ともあれ、データ通信専用のプリペイドSIMカードや、USBモデムとSIMカードのセットも、もちろんだが販売されている。ただ、どんなものがあるかを確認しようと事業者のWebサイトを見てもやはりフランス語オンリーだ。データ通信関連は「3G」「Tablet」という文字列からのリンクあたりに情報がある。
中でも比較的分かりやすいところに情報があったBouyguesのサイトには、USBモデムのパッケージ写真に29ユーロという料金、そして「4 jours de surf offerts」と書かれた商品が記載されていた。フランス語のjoursは「日」の意味だから、これは「4日間の定額制」ということだろう。翻訳サイトでも念のため確認したが、確かに「4 days of surfing offered」となる。つまり短期滞在中にこれを入手すれば、ノートPCでのインターネット環境は大丈夫そうだ。
ということで、パリ市内のBouyguesの店舗へ行ってみた。しかも店員に見せながら意思疎通を図るためのWebサイトのキャプチャー画面をあらかじめ保存しておきつつ、リスクを冒しつつ身分証明書となるパスポートも持ってきたという念の入れよう。あとは支払いが現金なのか、クレジットカードも使えるかを心配すればいいだろうと思っていた。
ところが店員から返ってきた答えは「ノン。フランスの銀行口座がないと販売できない」とのこと。つまり、これはフランス在住者向けの商品であった。そういえば以前、パリで携帯関連製品を買おうとしたことのある知人が「銀行口座が必要だった」と話をしたのを思い出したが、2012年現在も、プリペイド製品であってもこういう話は珍しいことではないようだ。
失意のままに市内を歩いていると、今度はIT系大型量販店「Fnac」の店舗があった。こういう店ならば携帯電話も売っているだろうから、USBモデムやプリペイドSIMカードもあるだろう。
あるにはあったが……、価格がかなり高い。
多数の在庫があったのは、OrangeのUSBモデムとプリペイドSIMカードのセットで59ユーロ(日本円換算で約6550円 2012円3月現在、以下同)。さらに何Mバイトまで利用できるかの最大データ量などがはっきり分からかった。
OrangeのWebサイトで見た39ユーロのパッケージは100Mバイトまで利用可能とのことなので、この59ユーロのものは1Gバイト程度の利用が可能なのだろうか。いずれにせよ日本円換算で6000円ほどとなると短期滞在者としてはやや割高に感じる。
一方、残念ながらここでは売り切れていたが、39ユーロのSFRのモデムセットもあるようだ。
というわけで、狙うはSFRだ。Googleマップで「SFR」を検索したところ、“どメジャー”なスポットである凱旋門、そこから連なるシャンゼリゼ通りにキャリア店舗がある。
こちらは著名な観光スポットのためか、店頭スタッフもいくらか英語が通じるのが思いのほかありがたい。
店員が出してきたUSBモデム+SIMカードのセットは39.99ユーロ(4440円前後)で、これで「2日間+ボーナス1日」の合計3日間データ通信を定額で利用できるという。
プリペイドSIMカード単体は10ユーロ……とのこと。ただ「確か10だよな、ういういのんのんおういえい」などと不安そうに店員同士で確認しあっていたので、実は定かではないのだが。ともあれ、SFRのWebサイトでも追加料金が6ユーロ/24時間、9ユーロ/48時間とあったので、やはり10ユーロ前後だろうと思われる。SIMロックフリーのUSBモデムやスマートフォンを持っているなら、プリペイドSIMカード単体を購入してもいいだろう。
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