キャリアショップで「おサイフケータイ」お引っ越し(1/3 ページ)

» 2009年03月06日 22時56分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
photo ドコモショップにあるデータ移行端末「DOCOPY」。ドコモショップ丸の内店には4台設置されていた

 ケータイを機種変更するときに少し面倒なのが、旧端末からの「データの移行」である。

 最近は自分のPCで行える「ドコモケータイdatalinkソフト」(無料 別途USB通信ケーブルが必要)や自動でバックアップする「電話帳お預かりサービス」(105円/月)を利用する、あるいは外部メモリに保存してあるデータであればmicroSDをそのまま新しい機種に差し替えるだけで済むこともあるが、内蔵メモリに保存するメールやアドレス帳といったデータの移行はやはりひと手間が必要になる。

 また、2009年春モデルに機種変更する人は“2台目以降のおサイフケータイ”となる人も多そう。おサイフケータイ用ICデータ(各種おサイフケータイアプリに用いる会員・登録情報などを保存してあるデータ)の移行はさらに面倒なのである。

 ただし、キャリアショップに設置されるデータ移行端末を使うと、それほど手間がかからないよう環境が整備されてきている。今回は一例として、ドコモの「P905i」から「P-01A」へ機種変更した場合の「おサイフケータイ引っ越し」を実践してみよう。

「DOCOPY(ドコピー)」を利用する

 街のドコモショップには「DOCOPY(ドコピー)」というデータ移行端末が設置されている。

 DOCOPY端末は店内に設置(今回実施したドコモショップ 丸の内店は4台と多めに設置)され、タッチ操作の対話型メニューでアドレス帳やメール、ブックマーク、スケジュール、写真・動画データといった基本データから、移行する機種によってはデコメアニメのテンプレートやメロディ、現在地通知先、トルカデータ、そしておサイフケータイ用のICカード内データ(以下、ICデータ)を移行できるもの。移動元(旧端末)はムーバを含むドコモ端末はもちろん、他社の携帯やCD-Rなどの外部メディアも指定できる(機種により、おサイフケータイのICデータやキャリア個別の機能に関するデータは対応しないことはある)。利用料は無料だ。

photophoto 対話式メニューで容易に操作できる。作業時は鍵付きのボックスに入れておけるので、少し目を離しても安心

 おサイフケータイの引っ越し作業は、DOCOPY端末の機能メニューから「ICカード内データの移行」を選ぶ。その前に、いくつか確認と準備をしておこう。

iCお引っこしサービス対応のケータイか

 ICデータの移行は、移行元と移行先ともに903iシリーズ以降のおサイフケータイ(Favor 2.0以降)対応ドコモ端末(対応機種の詳細はこちらを参照)である必要がある。このほか、新旧双方の端末暗証番号とネットワーク暗証番号の確認、双方のバッテリー残量が十分かをチェックし、ICカードロックやPINロック、操作ロックといった各種セキュリティロックの解除も行っておく(バッテリー残量については、DOCOPY接続時に充電しながら作業できる場合もある)。

 おサイフケータイアプリとICデータは、例えばPCとOS、あるいはシャープペンシルと芯の関係ようなもので、利用には両方が一対で必要だが、一応別物と考えると理解しやすい。このうち、DOCOPYで一括移行できるのはICデータである。

旧機種のICデータが新機種にそのまま上書きされる

 iCお引っこしサービスは、新機種のICデータを初期化し、旧機種のICデータをそのまま新機種へ上書きする仕組みで行われる。このため、ICデータ移行前の新機種ではとりあえずおサイフケータイ関連アプリを使用しない方がいい。移行先の新機種にすでにICデータがあると、これらおサイフケータイアプリを削除するとともに「ICオーナー変更」(N906iL、N706iII、P706iμ、SH706ieを除く906i、706iシリーズ以降の機種の場合)の設定などを行う必要が生じ、ICデータの移行がスムーズに進まないことがある。

iCお引っこしサービスで移行できないサービスもある

photo 「モバイルSuica」はiCお引っこしサービスが使えない。事前にモバイルSuicaアプリで「携帯電話の機種変更」を行い、アプリも消去しておく

 iCお引っこしサービスが使えない主なおサイフケータイサービスの1つに「モバイルSuica」(JR東日本)がある。モバイルSuicaユーザーは機種変更前に登録情報(SF電子マネー残高なども含む)をモバイルSuicaのサービスサーバに預け、モバイルSuicaアプリを移行元の端末から削除しておく(移行方法の詳細参照)事前準備が必要だ。

 DOCOPYで移行できないICデータはモバイルSuicaのほかに、Cmodeコカ・コーラアプリ(日本コカ・コーラ 移行方法を参照)、Edyで福引(ソニーマーケティング)などがある。ICデータの移行が必要なく、新機種でログインするとそのまま移行できるサービスもあるが、バックアップや会員ログイン情報を控えておくといった準備は必要。iCお引っこしサービスを利用すると、移行元の“移行できない”ICデータは消去されるので注意したい。

 なお、DCMXクレジットアプリやiD設定アプリ、Edy、SmartPlus、nanacoモバイル、QUICPay(設定アプリなど)、Visa Touch、ヨドバシポイントカード、ANAモバイルAMCアプリ、JAL ICポケットアプリといった多くのサービスのICデータは、DOCOPYでまとめて移行できる。本当はドコモのiCお引っ越しサービス紹介サイトなどに移行できるか否かの情報をあらかじめ記載してくれるとより親切と思うが、残念ながら用意はない。移行できるかICデータか否かは、DOCOPY端末上で判別できる。

 というわけで、「移行先の新機種は、“おサイフケータイ関連アプリのICデータなし”(購入時状態)に」「移行元の旧機種は、モバイルSuica(など移行不可のサービス)のデータを預けるなどの対処をし、アプリそのものも端末から削除しておく」「ICカードロックやPINロックなどのセキュリティロックは一時的に解除する」といった状態にしておこう。

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