“継承”と“進化”──「P-02A」はスピードセレクターに何を求めたか開発陣に聞く「P-02A」(5/5 ページ)

» 2009年01月26日 10時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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 ところで“P”端末といえば、ボタン操作でディスプレイが開く「ワンプッシュオープンボタン」に多くのファンがいるが、かつてのスピードセレクター搭載“D”端末「D902iS」や「D903i」にもワンプッシュオープンボタンがあった。P-02Aはそれとは異なる、途中まで力を入れるとバネの力でスッと開くスライドアシスト機構を採用した。

 「折りたたみ端末は、片手で楽に開けられるワンプッシュオープンが最適です。ではスライド端末のP-02Aで最適なのは果たしてワンプッシュオープンとスライドアシストのどちらかと、確かに議論しました。“P”だけになおさら(笑)。スライド端末のワンプッシュオープンは開きやすい反面、戻す力がやや必要で、少し閉じにくい難点があります。実際の使い勝手を考え、スライドアシスト機構にしようと判断しました」(菅田氏)

 その理由は「D904i」でスライドアシスト機構に変えた三菱電機の開発チームの考えとほぼ同じ。「ワンプッシュオープンそのものではなく、ワンハンドオペレーションによる“使い勝手”が重要なのです」(山口氏)

photo スイングスライド構造により、ダイヤルキーと十字キーも自然に操作できる

 また、世のスライド端末全般がそうだとは思うが、いつもなにげに操作するスライドの“量”も使い勝手に直結する重要な項目だという。多すぎるとキーの間隔が離れてしまい、詰めすぎると段差のために[1][2][3]キーが押しにくくなる。その位置をコンマゼロ数ミリ単位で幾度も調整するとともに、ダイヤルキーの周辺を微妙なへこみ段差を設ける工夫を取り入れた。これによりダイヤルキーと十字キーの高低差がいっそう少なく、かなり自然に操作できるようになった。

 「スライド端末の中には、閉じた時と開いた時の操作スタイルをそれぞれ別に構成する考え方もあるようですが、P-02Aは開けても閉じても操作方法は変わりません。文字の入力が必要な時だけスッと開ける。必要なくなったら閉じるといったように、覚えやすく、自然に使いやすいUIになっていると思います」(菅田氏)

 「キーロックは決定キーの長押しで行えます。この機能はP-01Aにも付いていますが、スライド端末なのでロック操作したらすぐ画面も消すといった細かい調整を施しました。このほか、開いて応答、閉じて終話といったスライド操作の連動も可能ですし、もちろん閉じたまま通話もできます」(山口氏)


 P-02Aは、1点「スピードセレクターの回転でメニューが開く」機能がないのは気になる、ただ、スピードセレクターそのものの操作性はそれを補うほど秀逸である。

 「三菱電機さんはスピードセレクター搭載端末の開発に長け、細かい設定項目も多くなっていました。それをいきなりキャッチアップするのは困難で、かつ開発期間が短い中で開発量とトラブルのリスクも激増するジレンマがありました。今回、スピードセレクターはある意味“官能的”だと改めて思いましたが、さわり心地がよく、動かし心地もよいデバイスに仕上げるという点に時間と労力をかけました」(山口氏)

 「開発において順序や優先順位を付けていく中で、今回はまだ搭載していない機能もあります。これは今後の重要な検討テーマです。今後、よりいいものに育てていきたいと強く思っています。今までの“D”のよいところを素直に受け継ぎながら『使いやすさ・カメラ・ワンセグ』の3点で新しい提案をしています。“D”端末をお使いの人はぜひ、そして初めての人も便利に使っていただけると思います」(菅田氏)

 “D”端末ユーザーを虜にしたスライド+スピードセレクター。待望だったと思う人、“D”ユーザーではなかったがこのスタイルや使い勝手がよさそうと思う人、“D”端末の再来というにはまだ足りないと思う人、それぞれとは思う。ただ、このスピードセレクターとともに、“DのDNA”がまだ生き続けているのは確かであるようだ。


サファイヤピンクだけ“特別”なアレ

photo ダイヤモンドカットが施されたサファイヤピンクの決定キー

 P-02Aは回転十字キーのスピードセレクターが特徴。スピードセレクターの中央に決定キーがあり、回転に合わせて決定キーが光るイルミ機能を内蔵する。

 この決定キー、ほかの色は通常の球形状だが、サファイヤピンクのみダイヤモンドカットが施された“特別仕様”になっている。この色だけ部品が違うとなると、その分コストがかさむことだろうが、価格はほかの色と同じだ。

 「ところでこれ、ホンモノのダイヤだといくらになるんでしょうかね。実際にダイヤが入っている機種があることですし」

 「……何カラットになるんでしょう。コストと納期が無尽蔵なら、作ってみたいですね(笑)。みなさん、買っていただけますか?」




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