安くなっただけじゃない? 第5世代「iPad」のバッテリー駆動時間を測定して驚いた(1/2 ページ)

» 2017年04月29日 06時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

 2017年3月にAppleから登場した9.7型の「iPad」は、“無印”iPadシリーズの久々の新モデルであり、3万7800円(税別)から購入できるリーズナブルな価格設定が特徴だ。

 機能的には突出したものはなく、厚さ、重量も初代の「iPad Air」並に先祖返りしているが、古いモデルを今なお使い続けているユーザーや、価格がネックでこれまでiPadに手が出なかったユーザーにとっては、注目の一品といえる。

iPad 第5世代となった「iPad」。外見はこれまでのiPadと変わらないが、同じ画面サイズの上位モデル「iPad Pro」と比べると厚みがやや増している

 この新型iPad(以下、第5世代iPad)、同じ9.7型のRetinaディスプレイを搭載した上位モデル「iPad Pro(9.7)」と比べてほぼ唯一、スペック的に上回っているのが、バッテリーの容量だ。iPad Pro(9.7)が27.5ワットアワーであるのに対し、この第5世代iPadは32.4ワットアワーと、約18%増加している。

 本体の厚さが同じ初代iPad Air(2013年発売)はバッテリー容量が本製品と同じ32.4ワットアワーだったので、ボディーが先祖返りしたことで、バッテリーの容量も元に戻った、と見ることができる。

 もっとも、バッテリー容量が増えているにもかかわらず、仕様ページの「電源とバッテリー」に書かれた連続使用可能時間には、「Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生:最大10時間」と、iPad Pro(9.7)と全く同じ値が並んでいる。本製品が余分にバッテリーを食う要因があればもちろん別だが、少々考えにくいだけに、全く同じ値であることには違和感が残る。

iPad Pro(9.7) spec iPad Pro(9.7)の仕様。連続使用可能時間は「最大10時間」
iPad spec 第5世代iPadはiPad Pro(9.7)よりバッテリー容量が約18%多いが……あれっ、こっちも最大10時間? 何かおかしくない?

 それならば、ということで実際に試してみることにした。具体的な方法としては、Wi-Fi経由でストリーミング動画を連続再生し、バッテリーが切れるまでの時間を測定するというものだ。Appleの測定環境は主にWebブラウジングを中心に、その合間に動画や音楽を再生することを想定していると考えられるので、それよりは若干タイトな条件となる。

ストリーミング動画を連続再生したところ、驚きの結果

 今回のテスト環境としては、Wi-Fiで動画を途切れることなく再生することを前提に、動画を24時間配信している「AbemaTV」をチョイス。スループットの変動がそれほど大きくないと考えられる「Abema news」のチャンネルを表示し、iPad側の明るさの自動調節はオフ、自動ロックなし、音声をミュートにした状態で、バッテリーが満充電の状態から減少して電源が自動的にオフになるまでの時間を測定することにした。

Abema news AbemaTVの「Abema news」をストリーミング再生してバッテリーの持ち時間を測定。手前に置いているのは記録用のカメラ

 さて今回の実験、開始したのが午前中だったため、バッテリーが尽きるのは10時間プラス2時間と仮定しても早ければ夕方、どんなに遅くともその夜のうちだろうとタカをくくっていたのだが、夕方になってもバッテリーの残容量は50%を割らず、一向に終わりが見えない。想定を上回るバッテリーの持ちだ。深夜までかかることは想定していなかったため、このころから少し焦り始める。

 同日夜になってようやくバッテリーの残容量は50%を切ったものの、どう考えても当日中にバッテリーが尽きるペースではない。動画の再生はそのままにしていったん仮眠を取り、深夜に起き出してチェックを再開したが、それでもまだiOSがバッテリーの警告表示を出す10%のラインまでは程遠い。

iPad バッテリーが10%を切るとポップアップで警告が表示される。そのまま放置しておくと電源が自動的にオフになる

 結局、バッテリーが10%を切って警告のポップアップ表示が出たのが、再生開始から19時間を経過した午前4時過ぎのこと。その後自動的に電源がオフになるまで、さらに1時間50分がかかったため、最終的なバッテリー駆動時間は「20時間51分」という結果になった。なんと公称値の2倍以上である。

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