さてさて、やはりLTEは高速で、とても快適だ。
速度はコンスタントに下り15Mbps以上、上りも5Mbps以上は出る。今回使ったサンフランシスコにおいては、いくつか行った建物の奥まった場所でも速度低下がほぼ起こらず、滞在ホテルの部屋でも実用的に利用できるレベルだった。なお、VerizonのLTEサービスエリアは2012年5月現在、他事業者よりも広く、市街地はかなりの範囲がカバーされているようだ。アメリカ渡航時の高速+快適な通信環境を望むなら、現時点でイチオシの製品と思う。
だが、落とし穴が待っていた。
今回は通信量3Gバイトまでとなる60ドル利用権を初回に購入した。3Gのそれと違い、高速・大容量なLTEネットワークを利用するとなると、大容量ファイルの通信もストレスなく行える。
それだけに、利用可能な通信量を意外に早く使い切ってしまいがち。残量のチェックは逐次行いたいわけだ。こちら、例えばプリペイドスマートフォンなら指定番号へのSMS送信などの方法で、わりと手軽に確認できるが、ルータでの運用だと少し面倒。残量チェックはVerizonサイトで自分のアカウントを入力して参照することになる。
Verizon Wirelessサイトでのユーザー登録は、購入時に店員さんから聞いたプリペイドSIMカードの電話番号10ケタを入力してほぼ完了……となるはず。ところが次の画面で「!」マークとともに「We're sorry, but at this time you cannot register your account for My Verizon. Please access your account information on your device」と表示され、ユーザー登録ができないのだ。エラーメッセージは「無理。端末から残高を参照しろ」と言っているが、これはまさしくスマートフォンやタブレット利用者向けの案内だ。ルータ単体では確認できないのである。
というわけでVerizonの店員さんがあれこれ調べてくれて数分、「プリペイドルータのユーザー登録は、現在できない」とのことであった。こちらは2012年5月現在のことで、販売がはじまって間もないのでシステム側の対応が間に合っていなかっただけなのかもしれないが……ユーザー登録ができなければオンラインで利用実績を確認できないし、オンラインでの料金追加もできない。これには注意したい。
まぁ、Verizonの店舗で都度電話番号を伝えれば追加作業はやってくれるが、夜遅く、街のドラッグストアなどで売っているプリペイド料金カードを買って自分で適当に作業──ができないのはやはり不便だ。10Gバイトまでと通信量に余裕のある90USドルのプランを選ぶ手段もあるが、こちらはおそらく数日の滞在であれば割高と思う。何にせよ、早急に改善してほしいものだ。
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