カナダのResearch in Motion(RIM)は、Mobile World Congress 2008の同社ブースでBlackBerryの欧州向け現行モデルを全機種展示した。ずらりと並ぶ端末の展示は、同社がソリューションの提供だけではなく、端末メーカーでもあることをアピールしているかのようだった。
海外の展示会や国際会議におけるRIMの展示内容は、ソリューション系サービスの紹介が中心であり、端末は簡単に紹介されることが多かった。しかしMobile World Congressの同社ブースでは、中央に発売中のBlackBerry端末を多数展示するなど、端末そのもののアピールにも力が入っていた。
RIMは2月11日、VodafoneグループとBlackBerryプラットフォームをコンシューマー層向けに展開することで合意し、戦略的パートナーシップを結んでいる。こうした事情も手伝って、端末重視の展示を行ったものとみられる。
BlackBerryの現行主力モデルは3シリーズに分かれており、さらに機能別に3つの型番に区分されている。日本のNTTドコモから発売された「8707」シリーズ(W-CDMAに対応する唯一のモデル)の展示はなかったが、これは1世代前のモデルであることが理由だという。
展示されたのは「8800」「8300」「8100」の3シリーズ。通信方式はいずれもGSM/EDGEに対応しており、8300には「Curve」、8100には「Pearl」という愛称がついている。また、型番の下2桁が「10」の端末はGPS、「20」の端末は無線LANを搭載したモデルとのことだ。
これらの現行モデルには、BlackBerryの操作インタフェースの代表ともいえるトラックホイールではなく、代わりにディスプレイ下の中央部にトラックボールが搭載された。このトラックボールは半透明の白色で、メール着信時などに光って通知する。
Mobile World Congressは企業からの来場者がほとんどであり、また出展する他企業の担当者もBlackBerryユーザーが多いこともあるためか、同社ブースでは説明員に自分の使っているBlackBerry端末の質問をする来場者の姿も多く見られた。その様子は、あたかも「BlackBerry相談所」のようであり、ブースは多くの人でにぎわっていた。

1つのキーに2つのアルファベットを配置した、独特のキーボードを搭載する8100 Pearl。カラーバリエーションが最も多く、普通の携帯電話とほぼ変わらないサイズであることから女性やコンシューマー層にも人気があるという
無線LAN搭載モデルは、セットアップウィザードを利用することで簡単にアクセスポイントを検索し、接続できる。プッシュメールは通信キャリアのネットワークのみで利用でき、無線LANはWebブラウジングやファイルのダウンロードなどの用途のみに利用できる。写真撮影や動画の再生など、メール以外の用途が広がったことがユーザーを増やしているようだ
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