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» 2007年07月18日 08時38分 公開

日本企業にもBlackBerryを──日本語にフル対応した「BlackBerry 8707h」

「BlackBerry 8707h」の日本語版は、端末からBlackBerry Enterprise Serverまで、ソリューション全体を完全に日本語対応させているという。今後は日本企業への導入も積極的に推進していく。

[園部修,ITmedia]

 カナダのReserch In Motion(RIM)とNTTドコモは7月17日、「BlackBerry 8707h」の日本語版を7月23日に発売すると発表した(7月17日の記事参照)

 BlackBerry 8707hは、RIMが提供する「BlackBerry Enterprise Server」と組み合わせて利用する、企業向けのスマートフォンだ。QWERTYキーボードを備え、W-CDMA/GSM/GPRSネットワークでの通信ができる。企業に導入されているMicrosoft ExchangeやLotus Dominoと連携し、会社のメールアドレスでEメールが利用できるほか、スケジュールや住所録などを端末とサーバで共有可能で、専用の業務アプリなどにも対応しているのが特徴だ。

 発表会の冒頭で挨拶したRIMの日本担当副社長、ジョー・カチ氏は「法人利用に特化したBlackBerryソリューションは、世界120カ国、約300のネットワークでおよそ900万人のユーザーがいる」とBlackBerryを紹介。世界各国でローミングサービスを利用でき、アジア太平洋地域だけでも17地域、32のキャリアがBlackBerryをサポートしていること、アジアでもRIMのプレゼンスが高まっていることをアピールした。

Photo Research In Motion(RIM)日本担当副社長のジョー・カチ氏(左)とNTTドコモ 代表取締役副社長 法人営業本部長の山田隆持氏(右)

日本語化への強い要望

 ドコモとRIMは2006年9月26日から、法人向けにBlackBerry 8707hの英語版を販売してきたが(2006年9月の記事参照)、ドコモの代表取締役副社長 法人営業本部長の山田隆持氏は「日本語版の要望が非常に多かった」と話す。

 「ドコモでは、長年にわたり多国籍企業のお客様などからBlackBerryの導入要望をいただいており、2006年9月に発売した英語版は非常によく売れた。今回はRIMの多大なる協力のもと、端末からサーバまで、完全な形で日本語ソリューションの提供が可能になったので、今後は国内企業にも広く利用していただきたいと考えている」(山田氏)

 山田氏はBlackBerryがすでにブルームバーグや旭化成ワッカーシリコーンなど、世界で活躍する企業で活用され始めていること、また日本アイ・ビー・エムも試験的に導入していることを明らかにした。さらにBlackBerryを「世界でもっとも普及しているスマートフォンで、日本のビジネスの活性化に役立てればと願っている」とたたえた。

日本語環境にはソフトウェアのバージョンアップで対応

 RIMの製品部門ディレクター、戸野龍氏は「日本市場に初めてBlackBerry 8707hを投入したときは、日本語の表示はできたものの入力はできなかった。しかし今回はすべてを日本語化している。欧米では企業だけでなく、政府機関や軍事機関にも採用されるほどの高いセキュリティを持つBlackBerryを、日本の企業にも提供するべく開発した」と胸を張る。

 BlackBerryは、欧米ではすでに一定の知名度があり、多くの企業で採用されているが、日本ではまだBlackBerry自体をよく知らない企業が多いという。そこで、定評のあるさまざまな機能を日本の企業にも提供すべく、今回の日本語化に取り組んだ。もちろん端末側で日本語の入力ができるというだけでなく、すべてのトータルソリューションを日本語化している。

 今回の日本語化に際し、変更を加えたのは

  • BlackBerry Device Software
  • BlackBerry Enterprise Server
  • BlackBerry Desktop Software
  • 関連製品ドキュメント

の4つだ。

 BlackBerry 8707hは、ハードウェアには特に変更はなく、Device Softwareのバージョンを4.1から4.2.2にアップして、ユーザーインタフェースやアドレス帳、カレンダーなどを日本語化している。アドレス帳では、英語版にはなかった会社名や姓名の「ふりがな」に対応。漢字に対して読みがなが設定できる。

 日本語入力システムには、携帯電話でも採用例の多いオムロンソフトウェアの「Advanced Wnn」を採用しており、PCと同様にローマ字入力で文字をタイプしていく。辞書は20万語以上の語彙を搭載しており、高い変換精度を誇るという。ちなみに一般的な携帯電話の辞書は10万〜13万語程度とのことなので、いかに大きな辞書を搭載しているかが分かるだろう。入力時のインタフェースも、「ドコモからの助言および協力により、親しみやすく簡単な操作性を実装した」(戸野氏)という。

 ちなみにバージョン4.2.2では、日本語対応に加えてセットアップウィザード(使用方法の説明や、言語選択、日付設定、フォントの選択などのプロファイル設定のチュートリアル)を装備し、従来はユーザーが任意でインストールする必要があったBlackBerry Messenger(インスタントメッセンジャー)をプリインストールした。また日本語環境では機能しないものの、英語モードではスペルチェック機能も利用できる。

 BlackBerry Enterprise Server(BES)は、バージョン4.1.4で日本語対応を果たした。BESのManagerおよびインストーラはUIをすべて日本語化したほか、Microsoft ExchangeやLotus Dominoも日本語版に対応、メールのシフトJISエンコーディング(S1)もサポートした。また端末側に会社名や姓名のふりがな機能を用意したがのに合わせ、サーバ側でもこの情報を同期できるようにしている。

 BlackBerry Desktop Softwareもバージョン4.2.2になり、ユーザーインタフェースおよびインストーラを日本語化した。ふりがなもサポートし、漢字を多用する日本市場での使い勝手を向上させている。さらに拡張機能として、ユーザーが利用する端末を簡単に切り替えられるウィザードを用意したほか、Windows Vistaへの対応やOutlook 2007のサポートも行った。

 もちろん、すべての添付ドキュメントは日本市場向けに日本語で作成してある。

 戸野氏は「今回の日本語版は、単に端末を日本語化しただけでなく、BESのすべてをEnd to Endで日本語化している。日本企業のみなさまにもきっと導入していただけると思う。今回のBlackBerry 8707hの日本語対応は、あくまでも日本市場向けの展開の第一歩。今後もBlackBerryブランドの浸透を目指し頑張っていく」と話した。

料金は英語版と同じ、今後は安くなる方向に

 質疑応答では、BlackBerry 8707hとBESの導入にどれくらいのコストがかかるかとの質問が出た。ドコモ法人ビジネス戦略部長の三木茂氏によると、BESサーバの導入コストは、ソフトウェアのみの場合、だいたい目安として20 IDで45万円くらいとのこと。システムインテグレーション込みでとなると100万円くらいからになるという。「ID数や内容によって価格は変わってくるが、なるべく導入しやすい価格で提供したいと思っている」(三木氏)

 利用料は日本語版と英語版で変わることはないという。ただ三木氏は「日本語化して利用者が今後増えることを考えると、より多くのお客様にお使いいただいたいと思っているので、もう少し使いやすい料金にすることを検討している」と話した。

 なお、英語版のBlackBerry 8707hの売れ行きはかなり好調で、日本語版を出すことでさらに数万台以上は出荷できるとの見通しを示した。

 またドコモ モバイルデザイン推進室 第一推進担当課長の三嶋俊一郎氏は、「BlackBerry 8707hが日本語化されたことで、これまではメールやカレンダー、アドレス帳といった基本アプリの利用が中心だったが、今後は欧米のようにMobile Data Service(MDS)を利用した業務用のBlackBerryアプリケーションを日本企業にも使ってもらいたい」と話した。

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