インタビュー
» 2007年12月27日 20時30分 公開

シチズン×ソフトバンク×シャープ──「i:VIRT M」が変えるケータイとBluetooth腕時計の未来開発陣に聞く「i:VIRT M」(2/2 ページ)

[江戸川,ITmedia]
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市場を育てる、異例のプロモーションを実施

 こうしてシチズン時計とソフトバンクモバイル、シャープの3社が手を取り合い、i:VIRT Mが生まれた。しかし、モノを作ればそれで終わりというわけではない。Bluetooth腕時計は一般的な製品ではないので、商品の知名度をあげ、市場そのものを育てていく必要があった。その点でも、商品を売る立場のシチズン時計は、今回のパートナーシップに感謝しているという。

 「ソフトバンクモバイルさんが携帯電話の発表をする機会に、私たちも呼んでくださり、シャープさんのブースをお借りしてi:VIRT Mの発表をすることができました」(木原氏)

 メディアへの登場機会が増えれば、商品の認知度はそれだけ上がっていく。前モデルでも雑誌広告などに力を入れたというが、i:VIRT Mとの差は歴然だという。

 また、ソフトバンクモバイルは自社の総合カタログでもi:VIRT Mを紹介している。同社のカタログは、後半が「+Magazine」というフリーペーパーになっており、2ページ見開きの読み物として記事を掲載しているのだ。自社のブランドが付いていない商品をここまで取り上げるのは珍しいことだとソフトバンクモバイルの横田氏は言う。

Photo ソフトバンクモバイルの総合カタログに登場したi:VIRT M

 さらにソフトバンクモバイルは、オンラインショップでi:VIRT Mを扱うだけでなく、六本木や原宿などの直営店6店舗でi:VIRT Mを販売している。6店舗ではデモも行っており、実際に機能を体験することも可能だ。シャープもまた自社のカタログにi:VIRT Mを掲載をするほか、セールスマニュアルにも登場させている。

Photo シャープ製端末専用の機能がウリなので、シャープも積極的にPRしている

i:VIRT Mの完成度は?

 万全の販売体制のもとリリースされたi:VIRT M。ではその製品のできはどうなのだろうか。

 実はi:VIRT Mでは、メールが読めるようにはなったものの、件名と本文を合わせて全角70文字までしか読むことができない。前モデルから比べれば格段の進歩だが、利用者のニーズに合致しているかどうかは、市場の判断に委ねるしかなさそうだ。

 一方、モノとしてのできは相当に良い。男女を問わず着用できる色とデザイン、携帯電話との連動を考えた機能の数々は非常に魅力的だ。

 「絵文字を表示するならカラーがいいだろうと考え、今回の製品で液晶の新規開発を行っています。当社では、時計としては初となる技術を組み入れ、どんなシーンでも読みやすい明るさと見やすさを実現しました。実際に使ってみて、初めて便利さが分かる製品ですので、ぜひ手に取っていただきたいと思います」(木原氏)

PhotoPhoto 使う人の個性を生かすカラフルなラインアップを用意している(左)。充電台と専用ケースも一工夫。使いやすさと美しさを両立したデザインだ(右)

 シャープの吉高氏は、「最初の企画では、カメラのリモートシャッター機能がありませんでした。しかしこれは絶対に必要になると思い、当社からご提案し、搭載していただきました」と企画当時を振り返る。ソフトバンクモバイル プロダクト・サービス本部 プロダクト統括部 プロダクト企画部 主任の梅本康代氏は「メールで絵文字を出すようにしていただいているのですが、i:VIRT Mだと絵文字が動きません。今後は、ユーザーさんの意見を参考にしながら、細かいところにもこだわっていければと思います」とさらなる進化の可能性を示唆した。

Photo 件名、本文とも絵文字に対応。事前にアドレス帳データを転送する必要はなく、そのつど情報を転送する

いずれ大きな市場に育つための、最初の1台

 「シチズン時計が初めて電波時計を腕時計に組み込んだのは1993年です。当時はサイズも大きく、また需要も今ほどではなかったと思います。それが10年経って、普通の腕時計と変わらない厚さ、大きさになりました。今では立派に市民権を得ています」(木原氏)

 i:VIRT Mが目指すのは電波時計のような姿だという。木原氏は「いずれ大きな市場に育つための、最初の1台だという意気込みで開発を行っています」と話した。

 ソフトバンクモバイルの横田氏は「商品を継続して売っていく上で避けられないのは、小型化とデザイン性」と指摘する。「サイズとデザインはメーカーであるシチズン時計さんに頑張っていただきたい。またBluetoothそのものについては、我々も認知度を高めていく必要があると感じています」(横田氏)

 シャープの吉高氏は「Bluetooth腕時計(BTウォッチ)の広がりに期待したい」という。「つながる時計が増えることで、市場が育っていくと思います。そうした中で先行メーカーとしての強みを維持していけばいいのですから、競合が出てくることはむしろ歓迎です。もっともBluetoothだからいいということではなくて、そこは利用者が意識することなく簡単につながる技術が望ましいと考えています。これからも新しい使い方を提案できる商品をご提供していきたいですね」(吉高氏)

 初代i:VIRTに比べると、強力な援軍を手に入れたi:VIRT M。本稿執筆時点での対応機種はシャープの3機種限定だが、だからこそ実現できた先進の機能を一度試してみてはいかがだろうか。

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