iPhone 3GにVIEWカードを貼ったらおサイフケータイになるか?

» 2008年07月09日 22時00分 公開
[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 今週の金曜日(7月11日)、「iPhone 3G」が発売される(ついでにいうと、ウィルコムの「D4」も発売される)。誠編集部では誰も購入予定はないのだが、隣のITmedia Biz.ID編集部や、ITmedia NEWSの海外ニュース速報部の一部スタッフはiPhone 3Gを購入する気まんまんだ。もちろん、+D Mobile編集部でも買うだろう。

 記者の場合、おサイフケータイ関連の記事を執筆する必要上、FeliCaチップが入っていない携帯は最初から選択肢に入らない。それだけに、ちょっと前に盛り上がっていたある話題が気になっていた。

 その話題とは、「iPhoneを使いたいが、モバイルSuicaが使えなくなるのが心配」という人に、「iPhoneのケースにオートチャージ設定したVIEWカードを入れれば、iPhoneで改札を通れるじゃないか」と提案するもの。ネタ元となっていたのは、主に下のブログだったと思う。

 →カイ士伝:iPhoneはVIEWカードでオートチャージが勝ち組

 →NETAFULL:なぜ「iPhone」はVIEWカードでオートチャージが勝ち組なのか?

 EdyやSuicaのようなプリペイド型電子マネーは、残金が少なくなってきたらチャージ(入金)する必要がある。オートチャージは、残金が一定の金額を下回ったら、改札を通るときに規定の金額を自動的にチャージできる機能だ。Suicaなど交通系の電子マネーに多いサービスで、VIEWカードのように自社のクレジットカードで利用できるケースが多い。

 おサイフケータイの場合はユーザーがアプリを立ち上げ、サーバーに通信してチャージを行う。いちいち手動でチャージするよりも、オートチャージのほうが手軽じゃないか、というのが上記ブログ記事の主張だ。

先代iPhoneで試してみました

 さて、実際にiPhone 3GにVIEWカードを貼ったらどうなるのか。iPhone 3Gはまだ発売されていないので、先代のiPhoneで試してみた。

 上の写真は、iPhoneにVIEWカードを重ねてみたもの。iPhoneの横幅はクレジットカードとほぼ同じで、確かにギリギリぴったりケースに入れられる。iPhoneのサイズは縦115×横61×厚さ11.6ミリ、今回発売されるiPhone 3Gは115.5×62.1×12.3ミリ。横幅はわずかにiPhone 3Gのほうが広いので、iPhone 3GにVIEWカードを重ねても、カードがはみ出すことはない。

 ただし注意したいのは、iPhone 3Gの背面は丸いということだ(iPhoneの背面は平面)。シリコンジャケットのようにぴったりしたケースだとちょっとキツイ。無事ケースに入っても、今度はカードが曲がってしまいそうだ。

電子マネーとして利用した場合、オートチャージはされない

 上記のブログでは、「ビックカメラSuicaカードなら年会費無料だが、定期券機能が入れられない。定期券として使いたい場合はJR東日本が発行しているVIEWカードにしよう」という結論になっている。補足すると、VIEWカードに定期券を入れられるのはJR東日本の定期券、あるいはJR東日本の区間を含む連絡定期券の場合だけだ。私鉄・地下鉄・バス区間の定期券を利用している場合は、オートチャージ対応のPASMOが必要になる。オートチャージ対応PASMOは駅では買えない。交通事業者系カード会社が発行する、対応クレジットカードが必要だ(下記リンク参照)。

 →年会費無料で使えるVIEWカードについて(参照記事)

 →PASMO/Suicaの種類と購入できる場所(参照記事)

 →連絡定期券について(参照記事)

 →オートチャージPASMOと対応クレジットカードについて(参照リンク)

 もう1つ注意を。オートチャージが行われるのは、自動改札機を通過したときだけだ。SuicaでPASMOエリアの駅を通ったときやその逆の場合はオートチャージされるが(東京モノレール、東京臨海高速鉄道、埼玉新都市交通の駅もOK)、電子マネーとして使ったり、バスの料金を支払ったときにはオートチャージはされない。お金を払おうと思ったらレジでチャージ額が足りずにびっくり、ということを避けるためにも、電子マネーとしてもSuica/PASMOを使うことが多い人は、1回のオートチャージ金額を高めに設定しておくことをオススメする。

確かに携帯で改札を通れるだろうけど……

 上記ブログのタイトルには、“VIEWカードでオートチャージが勝ち組”というフレーズが使われている。「勝ち組」という言葉には、「手動でチャージするモバイルSuicaより、VIEWカードのオートチャージのほうが手間がかからなくて便利」、ひいては「おサイフケータイでモバイルSuicaを使うより、VIEWカードのほうが良い」というニュアンスが含まれているように見えるが、一概にそうは言えないのではないかな、と記者は考える。

 実際に数週間使ってみると分かるが、オートチャージをすると、自分がどれくらいチャージしたのかがまず把握できなくなる。お財布から現金を出したり、携帯アプリからクレジットカードチャージをしたりするのに比べると、「私は今月いくらチャージしたっけ?」ということが思い出せなくなりがちで不安になるのだ。個人差はあると思うが、記者は結局、数カ月でオートチャージ機能を使わなくなってしまった。

 また本来、おサイフケータイのメリットは「携帯で改札を通れる/お金を払える」だけではないはずだ。財布の中にあるさまざまなカードを1つの携帯にまとめられること、通信機能&画面があるからこそ可能な機能があること、この2つが本来おサイフケータイのメリットだったはずではないか。

 「iPhone+VIEWカードでオートチャージが勝ち組」と言われてしまうという事実こそが、携帯の通信機能&画面があるからこそ可能な、“おサイフケータイならではの機能”をユーザーに提供できていない現状を示している――そう気付いたとき、おサイフケータイ愛用者としては非常に寂しい気持ちになった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年05月30日 更新
  1. Switch 2の「箱の中にHDMIケーブルが入っていなかった」との問い合わせ、任天堂に寄せられる (2026年05月29日)
  2. 「Rakuten Linkで着信拒否できない件」を楽天モバイルはどう考えているのか 置き去りにされた基本機能の行方 (2026年05月29日)
  3. 陸マイラーの筆者が「ANAモバイル」を契約 20%マイル付与だけじゃない、“メイン回線昇格”の理由 (2026年05月27日)
  4. スマホのバッテリー切れでも「モバイルSuica」は使える? “予備電力機能”がSNSで話題に (2026年05月29日)
  5. 「Xiaomi 17T」シリーズの価格は「非常に頑張った」 海外より激安 価格変動を抑えられた理由 (2026年05月29日)
  6. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  7. サンコー、電動うちわを発売 10年ぶりの第3世代モデル、土台強化で“自走しちゃう問題”も克服 (2026年05月29日)
  8. 「Xiaomi 17T」シリーズ6月4日発売 17Tも光学5倍カメラ、17T Proは7000mAhバッテリーやFeliCa搭載で11万9800円から (2026年05月28日)
  9. ケータイ感覚で使えるスマホ「MIVEケースマ」がau Flex Styleに登場 3万4800円で販売中 (2026年05月29日)
  10. 厚さ約14mmの薄型急速充電器「CIO NovaPort SLIM DUO 65W 2C」が27%オフの4380円に (2026年05月28日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年