており、周波数帯は90MHz〜108MHzと207.5MHz〜222MHzを放送用に割り当てるという方針が示されている。

ハードとソフトを分離し、多くの事業体が参加できるようにすべき──衛星放送協会

 今回の会合では、まず4つの異なる放送団体からのプレゼンテーションが行われた。

 最初にプレゼンテーションを行った衛星放送協会は、スカイパーフェクト・コミュニケーションズやスペースシャワーネットワーク、東北新社、ハリウッドムービーズ、日本ケーブルテレビジョンといった、CS放送に関連するプラットフォーム事業者、委託放送事業者などが会員に名を連ねる社団法人である。同協会は多チャンネル放送の現状を説明した。

 現在、CS放送を直接視聴している世帯数は、357万3000件(うちスカパー!が317万4000件、e2 by スカパー!が39万9000件。2007年6月末現在)、ケーブルテレビ経由が630万9000件、IPテレビなどが24万件で、合計1012万2000件になるという。

 チャンネル数を見ると、衛星から直接受信して視聴できるものが、テレビで254チャンネル(スカパー!が188チャンネル、e2 by スカパー!が66チャンネル)でラジオが100チャンネル、ケーブルテレビ経由だと20〜50チャンネル、IPテレビ等が40〜60チャンネルとなっている。

 

 これらのチャンネルは、スカパー!で102、e2 by スカパー!で16の放送事業者が放送しており、「CS放送は一部をのぞき、小規模の企業体で運営している市場」(衛星放送協会)となっている。

 その上で、携帯端末向けのマルチメディア放送に関する今後の検討課題として、「現在のCS放送と同じく、ハードとソフトが分離した制度にし、多くの事業体が参加できること」「それぞれのチャンネルの特性が生かせるように、無料、有料両方の放送が認められること」「CS放送と同様に、顧客管理と課金を行うプラットフォーム機能を担う事業体を組織すること、CS放送事業者の参入が制限されないこと」といった要望が提案された。

ラジオのデジタル化が不可欠──日本民間放送連盟

 次に登場したのは日本民間放送連盟(民放連)だ。民放連は、その名のとおり一般放送事業者を会員とする社団法人で、テレビ、ラジオなどの民放各社が加盟している。今回は携帯向けのマルチメディア放送ということで、地上波ラジオ局101社(AM広域免許8社、AM県域免許39社、FM県域免許49社、外国語FM免許4社、全国免許・短波放送1社)を代表し、ラジオ放送のデジタル化を訴えた。

 「ラジオは営業収入こそこの10年で減少傾向にあるが、聴取率(テレビでいうところの視聴率)は、下がっていない。ラジオというメディアのニーズは減っていない」(民放連)

 関東圏で中波ラジオが聴けるエリアの人口は約3600万人で、平均聴取率が7.6%とすると、約273万人がラジオを聞いている計算になる。テレビとは違い、ラジオは地域密着型の番組が多く、自社制作率が高いメディアで、地震発生などの災害時にはラジオの利用頻度が高まる。「ラジオの営業収入は、首都圏に集中するテレビとは違い、地方に分配される率が高いことも特徴」(民放連)とラジオの存在意義が強調された。

 その上で、「質の高い放送を継続するためにもデジタル化は不可欠。また多様化するライフスタイルに対応するためにも、多チャンネル化が必要。さらに都心部では、ラジオにノイズが載ることが多くなっているが、デジタル化することで、ノイズを解消できる」として、デジタル化の必要性を訴えた。

コミュニティ放送用のアナログ周波数が必要──日本コミュニティ放送協会

 コミュニティ放送事業者による有限責任中間法人、日本コミュニティ放送協会は、ラジオは地域に密着し、災害時に市民の強い味方になるメディアである点を強調した。

 コミュニティ放送は、送信電力が20ワット以下で、市区町村内の一部地域において地域に密着した情報を提供するために、1992年1月に制度化された超短波(FM)放送だ。45都道府県で214局が開局、運用されている。現在も年間10局強の放送局が開局しており、依然増加傾向が続いているという。

 しかし、「全国の自治体数は2008年3月21日に1795市町村になる予定であり、コミュニティ放送が開局している自治体はまだ1割程度に過ぎない。現在も100社以上の開局希望局があるが、関東、近畿などの都市部、瀬戸内海周辺では周波数が逼迫していて開局が困難な状況にある」として、アナログ周波数の拡大が不可欠であるという意見が述べられた。

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