ついに電子書籍にも月額定額制の波――KDDI「ブックパス」月額590円

» 2012年10月17日 16時00分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 KDDI、沖縄セルラーは10月17日、月額590円で電子書籍が読み放題となるauスマートフォン向け電子書籍サービス「ブックパス」を発表した。12月上旬からauスマートパス会員に先行提供が開始され、正式サービスは2013年4月からを予定する。2013年3月末までは無料で利用できる。

 auスマートパスを皮切りに、ビデオパス、うたパスと定額制のサービスを展開してきたKDDI。10月17日の2012年秋冬モデル発表に合わせて、電子書籍についても月額定額制サービスを発表した。auのAndroid搭載スマートフォン、4G LTEタブレット向けのサービスとなり、iOS向けのサービス提供は未定。

ブックパスアプリのホーム画面と書籍閲覧画面

 ブックパスで読み放題となる対象作品は約3000点でのスタートを想定。コミックや小説、ライトノベル、実用書など取り扱うジャンルは広く、PHP研究所や少年画報社、扶桑社、祥伝社、手塚プロダクションの作品が確認できた。そのほかの出版社の作品も契約次第では並ぶことになるとみられる。なお、出版社への利益配分は、作品を端末にダウンロードし、実際に開いた時点で読んだと見なし、それに基づいて計算するという。

LISMO Book Storeは統合――購入履歴は引継ぎ

 なお、ブックパスの提供に合わせ、これまでKDDIが提供してきた電子書籍ストア「LISMO Book Store」はこれに統合される。

 具体的には、ブックパスは定額読み放題のサービスと、LISMO Book Storeの流れを汲む購入型のサービスの2本立てで構成される(後者は『アラカルト購入』と呼ばれる)。LISMO Book Storeで購入済みの作品については、ブックパスアプリに自動で移行され、引き続き読むことができる(ただしこれに月額料金が掛かるのかは不明)。デモアプリでは確認できなかったが、本棚上でアラカルト購入したものとそうでないものは視覚的に分かるようにするという。アプリ内から直接ストアへの導線が設けられていることを考えると、iOS版の登場を期待するのは難しいだろう。

 ブックパスアプリのビューワは.book、XMDF、OMF、BS Readerに対応。これは基本的にLISMO Book Storeで提供されていたアプリの延長線上にあると考えてよい。EPUBのサポートは現時点でうたわれていないが、ビューワのコンポーネントがアップデートされれば対応は難しくないとみられる(EPUBベースのOMFに対応していることからもそれはうかがえる)。


 2年前の2010年11月、ソニーが電子書籍リーダー「Reader」の国内投入を発表したとき、電子書籍を音楽、映画、ゲームに続く第4の領域だとしたことをご記憶の方もいるかもしれない。そうした領域のうち、なかなか定額制の波がやってこなかった電子書籍だが、ついに今回、KDDIがスマートパスポート構想の一環として電子書籍の定額制を始めたことは大きなインパクトだ。読み放題のラインアップが少ないという見方もできるが、むしろこなれた料金で読み放題を実現したことは、電子書籍の市場にも大きな変化をもたらすかもしれない。

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