ケータイの“所有欲”“ブランド力”“マーケティング力”に気づかされたこの1年ITmediaスタッフが選ぶ、2007年の“注目ケータイ”(ライター石川編)

» 2007年12月28日 01時27分 公開
[石川温,ITmedia]

独特の“所有欲”をかき立てられる――Apple「iPhone」

iPhone iPhone

 これほど世界が熱狂した携帯電話があっただろうか。

 デザイン性を見れば「iPhone」はここ最近のケータイのなかでもピカイチ。ただ、機能的に見れば日本のケータイのほうが圧倒的に優れている。

 iPhoneはFeliCaにも対応していなければワンセグも見られない。外部メモリは何も差さらない。PCがなくては契約すらできないし、SIMロックもがっちりかかっている。しかし、それらの不便さを超越するデザイン性や質感、独特なインタフェースを持っている。日本のメーカーは、機能的にiPhoneに勝るケータイを作れるだろう。デバイスの開発能力も優れているのでそのあたりは期待したいが、Appleが得意とする独特の“所有欲”をかき立てる演出ができるかが課題だ。

 また、世界中のハッカーがSIMロックを外そうと血眼になっている状況も面白い。まさにiPhoneはハッカーの「おもちゃ」にされているのだ。2008年以降の携帯端末のトレンドを占う意味でも、iPhoneの存在は大きかったように思う。

「VIERA」の冠を得て“トランスフォーマー”――NTTドコモ「P905i」

 「P905i」は、これまで低迷していたパナソニック モバイルコミュニケーションズの起死回生となる1台。「VIERA」のブランドを冠したことでバカ売れになったのは喜ばしい限りだろう。この売れ行きを見ていると、つくづく日本市場は“ブランド”と“トランスフォーマー”が好きなんだなぁと思う。やはりVIERAというブランドは強力。さらに、“ちょっと変わったギミックで形状が変化するのに消費者は飛びついてしまうんだ”と実感させられた。

P905i P905i

 確かに縦にも横にも開けるスタイルは斬新で便利。ワンセグも見やすいし、ゲームなどもやりやすい。AQUOSケータイが“予想外の動き”でワンセグケータイのトップブランドになったように、日本で売れるには何からの“トランスフォーマー”が必要なんだと思う。

誰もがあきらめていた多色展開を製品化――ソフトバンクモバイル「812SH」

 PANTONEケータイ「812SH」の20色(その後、追加され24色)展開は業界関係者の多くが圧倒された。発表されたのち他の端末メーカー関係者の何人かに取材する機会があったのだが、誰もが「うちも考えていた。でも製品化できなかった」と残念がっていた。多色展開は、メーカーの開発担当者なら誰でも考えるアイデア。しかし、誰もがあきらめた企画でもある。開発コストや在庫調整の問題などで挫折することがほとんどだが、ソフトバンクモバイルとシャープは見事に製品化してしまった。その後の「キャラケー」につながる“機能ではなくマーケティング力で売る”という、ソフトバンクモバイルの路線を象徴する1台だったような気がする。

PANTONEケータイ「812SH」 PANTONEケータイ「812SH」

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月09日 更新
  1. 「Suicaのペンギン」卒業騒動にまつわる背景と誤解 JR東日本に聞いた (2025年11月14日)
  2. “折りたたみiPhone”だけじゃない もうすぐ開催のAppleイベントで登場する新製品のうわさを総まとめ (2026年09月08日)
  3. 折りたたみiPhoneは30万〜40万円超に? ダミー画像から見えたスペックと品薄の懸念 (2026年09月07日)
  4. ドコモの純正スマートウォッチがAmazonで14%オフの約6000円に 心拍や睡眠の測定も可能 (2026年09月08日)
  5. 「おサイフケータイ」のリセット方法を改めてチェックする(新しめの機種限定) (2026年09月07日)
  6. なぜLINEは“ちょっとした気遣い”で重宝された「ミュートメッセージ」を有料化したのか? (2026年09月08日)
  7. 車内を大画面エンタメ空間にする「VANBAR ディスプレイオーディオ」がセールで20%オフの2万8777円に (2026年09月08日)
  8. 3COINSで1320円の「コイル充電ケーブルAtoC」を試す 伸縮式よりも“ラフ”に扱えて便利 ただしキーボードにはアンマッチ? (2026年09月08日)
  9. 「Pixel 6a」で製品起因が疑われる発火事故が発生 消費者庁が「消費生活用製品の重大製品事故」として公表 (2026年09月07日)
  10. パスポート型折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold8」と「HUAWEI Pura X Max」の実機比較で見えてきた違い (2026年09月07日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー