W54Sは、対応するオーディオ機器との間で相互に楽曲を転送できる「オーディオ機器連携」に対応した。これに伴い、Windows用の音楽管理ソフトも「au Music Port」から「LISMO Port」に変更された。
LISMO Portでは、ソニーのウォークマンなどに付属する音楽ソフト「SonicStage CP」で管理しているATRAC3ファイルインポートできる。曲名、アーティスト名、アルバム名といったタグ情報も引き継げ、コンピレーションアルバムの管理(アーティストが異なっている場合も1つのアルバムとして認識する機能)も有効だ。
LISMO Portを使いPCからW54Sの内蔵メモリ(約800Mバイト)かmicroSDに転送することで、ATRAC3を再エンコードすることなくW54Sで再生できる。転送時には、著作権保護の処理を行うが再エンコーディングはしないので時間はかからない。ATRAC3plusの352Kbpsも再エンコーディングを行わず転送できたので、ATRAC3とATRAC3plusはLossless圧縮を除けば、すべてのビットレートが再生できるようだ。
音楽ファイルの保存先は、転送時に内蔵メモリかmicroSDを選ぶのではなく、LISMO Portでどちらを優先させるのか設定する。またW54Sの操作により、内蔵メモリとmicroSDとの間でATRAC3ファイルを移動でき、再生やLISMO Portからの取り扱いも問題はない。これらの点は、従来の着うたフルと同じと思えばいいだろう。
LISMO Portでは、着うたフルとATRAC3を一括で管理できるようになった。携帯電話でダウンロードした着うたフルを、PCなどを経由してLISMOオーディオ機器連携に対応するウォークマンに転送できる。
これまでのLISMOでは、着うたフルをPCで再生するにはダウンロードをした携帯電話を接続しておく必要があったが、これが不要になった。LISMO PortがSonicStage CPベースになったので、au Music Portと比較すると格段に動作が軽快になり、転送や変換作業も高速になっている。
LISMO Portはau Music Portと比べると利便性の向上を図り、処理速度も向上しているようだ。
W54SではMP3は直接再生できないが、LISMO Portから携帯電話の転送時にATRAC3に変換するので再生は可能だ。iTunesでエンコードをしたAACファイル(拡張子.m4a)もMP3と同様でATRAC3に自動で変換する。なおApple Losslessはインポートできないようだ。
メモリースティック(Duo、M2含む)に対応したこれまでのau端末では、メモリースティックの著作権保護機能「OpenMG」を利用して音楽ファイルを保護していた。そのため、メモリースティックを別の端末に挿しても音楽の再生ができた。W54Sでは、電話番号と紐付けた著作権保護を行っているので、転送をした端末(正確には同じau ICカードを装着した)でしか再生できない。また著作権保護機能に対応したカードリーダーを利用してもメモリカードへの転送は不可能だ。
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