作品名 | 東京少女 |
監督 | 小中和哉 |
制作年・製作国 | 2008年日本作品 |
今回ご紹介する作品は、ドラマ『ケータイ刑事 銭形雫』でもおなじみ夏帆主演の『東京少女』。時空を越えた携帯電話が、不思議な出会いの物語を紡ぎます。明治時代に突然に出現した携帯電話を手にしたのは、夏目漱石の弟子でした。
SF作家を目指している未歩(夏帆)は、父親が亡くなった後、母の妙子(秋本奈緒美)と二人でなかよく暮らしてきましたが、再婚の話が出て以来、微妙な関係に。妙子は、恋人を紹介するための食事会をセッティングしますが、未歩はトイレで携帯電話のゲームをして閉じこもったまま出てきません。
子供っぽい行動と思っていても、母親をとられる寂しさを隠せない未歩。怒り出す妙子の 声も振り切って、再婚は許せないと駆け出してしまいます。エレベーターを待ちきれず、未歩が階段から外に出て行こうとした時、大きく地面が揺れ出します。思わず手に持っていた携帯電話を階段の隙間に落としてしまう未歩。携帯電話は光に吸い込まれるように消えて……。
地震が収まったあと、未歩は携帯電話を階段付近で探しますが、どこにも見つかりません。公衆電話から自分の番号にかけてみますが、電源が入っていないとのアナウンスにイライラ。一旦帰宅して、未歩は自宅からもう一度自分のケータイに電話をかけてみます。すると発信音が鳴り出しました。
「もしもし?」
数回の呼び出し音の後で、つながった携帯。しかし、相手からは返事がありません。
「それ、私のケータイなんですけど」
未歩は少しキレながらつぶやきます。すると、不思議そうな男の声が聞こえてきました。
「ケッタイ電話?!」
「ケータイ電話!!」
「もしもしって、これは電話なのか?」
要領を得ない男の返事に、未歩はさらにイライラ。居場所を聞き、携帯電話を受け取りに行こうとしますが、男が告げる住所はチンプンカンプン。
それというのも、未歩の携帯電話を手にしたのは、明治時代に生きる時次郎(佐野和真)だったのです。ある日突然目の前に四角い箱が落ちてきて、押してみたら人の声が聞こえてきたのだから時次郎はビックリ。
最初はそんな時次郎の反応をいたずらだと思っていた未歩でしたが、夏目漱石の弟子だという時次郎の話を詳しく聞くにつれ、自分の携帯電話が時空を越えて、明治時代にタイムトリップしたと確信。混乱している時次郎にも何とか説明して、2人が話せていることの奇跡を実感します。
未歩は自分の態度を素直に謝り、また時次郎も未歩に興味を持ち、2人は携帯電話で少しずつ親密な会話をするように。未歩と時次郎はおたがいに惹かれていくのですが、決して直接会うことはできない2人。携帯電話の充電が切れるまでの限られた時間の中で、2人の恋はどんなふうに育まれていくのでしょう……。
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