「ハイエンドを“面”展開」「薄型は“連打”」──パナソニック携帯の春商戦戦略(2/2 ページ)

» 2008年02月02日 02時07分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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「薄型化」に必要なこと

 ハイエンドモデルと並び、パナソニック モバイル製携帯は「薄型」モデルにも定評がある。昨年2007年は携帯の薄型化が加速し、今まで薄型と呼ばれた20ミリほどの厚さはもはや薄いといわれない。2008年はもう、厚さ15ミリ以内が最低限のターゲットになってくる。

 パナソニック モバイルは2008年春商戦向け薄型端末として、ドコモ向けにワンセグケータイ最薄(厚さ12.8ミリ)の「P705i」、折りたたみ3G端末最薄9.8ミリの「P705iμ」「PROSOLID μ」、au向けにデザイン性にも特化した厚さ12.9ミリのスリムワンセグ「W61P」、ソフトバンクモバイル向けに厚さ8.9ミリのストレートボディ「822P」を投入する。現在、ニーズの高い薄型モデルに必要な技術をすでに開発し、ノウハウにも長けていることが強みだ。

photophoto ドコモ向けの「P705i」(左)と「P705iμ」(右)
photophoto au向けの「W61P」(左)とソフトバンクモバイル向けの「822P」(右)

 この薄型化は、プリント基板を樹脂で固めることにより強度を高める技術「ボードモールド工法」を中心に実現する。2006年発売の「705P」に採用したこの工法は、塗布樹脂量の制御と厚みのばらつきを低減することでさらに薄く(第1世代比86%)進化し、P705iやP705iμ(PROSOLID μ)、W61Pに採用する。なお、8.9ミリストレート型の822Pは「現在のボードモールド工法技術でもこの厚さは実現できない(厚くなってしまう)」(パナソニック モバイル ソフトバンクモバイル向け商品開発チームリーダーの目黒幸一氏)ため、本体の表と裏に金属板を挿入する手法を用い、ゆがみやねじれに強い構造を採用した。

photophoto プリント基板を樹脂で固め、薄型化と強度を両立する技術「ボードモールド工法」。2006年発売の機種に採用した第1世代と比べ、春商戦向けモデルに採用した第2世代で86%の薄型化を実現した

 今回の新機種の多くに採用する「ワンプッシュオープンボタン」も“P”端末ならではの特徴の1つ。ヒンジ部にあるボタンを押すだけでディスプレイをパッとスマートに開ける機構となっている。

 1年前、パナソニック モバイルは厚さ11.4ミリの「P703iμ」(2007年2月発売)を投入した。この機種はビジネスユーザーや携帯に高級感や素材感を求める層を中心に評価を得たものの、薄型化を実現するためにワンプッシュオープンボタンは省かれた。そのため「なぜ、ワンプッシュオープンがないのか」と悔やむ声がかなり多く寄せられたという。

 この要望をふまえ、P703iμよりさらに薄くしたP705iμやPROSOLID μにもワンプッシュオープンボタンを搭載できるよう、従来比85%の小径化・薄型化を果たす機構に改良した。「より薄くしたからこそ、ワンプッシュオープンの便利さをさらに実感してもらえることでしょう」と、パナソニック モバイル ドコモ向け商品企画担当部長の橋本氏やau向け商品企画チームリーダーの宇佐見敏雄氏らは自信を見せる。

 そしてこれら新機種の本当の狙いは「所有満足度」。薄型化やデザイン性を実現する独自の技術開発はもちろんだが、それにより“不安を感じさせない、使いにくいと思わせない”工夫を盛り込こむことこそが、薄型モデル開発にあたる最重要課題としている。これは、今後、やや長く端末を所持する場合にも“色あせにくい”ことを意味する施策といえそうだ。

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photophoto 同社製端末、薄型化への過程。FOMA初号機「P2101V」の厚みは35ミリもあった

 このほか、今回の製品群で実現した“VIERAケータイ”以外に、より広くグループ内の製品群と積極的に連携する考えが示された。

 「今回打ち出したテレビや音楽プレーヤー、カー製品との連携以外に、AV機器がどんどんIP化していくことをにらんで、それとあわせて携帯とAV機器の連携をより強化していくことを積極的に取り組んでいきたい。そのほかAV機器だけでなく、松下電工の持つ家庭用の電化製品や“家”そのものを含めたホームアプライアンス連携も含めて、グループ全体で連携拡大に取り組む考えです」(瀧川氏)

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