Samsung電子はこれまでフルタッチケータイを「OMNIA」シリーズとしてソフトバンクモバイル向けに投入してきた。2010年夏モデルの「941SC」は、シリーズ名こそ外されてしまったが、「OMNIA」シリーズの血統を受け継いだダイヤルキーのないストレート型フルタッチケータイだ。
941SCは、型番だけ聞くと2009年冬モデルである「OMINIA VISION 940SC」に少し手を入れた後継機種と考えがちだが、新モデルは幅、高さ、厚さの全てが小さく、つまり全体が小型・スリム化された完全な新設計だ。重量に至っては、143グラムから一気に110グラムに軽量化されている。ディスプレイサイズは0.2インチほど小さい約3.3インチとなっているが、筐体前面の大部分をディスプレイが占有する大画面ケータイであることに変わりはない。
従来機940SCでは、おサイフケータイやGPSに対応して国内メーカー製端末とほぼ同様の機能を実現していたが、新モデルでは唯一の取り残しとも言えた「ケータイWi-Fi」に対応する事で、ハイエンドな900番台シリーズとしての機能不足感が解消された。

カラーは左からピンク、タンザナイトブラック、ホワイトの3色。ディスプレイ面はベゼルと筐体下部の操作部が黒で統一されている。写真では分かりにくいが、それぞれのカラーごとに異なったデザインパターンがあしらわれている
ディスプレイの下にある操作部には、左右に発話/終話キー、中央に大きなクリアキーを備える。940SCに比べてボディの幅が小さく、ディスプレイの占める面積も若干小さくなり、スライドケータイのようにも見える

ボディ右側面には操作ロックキー、マナーモードキー、シーソー式の上下キー、シャッターキーを備える。フルタッチケータイでありながら、マナーモードなどの機能には物理キーを用意して、音声端末としての使いやすさに配慮している点はまさに「OMNIA」シリーズの伝統だ。左側面にはmicroSDスロットと赤外線ポート、底面にはUSB/充電コネクタ(カバー付き)を備える。ストラップホールは右下端だ。両側面は完全にフラットではなく、上方は底面側、下方はディスプレイ面に向かって絞り込まれたようなデザインになっている
iPhoneと比較すると幅の狭さが分かる。片手でのタッチ操作はiPhoneよりもやりやすい(写真=左)。折りたたみ式の簡易スタンドは940SCから継承され、卓上でのワンセグ視聴に便利な「シアタースタイル」が利用できる(写真=右)ディスプレイには940SCと同様に有機ELを採用。10万:1と従来よりも高コントラストになった有機ELパネル「AMOLED Plus」を搭載している。視野角は180度だ。
使い勝手という点で大きく変化したのは、タッチパネルが感圧式から静電式へ変更されたことだ。このため軽い力でタッチ操作が可能となり、アイコン選択などの日常的な操作がぐっと楽になった。940SCで採用したタッチ操作向けのメニューデザインに大きな変更はないが、よりスムースに指で操作できるようになっている。説明員に確認したところ、静電式で利用できるスタイラスペンの同梱も検討したそうだが、指で問題なく操作できるため同梱は見送る予定とのことだ。
ダイヤルキーがない分、本機は縦位置での利用にこだわる必要がなく、横位置に最適化された画面も利用できる。例えばカメラでは縦横でアイコンの順番を変更するなど、細かな配慮が見受けられる。
大画面・フルタッチという特徴を生かした「OMNIA」シリーズの伝統機能「お絵かきメール」も、もちろん健在だ。感圧式タッチパネルとスタイラスペンの組み合わせに比べれば、静電式タッチパネルがお絵かきに向かないことは事実だが、文字の書き込み程度であれば問題なく利用できた。
| 手書き文字にアニメーション効果を加え、星のスタンプを動かしている。星のスタンプの軌道は固定されたパターンではなく、画面を指でなぞることで自由に軌道を指定できる。やってみるとかなり楽しい |
ソフトバンク夏モデルの共通機能となっているTwitter対応も、もちろん果たしている。有名なTwitterユーザーをジャンル別に紹介してくれる「Twinavi」に簡単にアクセスできるウィジェットと、Twitterクライアントを装備している。
進化した有機ELでさらに鮮やか――無線LAN対応のタッチケータイ「941SC」
全機種Twitter対応、13Mカメラ、ガンプラケータイも――ソフトバンクモバイル 2010年夏モデル発表
「OMNIA VISION 940SC」の“ここ”が知りたい:第1回 「931SC」から何が変わった?――「OMNIA VISION 940SC」
3.5インチ有機EL搭載、スタンドを備えたタッチケータイ――「OMNIA VISION 940SC」Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.