クイックログインに“穴”、ヤマト運輸の携帯Webサイトに脆弱性

» 2010年10月25日 13時31分 公開
[宮田健,ITmedia]

 ヤマト運輸は10月25日、同社が提供している会員制サービス「クロネコメンバーズのWebサービス」の携帯電話版で、特定のスマートフォンから特定のアプリケーションを利用し、「クイックログイン機能」を使った場合に、本人と別のユーザーのページにログインができてしまう問題があったと発表した。現在は、クイックログイン機能を修正し、パスワードの入力が必須となっている。

 同サービスは、荷物の集荷依頼や再配達依頼などがWeb経由で可能にするもの。同社が調査したところ、1人のユーザーのページに、別の2人がログインしており、メールアドレスや住所、電話番号などを閲覧できる状態になっていた。該当のユーザーには個別に対応しているという。

 問題となったのは、ログインID/パスワードを入力せずに認証を行う「クイックログイン機能」(かんたんログインと表記するサイトもある)。多くの携帯電話向けサイトで実装されているこの機能は、携帯電話端末が持つ「契約者固有ID」を利用している。Webサイトにアクセスする際に、このIDをWebサーバに送信するので、携帯電話向けサイトではこのIDをもとにユーザーを認証できる。契約者固有IDは携帯電話ごとに固定されているため、通常、携帯端末上では変更できない。

 PCなどから携帯向けWebサイトにアクセスする場合、通信のヘッダを書き換えることで任意のIDを送信できる。クイックログイン機能を提供するには、携帯電話端末からのアクセスを前提とし、携帯キャリアのIPアドレス範囲に限定するなどの防御が必要だが、これだけではなりすましを完全に排除できないとされている。

 問題を報告したユーザーのブログによると、アクセスを行ったのはiPhoneアプリの「SBrowser」。このアプリはiPhone上で携帯電話ブラウザのエミュレートを行うもので、ランダムな契約者固有IDを送信できるほか、通信を行う際にヘッダを設定できる。このような設定はPCからアクセスする場合も同様の処理が行えるため、iPhone、およびSBrowserの問題というより、Webサイト自体の問題であるといえる。

 契約者固有IDは、1つの端末からすべてのサイトに対して同一の値が送出されるため、プライバシー上の問題とセキュリティ上の問題がある。クイックログインは実装方法や運用方法によってはセキュリティ上の問題があるとされ、専門家からは懸念の声が上がっていた。この件についてヤマト運輸では、引き続きシステム的な対応を行うとしている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月21日 更新
  1. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
  2. なぜ「060」携帯番号は18カ月あっても延期になったのか? それでも「慌てる必要はない」現状 (2026年07月20日)
  3. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  4. 「Pixel 11」は何が変わる? メモリ減少で100ドル前後の値上げも? 出そろったうわさを整理する (2026年07月19日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. 携帯番号に「060」が採用されるワケ 「電話番号とは何か」を歴史とともに振り返る (2024年10月09日)
  7. ショップとAIで差別化を図る「ドコモの銀行」――住信SBIネット銀行ユーザーからは戸惑いも (2026年07月19日)
  8. ミドルハイレンジモデルにも水冷搭載 nubiaから「Neo 5 GT Special Edition」登場 (2026年07月19日)
  9. 最大13日間バッテリー持続、丸型デザインの「CMF Watch 3 Pro」がAmazonで販売中 1万3800円 (2026年07月18日)
  10. “特典終了”が続く「d払い」「dポイント」のお得さはどう変わるのか これからは「dカード」の利用が得策? (2026年07月17日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー