シチズン×ソフトバンク×シャープ──「i:VIRT M」が変えるケータイとBluetooth腕時計の未来開発陣に聞く「i:VIRT M」(1/2 ページ)

» 2007年12月27日 20時30分 公開
[江戸川,ITmedia]
Photo シチズン時計が発売した「i:VIRT M」

 シチズン時計は2007年11月、ソフトバンクモバイルのシャープ製端末「920SH」「THE PREMIUM 820SH」「THE PREMIUM 821SH」と連携する腕時計「i:VIRT M(アイバート・エム)」を発売した。

 i:VIRT Mは、2007年10月にソフトバンクモバイルの秋冬モデル発表会でお披露目されたBluetooth腕時計だ。2006年7月に5000台限定で販売したBluetooth腕時計「i:VIRT(アイ:ヴァート)」の後継機にあたり、シチズン時計、ソフトバンクモバイル、シャープの3社が連携し、i:VIRTよりさらに高機能なモデルに仕上げている。

 i:VIRTは、新しいライフスタイルを提案すべく、携帯電話の着信を光と振動で知らせる“世界初”となる携帯電話との連携機能を搭載した画期的な製品。i:VIRT Mではコンセプトも新たに、対応キャリア、対応機種を絞り込んでの登場となった。i:VIRT Mが生まれた背景には何があったのだろうか。開発を手掛けた3社に話を聞いた。

期待の高まりが「i:VIRT M」の登場を後押し

Photo シチズン時計 NW事業推進部 部長の木原啓之部氏

 初代i:VIRTから開発に関わってきたシチズン時計 NW事業推進部 部長の木原啓之部氏は「あの時にi:VIRTを投入したからこそ、この製品ができたんです」と、当時の苦労を振り返りながら開発の経緯を話してくれた。

 「i:VIRTでは、携帯電話への音声着信を腕時計に表示して知らせていたわけですが、利用者の声を聞くと、腕時計側で携帯電話のメールを読みたいというニーズが高いことが分かりました」(木原氏)

 前モデルでメールの本文が読めなかったのは、腕時計側のメモリ容量の問題、端末と腕時計との間のデータ転送にかかる時間の問題、さらには腕時計のバッテリー駆動時間の問題などが複雑に絡み合っていたことが理由だ。逆に仕様として“メールは読めない”と割り切ったおかげで、i:VIRTの製品化に成功したとも言える。

 しかし、ユーザーの要求が高まる以上、そこに挑戦しなければ、市場そのものが立ち消えてしまう。そこで同社はBluetooth腕時計の規格化に取り組んできたセイコーインスツル、セイコーエプソン、カシオ計算機とともに、Bluetooth腕時計で携帯電話のメールデータを扱う規格を策定。これを携えて携帯電話キャリアと話をすることにした。

必然の出会いが、奇跡のコラボレーションを生んだ

 「一度にたくさんのことをやるわけにはいきませんので、まずはメーカーと機種を絞り込もうと考えていました。ちょうどその頃、ソフトバンクモバイルさんとのご縁がありましたので、次期i:VIRTの企画を持ち込んでみたのです」(木原氏)

 木原氏が持ち込んだ企画の具体化に携わったのが、ソフトバンクモバイル プロダクト・サービス本部 プロダクト統括部 プロダクト企画部 課長の横田知氏だ。

 「ボーダフォンの頃からBluetoothを搭載した端末を販売していますが、今回の話をいただいたときに、“i:VIRTのサービスがさらに進化するのであれば、Bluetooth市場の広がりが期待できる”と感じました」(横田氏)

 こうして木原氏は最初のハードルをクリアしたが、実際の製品化には、どの端末メーカーと組むかも重要な問題だった。そこでソフトバンクモバイルが選んだのが、これまで「写メール」や「大型カラー液晶」などでJ-フォン時代から大きな役割を果たしてきたパートナー企業、シャープである。シャープは携帯電話の進化を語る上で欠かせないメーカーであり、この出会いは必然であったのかもしれない。

PhotoPhoto 左の写真はソフトバンクモバイル プロダクト・サービス本部 プロダクト統括部 プロダクト企画部 課長の横田知氏(左)とプロダクト企画部 主任の梅本康代氏(右)。横田氏はシャア専用ケータイ「913SH G TYPE-CHAR」にも携わっていた。右の写真はシャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第二事業部 商品企画部 部長の吉高泰浩氏(右)と係長の林孝之氏(左)

 シャープ 通信システム事業本部 パーソナル通信第二事業部 商品企画部 部長の吉高泰浩氏は、当時を振り返りこう語る。

 「Bluetoothを使う腕時計があることは以前から知っていました。ソフトバンクモバイルさん向けの当社製端末には、以前からBluetoothを搭載していましたので、端末間の通信はできたのですが、さらに使い道を広げたいと考えていました。そんなときにソフトバンクモバイルさんから今回のお話をいただき、それならぜひにと、こちらからもお願いしたのです」(吉高氏)

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