写真で解説する「941SC」

» 2010年06月16日 08時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]

 Samsung電子はこれまでフルタッチケータイを「OMNIA」シリーズとしてソフトバンクモバイル向けに投入してきた。2010年夏モデルの「941SC」は、シリーズ名こそ外されてしまったが、「OMNIA」シリーズの血統を受け継いだダイヤルキーのないストレート型フルタッチケータイだ。

 941SCは、型番だけ聞くと2009年冬モデルである「OMINIA VISION 940SC」に少し手を入れた後継機種と考えがちだが、新モデルは幅、高さ、厚さの全てが小さく、つまり全体が小型・スリム化された完全な新設計だ。重量に至っては、143グラムから一気に110グラムに軽量化されている。ディスプレイサイズは0.2インチほど小さい約3.3インチとなっているが、筐体前面の大部分をディスプレイが占有する大画面ケータイであることに変わりはない。

 従来機940SCでは、おサイフケータイやGPSに対応して国内メーカー製端末とほぼ同様の機能を実現していたが、新モデルでは唯一の取り残しとも言えた「ケータイWi-Fi」に対応する事で、ハイエンドな900番台シリーズとしての機能不足感が解消された。

photophoto カラーは左からピンク、タンザナイトブラック、ホワイトの3色。ディスプレイ面はベゼルと筐体下部の操作部が黒で統一されている。写真では分かりにくいが、それぞれのカラーごとに異なったデザインパターンがあしらわれている
photo ディスプレイの下にある操作部には、左右に発話/終話キー、中央に大きなクリアキーを備える。940SCに比べてボディの幅が小さく、ディスプレイの占める面積も若干小さくなり、スライドケータイのようにも見える
photophotophoto ボディ右側面には操作ロックキー、マナーモードキー、シーソー式の上下キー、シャッターキーを備える。フルタッチケータイでありながら、マナーモードなどの機能には物理キーを用意して、音声端末としての使いやすさに配慮している点はまさに「OMNIA」シリーズの伝統だ。左側面にはmicroSDスロットと赤外線ポート、底面にはUSB/充電コネクタ(カバー付き)を備える。ストラップホールは右下端だ。両側面は完全にフラットではなく、上方は底面側、下方はディスプレイ面に向かって絞り込まれたようなデザインになっている
photophoto iPhoneと比較すると幅の狭さが分かる。片手でのタッチ操作はiPhoneよりもやりやすい(写真=左)。折りたたみ式の簡易スタンドは940SCから継承され、卓上でのワンセグ視聴に便利な「シアタースタイル」が利用できる(写真=右)

 ディスプレイには940SCと同様に有機ELを採用。10万:1と従来よりも高コントラストになった有機ELパネル「AMOLED Plus」を搭載している。視野角は180度だ。

photo 水平に近い位置からの撮影。写真だと伝わりにくいが、手前から奥までほとんどコントラストが変わらず、発色も正面から見た場合とほとんど変わらない印象を受けた

 使い勝手という点で大きく変化したのは、タッチパネルが感圧式から静電式へ変更されたことだ。このため軽い力でタッチ操作が可能となり、アイコン選択などの日常的な操作がぐっと楽になった。940SCで採用したタッチ操作向けのメニューデザインに大きな変更はないが、よりスムースに指で操作できるようになっている。説明員に確認したところ、静電式で利用できるスタイラスペンの同梱も検討したそうだが、指で問題なく操作できるため同梱は見送る予定とのことだ。

photophotophotophoto トップメニューはタッチ操作に適したアイコンタイプ。階層下のメニューも、タッチ操作がしやすいように項目が配置されている

 ダイヤルキーがない分、本機は縦位置での利用にこだわる必要がなく、横位置に最適化された画面も利用できる。例えばカメラでは縦横でアイコンの順番を変更するなど、細かな配慮が見受けられる。

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photophoto カメラの画面では、単に文字を90度回転させるのではなく、アイコンの並び順を変更。撮影サイズの選択や他の機能選択でも同様の動きを見せる
photophoto 「Yahoo! ケータイ」の画面。縦位置では、片手の親指だけ操作しやすいように画面下に操作ボタンを配置し、横位置では両手で操作しやすいように左右の端にボタンを配置している

 大画面・フルタッチという特徴を生かした「OMNIA」シリーズの伝統機能「お絵かきメール」も、もちろん健在だ。感圧式タッチパネルとスタイラスペンの組み合わせに比べれば、静電式タッチパネルがお絵かきに向かないことは事実だが、文字の書き込み程度であれば問題なく利用できた。

photophoto 発表会場を撮影し、指で文字を書く。この程度の使い方であればスタイラスペンがなくても問題ない。できあがったお絵かきデータ(Flash)は、メールに添付する以外にもさまざまな方法で送信できる

手書き文字にアニメーション効果を加え、星のスタンプを動かしている。星のスタンプの軌道は固定されたパターンではなく、画面を指でなぞることで自由に軌道を指定できる。やってみるとかなり楽しい


photophotophoto 動く絵文字も作成可能だ。画面を拡大表示して作業できるので、指先だけでドット単位の操作を問題なく行える。作成した1コマをコピーして次のコマのベースとし、動きやエフェクトを加えられる

 ソフトバンク夏モデルの共通機能となっているTwitter対応も、もちろん果たしている。有名なTwitterユーザーをジャンル別に紹介してくれる「Twinavi」に簡単にアクセスできるウィジェットと、Twitterクライアントを装備している。

photophoto Twitterクライアントはフリック操作でスクロールできなかったのが残念。販売開始まではまだ間があるので、タッチ操作への最適化にも期待したい

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