ドコモ夏モデルの狙いを読み解く ミッドレンジ拡大、ハイエンド機も買いやすく:石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2019年05月18日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

ハイエンドモデル限定で実施する「スマホおかえしプログラム」

 とはいえ、スマートフォンの技術革新をリードしているのは、やはり今でもハイエンドモデルだ。通信技術もその1つで、ドコモの夏モデルは、一部が下り最大1.5GbpsのLTE-Advancedに対応している。2020年にサービスインする5Gも、当初の端末はハイエンドスマートフォンが中心になる見込みで、「ハイエンドモデルは、これから5G時代を迎えるにあたっても重要になる」(吉澤氏)。分離プランによってハイエンドモデルが普及するペースが緩やかになり、インフラの移行速度が落ちるのは、ドコモにとっても得策ではない。

 実際、ドコモも夏モデルではソニーモバイルの「Xperia 1」やシャープの「AQUOS R3」、サムスンの「Galaxy S10」「S10+」に加え、ファーウェイの「P30 Pro」をそろえており、東京オリンピックバージョンの「Galaxy S10+(Olympic Games Edition)」も限定1万台で発売する。スタンダードモデルと銘打ったミドルレンジモデルを拡大させつつも、まだ数の上ではハイエンドモデルの方が層は厚い。

ドコモ ハイエンドモデルは5機種、Galaxyの東京オリンピックモデルを含めると6機種と、ラインアップは厚い

 ハイエンドモデルの場合、負担額が変わらないのではという指摘に対し、ドコモは、3年間同じ端末を使った場合のトータルコストは下がっていることをアピールした。吉澤氏によると、端末の平均利用期間は徐々に伸びており、ドコモのケースでは「3年以上お使いいただいている方が48%」と、半数に近いユーザーが3年以上、同じ端末を利用する傾向がある。

 月々サポートは2年間で終わってしまうため、現行プランと比較すると、「端末に割引がなく、4万2000円ほどご負担額が増えるが、3年間で見た場合は(新料金プランだと)4万8000円お得になる」(同)。お得になる額は機種によって異なるが、3年のスパンで見ると、総額での支払いが下がるというわけだ。

ドコモ ハイエンドモデルでも、同じ端末を3年使うと、新料金プランの方がお得になるという(旧プランがXperia XZ3、新プランがXperia 1で比較した場合)
ドコモ 全体の48%が、3年以上同じ端末を利用するというデータが示された

 ただ、3年で4万8000円は、あくまで3年間同じ端末を使うという前提の元での計算だ。裏を返すと、半数以上のユーザーが3年未満で機種変更している形で、2年以上3年未満という期間で区切っても、その比率は38%と高い。ハイエンド端末の販売を促進するためには、残り半分のユーザーに何らかの対応をしなければならなかった。短期間で機種変更するユーザーは、ドコモから見ると、「アクティブにスマートフォンを使って、市場をリードする存在」(同)といった側面もある。こうしたユーザーは、先進的な機能に魅力を感じるため、ハイエンドモデルとの相性もいい。

ドコモ 機種変更までの期間が3年未満のユーザーも半数以上で、二極化傾向にある

 そこでドコモが導入したのが、36回の割賦と端末の返却による残債免除を組み合わせた、「スマホおかえしプログラム」だ。このプログラムを使うと、月々の負担額がこれまでの3分の2に抑えられる上に、残債が免除される。端末は手元からなくなってしまうが、過去に実施していた下取りプログラムを使った場合と比べても、2年間で約3万円、支払額は少なくなるという。一見“3年縛り”のようだが、最もお得に機種変更しようとすると2年ちょうどが最適になるため、分離プランによって端末の買い替えサイクルが伸びるのを抑える効果もありそうだ。

ドコモ 36回の割賦と端末の返却を組み合わせた「スマホおかえしプログラム」を発表した

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月08日 更新
  1. KDDIのローミング縮小でも「やめる理由にはならない」 楽天モバイルユーザー4人が語る本音と“経済圏”の囲い込み (2026年10月05日)
  2. 新コード決済「teppay」はどこで使える?  エキナカ施設からコンビニ、ファミレス、ECまで一挙案内 (2026年10月07日)
  3. 楽天モバイルの「ローミング継続」条件は本当に「エリア外」だけ? 2社のマップから見えた“食い違い” (2026年10月08日)
  4. 楽天ドライブに不正アクセス 1万5382件の保存データ閲覧、313件のパスワードも (2026年10月06日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. Xperia純正充電器がソニーストアから消える 今後は「出力30W以上のUSB Power Deliveryに対応した充電器の使用を」 (2026年10月07日)
  7. モバイルSuicaのコード決済「teppay」10月20日開始 2万円を超えたチャージが可能に (2026年10月06日)
  8. 【ワークマン】2900円の「撥水8ポケットショルダーバッグ」 13型ノートPCも入る収納力 (2026年10月07日)
  9. 注目点は“可変絞り”だけじゃない! 「iPhone 18 Pro」のカメラは思った以上に変わっている (2026年10月05日)
  10. 資産3000万円以上が対象 MUFG「エムット」最上位サービスと“年会費無料”アメックス・プラチナの魅力とは (2026年10月08日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー