“継承”と“進化”──「P-02A」はスピードセレクターに何を求めたか開発陣に聞く「P-02A」(1/5 ページ)

» 2009年01月26日 10時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo “スピードセレクター”を継承した、パナソニック モバイル製のスライド端末「P-02A」

 2008年3月、三菱電機が携帯電話事業の撤退を発表。「D905i」「D705i」「D705iμ」を最後に新機種の投入を終え、市場から“D”端末がなくなった。

 ドコモの三菱電機製端末は、スライドボディと回転型十字キー「スピードセレクター」を軸にした使い勝手のよさを特徴の1つとし、根強いファンがいる。撤退の発表からそろそろ1年が経つ2009年1月現在も、街では多くの“D”ユーザーを見かけ「次は何にすればいいのか」と嘆くファンも少なくない。

 「“D”のスピードセレクター+スライド端末をお使いの人に、ぜひ後継機として使ってもらいたい」──パナソニック モバイルコミュニケーションズ製の「P-02A」がそこに名乗りを上げた。スピードセレクター採用の経緯をはじめ、そもそもどのような機種なのかをパナソニック モバイルのP-02A開発チームに聞いた。


photo パナソニック モバイルコミュニケーションズの「P-02A」開発チーム。左からプロジェクトマネージャーの山口徹也氏、商品企画担当の菅田(かんだ)誠氏、機構設計担当の大平明典氏、ソフトウェア担当の湯川順子氏(NTTデータMSE)

基本機能は「ほぼ全部入り」、P-01Aより優れた機能もある

photo カラーはサファイアピンク、パールホワイト、ダイアモンドブラック、エメラルドグリーンの4色を用意する

 P-02Aは、くるくる回転する十字キー「スピードセレクター」とディスプレイが弧を描くように開く「スイングスライド」を特徴とするスライド端末。フルワイドVGA(480×854ピクセル)の3.1インチ液晶や有効510万画素のAF(オートフォーカス)カメラ、ワンセグ、おサイフケータイ、3G+GSM国際ローミング、最大7.2Mbps通信対応のFOMAハイスピード、Bluetooth、GPSなど、PRIMEシリーズの「P-01A」と同様の“ほぼ全部入り”スペックを備え、形状や使用スタイル、コアターゲットが異なる兄弟機にあたる。

 「開発コンセプトは“継承と進化”です。受け継いだバトンに私たちのアイデアや技術を盛り込み、さらに価値の高いものを創造していく──という考えで開発しました」(商品企画担当の菅田誠氏 以下、菅田氏)

 “継承”は、もちろん三菱電機製端末でおなじみのスピードセレクターとスライドボディのこと。そして、パナソニック モバイルが自信をもって提供するワンセグやカメラ機能に加え、ドコモの新サービス対応などとももに機能そのものも“進化”させる。スライドスタイルが持つ本質的なよさを素直に取り入れつつ、先進機能も惜しみなく搭載し、その使い勝手を今後も引き継いでいく意図があるという。

 ベースモデルであるP-01Aとは、形状とスピードセレクター、スピードセレクターに関わるUI(ユーザーインタフェース)のほか、カメラやワンセグ機能に若干の違いがある。

 カメラの撮像素子は有効510万画素のCMOS。暗所でもノイズを出さずに撮影できる高感度撮影機能や顔認識AF(オートフォーカス)といった機能は同じだが、P-01Aにはないフォトライトと半押し対応のシャッターキーも備えた。

photo P-01Aと同様のハイスペックカメラ機能に、フォトライトと半押し対応のシャッターキーも新たに備えた

 「スライド端末はカメラが使いやすく親和性が高い形状なので、半押し対応のシャッターキーとともにフォトライトも備えました。高感度撮影機能があるので、暗いシーンでもフォトライトなしでもおおむね大丈夫なのですが、“これが必要”という声に応え、搭載することにしました」(菅田氏)

 ちなみにシャッターキーは、Wオープン用“魔法のフック”の跡地に収めた。

 「跡地といってもコメツブほどの空間です(笑)。でも、カメラ機能との親和性が高いスライド端末なら側面のこの位置にあるのが絶対使いやすい。設計は大変苦労しましたが、なんとか入りました」(機構設計担当の大平明典氏 以下、大平氏)

 「跡地があると聞いた時、“でかした、よくぞこのスペースを見つけてくれた”と歓喜しましたね」(菅田氏)


photo 受信性能に定評のあるP905iTVなどと同じ「合成ダイバーシティ対応チューナー」を採用。室内や移動中など、受信環境が悪い場所での視聴に強いメリットがある。オプションの卓上ホルダは可倒式のスタンドがあり、横向きで視聴しやすいよう設置できる

 ワンセグもひと味違う。アンテナを内蔵するP-01Aと異なり、P-02Aは形状の都合から外部ホイップアンテナを備えるが、その分、内部のサブアンテナとともに受信感度を上げる「合成ダイバーシティ対応チューナー」仕様になっている。これはテレビに特化したモデル「P903iTV」や「P905iTV」などに採用された技術である。

 「ワンセグケータイは普及が進み、“そろそろ2機種目”という人も増えてきています。P-02Aは同じワンセグでも、画質や感度、長時間視聴など基本性能が“前の機種とかなり違うぞ”と感じていただける自信があります。画質や受信感度を含めて、実は『iTV』シリーズの後継機種と言っても差し支えない品質に仕上げてあります」(プロジェクトマネージャーの山口徹也氏 以下、山口氏)

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