“ちっこいのが好き”な人のためのPocket WiFi搭載スマホ──「Sony Ericsson mini」検証モバイルPCユーザーのセカンド機器に(1/3 ページ)

» 2011年12月22日 17時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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このサイズがうれしいのですよ 「Sony Ericsson mini」

photo イー・モバイル「Sony Ericsson mini(S51SE)」

 イー・アクセス(イー・モバイルブランド、以下同)の国内最軽量(2011年10月12日時点)Androidスマートフォン「Sony Ericsson mini(S51SE)」がかなり気になっている。手のひらにすっぽり収まる小型サイズ、そしてパフォーマンス面の妥協もほぼなく、同社の製品らしく追加料金なしにテザリングをサポートする点、そしてSIMロックフリーである点が魅力だ。

 S51SEの型番を持つSony Ericsson miniは、イー・モバイルのスマートフォンカテゴリに入るモデルである。製造元はNTTドコモやauにもスマートフォン「Xperia」シリーズを供給するソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズで、海外で2011年夏に発売された「Xperia mini(ST15i)」がベースになっている。ハードウェアとして、イー・モバイルの国内3Gネットワークに対応するためにHSDPA(3G)が1.7GHz帯を含む1.7G/2GHz対応である以外は、よくも悪くもほぼ同じである。

 イー・モバイルは、「Pocket WiFi S(S31HW)」など一部の小型スマートフォンを“通話やメールの送受信なども可能”とする多機能型Pocket WiFiと位置付けて展開しているが、同等の小型サイズながら、本機はあくまでスマートフォンとしてラインアップされる。実際、画面サイズは3型で解像度も320×480ドットとサイズに見合った仕様だが、プロセッサや内蔵メモリなどはXperia Arc/Acroと同等で、OSもAndroid 2.3を採用する。つまり、画面サイズの大きい上位モデルのパフォーマンスと機能はそのままに、サイズだけギュッと凝縮した最新スマートフォンというわけだ。


photo サイズ感を比較。左からWiMAXルータのAtermWM3500R、ウォークマンXシリーズ(NW-X1050)、Sony Ericsson mini(本機)、Xperia mini pro(日本未発売)、3Gルータのb-mobile WiFi
photo 手のひらにすっぽり収まる。最近のスマホは“でかすぎる”と思う層にぴったりなサイズ感だ

 画面サイズは3型で解像度は320×480ドット。ボディはクレジットカード類とほぼ同面積の52(幅)×88(高さ)ミリだ。厚さは16ミリと最新スマートフォンとして決して薄くはない値だが、何より本当に手のひらにすっぽり収まるこのサイズ感を実現したのが喜ばしい。

 プロセッサは1GHz動作の第2世代SnapDragon(MSM8255)を採用する。ARM v7アーキテクチャのため、Flashも当然動作する。内蔵ストレージは320Mバイト、実行用メモリは512Mバイトで、最大32GバイトまでのSDHC対応SDメモリーカード(microSD)をサポートする。

 通信機能は1.7GHz帯と2GHz帯のW-CDMA(3G)をサポートし、下り最大7.2Mbps/上り最大5.4Mbpsに対応する。海外ではGSM(850M/900MHz、1.7G/1.9GHz)も利用可能。SIMロックフリー機のため、海外現地のSIMカードを入手して海外渡航時に活用することもできる。

 このほか、IEEE802.11b/g/n(ただし11nは最大72Mbps)準拠の無線LAN、Bluetooth V2.1+EDR、GPS(A-GPSサポート)などの機能も内蔵する。背面に約500万画素のCMOSカメラを備え、最大2592×1944ドットの静止画と最大1280×720ドットの動画を撮影できる。


photophoto カメラは特にアピールしている機能ではないが、写りは悪くない。夜間の屋内照明だけでもノイズが大きく増すことはないし、日中屋外での解像感も十分にある

 バッテリーは着脱可能で、3.7ボルト/1200mAhとボディサイズを考慮すれば十分な容量だろう。静止状態での連続通話時間は約270分、連続待受時間320時間はAndroidスマートフォンとして平均的だ。テザリング有効の動作時間は約4時間だが、同社の無線LANルータ「Pocket WiFi GP02」が同約4時間30分なので大きく見劣りはしない印象だ。

 カラーはブラックとホワイトの2色、別途ダークピンクとダークブルーのバッテリーカバーが付属し、好みに応じて着せ替えできる。ストラップホールもきちんと備えており、ネックストラップと組み合わせた利用も行える。

photophotophoto ダークピンクとダークブルーのバッテリー(背面)カバーも付属する。ストラップホールは下部にある。バッテリーカバー内にあるので装着も楽だ

コンパクト+独自UIで、片手での快適操作を実現

  本機は、最大の特徴である“手のひらにすっぽりサイズ”を生かすユーザーインタフェース(UI)に工夫してある。現在スマートフォンで主流の静電容量方式タッチパネルは、指で手軽に操作できる半面、(ペン+感圧式のそれと比べると)精度は高くないため、画面サイズとともに相対的に小さくなるアイコンの選択などタッチでの誤操作が起こりやすくなる。

photophotophoto 親指1本で操作しやすいよう工夫したUIを採用。用頻度の高い機能のアイコンを画面の四隅に置き、中央にウィジェットを中心に配置できるようになっている
photo 4隅の部分に複数のアイコンを配置した場合、このようにドラッグすることで拡大表示してアイコンをタップできる。非常に機能的なUIだ

 そこで本機が採用したのが、画面の四隅にアイコンを並べ、アプリの選択からメールやWebサイト表示、文字の入力まで、あらゆる操作を親指1本で行えるようにしたUI「Sony Ericsson Timescape」だ。よく使うものはホーム画面の四隅メニューへ、かつ1か所に複数のアプリアイコンを配置した場合でも、置き場所を引き出して拡大表示することでそれを違和感なく選択できるようにしている。

 このUIは、本機の国内未発売のXperia X10 miniでも採用されたもの。小さいホーム画面でもウィジェットの配置場所を確保しつつ、片手での操作も容易に──これは画面の隅にも苦労なく指が届く小型ボディの本機だからそこ意味のあるUIだ。同じUIを4型を超える大型画面のスマートフォンで採用しても、隅に指が届かないのでメリットはあまり得られないだろう。


photophotophoto 標準の音楽プレーヤーも画面上部の両隅に統一して機能が配置されている。一方、再生操作ボタンはアルバムアートワークと融合する形で大きく配置され、小さな画面でも快適な操作性を実現する(画面=左)。アプリ一覧画面は、4列×3行の12個が並ぶ。アイコンを無理につめ込まず、間隔を十分に取ることで誤操作を防ぐ意図だろう(画面=中央)。ダイヤル画面は普通だが、数字キーは画面の横幅いっぱいまで確保している。3型だと、このくらいで無理なく番号入力できる(画面=右)

 このほか「LiveWareマネージャー」機能も便利だ。例えば、イヤフォン接続で一緒に音楽プレーヤー起動、充電ケーブル接続で同じく画像スライドショー再生など、ヘッドセット/イヤフォン/充電ケーブル、それぞれが接続されたら自動的に何をするか(何を起動するか)──のアクションを設定できる。こちらは、ディスプレイサイズの大小に関わらず非常に便利に使える機能だ。


photophoto アクセサリの接続に対してアクションを設定できる。イヤフォンを接続すると一緒に音楽プレーヤーが起動するというような設定が可能だ
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