ドコモがスマート家電に参戦! 家族のための「ペトコ」開発者インタビュー(2/3 ページ)

» 2017年06月29日 12時26分 公開
[山本敦,ITmedia]

 ペトコの開発プロジェクトの責任者であるNTTドコモ 移動機開発部 イノベーション推進担当 担当部長の油川雄司博士は、先に実現したいユーザー体験やサービスをデザインし、その上でコストを踏まえて必要な技術を組み合わせていくユニークな手法でペトコを開発してきた説明する。

音声認識や画像認識で操作する

 「先にコンセプトありきという私たちとしては珍しいアプローチでスタートしました。個別の技術をつなげて、イメージしているサービスを具体的なものに仕上げていく作業はかなり苦労を要しました。例えば音声認識のエンジンが優秀だとしても、マイクが正確に動作しないと体験が損なわれてしまいます。操作が緩慢に感じられるとたちまちデバイスへの興味が薄れてしまいます。だから作り込みは丁寧に時間をかけて行ってきました」(油川氏)

音声コマンドを聞き取り中にはキャラクターが耳を傾けているような仕草をみせる

 ペトコのプロダクトデザインについては、村上氏をはじめとするスタッフが多くのヒアリングを重ねた結果、インテリアに違和感なく馴染むナチュラルなたたずまいに辿り着いた。背面投射のプロジェクターで表情を映し出したり、声によるインタラクションを組み合わせることで、ロボットのようなエレクトロニクス機器に話しかけるときに感じてしまいがちな違和感が解消される。ペトコの円錐(えんすい)型の本体は緩やかにカーブしているが、そこに安全規格に従って開発されたレーザー光源を内蔵するフォーカスフリーのプロジェクションユニットを使ってきれいに像を結ぶ。ペトコの表情や、ビデオチャットの映像やスマホから送られてきた静止画像が映せるように設計されている。

ペトコの機能を体験してみよう

 今回のインタビューの機会に、ペトコの試作機でさまざまな機能のデモンストレーションを体験させてもらった。ペトコには最大7名までの家族を登録できるが、顔認識に使う家族の顔写真や、各自の誕生日や記念日などの情報はスマホアプリ経由で設定しておく。スタンドアロンのデバイスだが、本体設定にはスマホかタブレットが必要になる。

petocoアプリでユーザー情報を登録。家族を7人まで識別する

 設定を済ませたら、基本的な操作は音声認識と顔認識が中心になる。「ハイ、ペトコ」と呼びかければスタンバイ状態から起動。操作が終わったら「バイバイ」とコールすればスリープ状態に切り替わる。

 ペトコの本体にはフルカラーのLEDランプが内蔵されており、初期設定で「青はおとうさん」「赤はおかあさん」「緑は息子」といった具合に色と家族のメンバーを結びつけておくと、おとうさんへのメールが届くと青いランプが点灯するようなギミックも仕掛けてある。

本体に搭載するLEDランプの発光色を家族に合わせて登録できる

 ペトコのキャラクターには通常の2つ目の顔と、誕生日などお祝いのメッセージを読み上げてくれるときに登場する1つ目の顔の2種類がある。音声読み上げの声は1種類。本体底面のモノラルスピーカーから発声する。

本体の半分から下が淡く光るデザイン

 ペトコの設定が完了したら、アプリをインストールしたスマホとの間でテキストと静止画、動画によるメッセージの送受信が可能になる。おとうさんがスマホから子どもに宛てて「元気にしてるか?」とメッセージを送ると、子どもが学校から帰宅してペトコに届いているメッセージをチェックしたときに、ペトコが流ちょうな音声でメッセージを読み上げてくれる。なお、メッセージを読み上げる時には顔認識も組み合わせて、認識された家族宛のメッセージだけが読み上げられるように設定できる。ペトコの顔認識についてはPUXの「顔認識 FaceU」が搭載されている。

底面にスピーカーを配置している
音量はアプリから、または音声認識による操作で変更できる

 デモを体験して、ペトコに内蔵するマイクの精度がかなり高いと感じた。ペトコはプロジェクターが映像を投射する側、すなわち顔認識用のカメラが向いている側が「正面」になるので、マイクユニットは効率よく正面側に2機搭載するだけでクリアに音を拾う。今回は静かな会議室でデモを見たが、村上氏によれば「静かな環境はもちろん、リビングなどの部屋にあるテレビやステレオなど音の鳴るデバイスから5〜6mぐらい離して置けば、ペトコから2〜3m離れた場所から声をかけても正確にコマンドを認識してくれる」そうだ。ノイズリダクションにエコーキャンセリングなど、音声認識についてはフュートレックの技術が採用されている。

本体正面に2つの高感度マイクを搭載した

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