KDDIは2007年12月22日、EV-DO Rev.A方式を採用した定額のPC向けデータ通信サービス「WINシングル定額」を開始した。CFタイプのデータ通信カード「W05K」がこのサービス対応にしており、対応エリア内では下り最大3.1Mbps/上り最大1.8Mbpsでの通信ができる。
WINシングル定額は、「ダブル定額」のような、上限価格が設定されているPC向けデータ通信サービスだ。フルサポートコースでは基本料金が月額3150円で、通信料は0.0525円/パケット、上限は6930円。シンプルコースに音声端末とのセット契約の割引を加えると、基本料金は月額1890円、上限5670円で利用可能だ。
そこで、実際にどれくらいの通信速度が出るか試してみた。測定は東京丸の内の編集部で1月9日20時ごろに「speed.rbbtoday.com」を利用して実施。10回の測定結果を平均したところ、下りは643.7kbps、上りは205.8kbpsにとどまった。下りは500kbpsから1000kbps程度、上りは最大で728kbpsを記録したものの、100kbpsを切ることも多い。
回数 | 下り | 上り |
---|---|---|
1 | 568kbps | 414kbps |
2 | 1010kbps | 34kbps |
3 | 946kbps | 232kbps |
4 | 485kbps | 34kbps |
5 | 560kbps | 36kbps |
6 | 596kbps | 36kbps |
7 | 584kbps | 479kbps |
8 | 480kbps | 33kbps |
9 | 460kbps | 32kbps |
10 | 748kbps | 728kbps |
平均 | 643.7kbps | 205.8kbps |
WINシングル定額は、周囲の回線状況により通信速度が制限される場合がある。測定を行った編集部の周辺はオフィス街であり、回線が混雑していることが予想され、下りの通信速度が643.7kbpsにとどまったのもこのあたりに原因があったと考えられる。
なお参考までに、同一条件で、イー・モバイルのデータ通信カード「D01NX」(下り最大3.6Mbps/上り最大384kbps)でもテストしてみた。その結果、下りは1109.7kbps/上りは331.2kbpsとなった。
回数 | 下り | 上り |
---|---|---|
1 | 1200kbps | 362kbps |
2 | 1160kbps | 363kbps |
3 | 894kbps | 350kbps |
4 | 1460kbps | 86kbps |
5 | 1260kbps | 358kbps |
6 | 1180kbps | 365kbps |
7 | 1040kbps | 340kbps |
8 | 1090kbps | 363kbps |
9 | 1240kbps | 356kbps |
10 | 573kbps | 369kbps |
平均 | 1109.7kbps | 331.2kbps |
もちろん、時間や場所によって条件は大きく変わるので、今回のテストの結果だけをもってW05Kの性能を語るわけにはいかないが、時と場合によっては思ったほど速度が出ないこともあるようだ。
また、今回の結果を見る限りでは、通信速度についてはイー・モバイルのD01NXに勝てなかったW05Kだが、圧倒的な優位点がある。それはエリアだ。auの人口カバー率は100%に限りなく近く、たいていの場所で使えるというメリットがある。イー・モバイルでは圏外であることが多い地下鉄のホームや地下街でも利用できるのが心強い。
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